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メーカー事務職(女性) 2018-05-21
私が所属しているのは、製品の国内物流と国際物流を担当する部署です。部署や業務内容は変化していますが、入社以来、物流業務に携わっています。
組織編成の都合で入社2年目から実務で一番上になり教える立場が大半ですが、教わる立場は、入社時と国内から輸出担当に変更となったときの2度経験しています。過去2人の先輩に指導を受け、「泣かれた経験」と「泣かされた経験」がありました。
入社時に指導をしてくれた女性のA先輩は、仕事では厳しい人でした。一度教わったことを聞くと......
「この前言ったよね?」
「この前ノートに書いてもらったよね?見直して」と一言。
新人2名が同じA先輩に業務を教わっていたので、どちらかがその言葉を言わせてしまうと、もう繰り返せません。
A先輩に「この前......と言われないように、質問する前にすでにノートに書いていないか確認し、同期にも「習ってないよね?」と声をかけてから、慎重に質問をしたものです。
当時は景気もよかったため国内デリバリーは出荷手配件数も多く、毎日残業するほどとても忙しい日が続きました。A先輩は、新人が退社した後にまた一仕事。2人の新人の面倒をみながら、自身の仕事もこなさないとならないA先輩は、業務が立て込む決算時期に限界に達し、「もう無理」と休憩に行ったトイレで泣き出してしまいました。自分たちのせいでA先輩を困らせていると理解しているので、申し訳ない気持ちで3人一緒に泣きました。
あの厳しいA先輩が私たちの前で涙を見せるなんて......。A先輩が必死に業務に取り組み、精一杯私たちと向き合ってくれていたことを知り、改めてありがたい気持ちになりました。
1年間A先輩から指導と引き継ぎを受け、同期と私は新設部署に国内デリバリー業務を持って異動になりました。
そして7年くらい経過したところで、国内デリバリー業務は各生産工場に移管され、私は部内の輸出デリバリーを担当するグループへ異動になりました。ここで、2度目のOJTを受けました。
1度目のOJTで細やかに指導してくれた女性のA先輩に対し、2度目のOJTで指導してくれた男性のB先輩は、ポイントだけを伝えあとは実務を通して自分で学ぶことを重視する指導方法でした。
国際物流では貿易用語を使うため、未経験者にとっては用語の意味を理解するところからスタートです。私は英語も得意ではないため、船名や仕向地のスペルも確認しながらの入力で、時間を多く要してしまいました。残業代はつけずに1人残って作業を続けることもしばしば。
あるとき、B先輩に業務のやり方を教わっていると、予想もしない言葉が飛んできました。
「私がやるから今後あなたはもうこの仕事をしなくていい!」
と、突然キレられたのです。(なんで!?)
遅いながらも自分なりに努力していたので、理由もわからず、悲しい気持ちと悔しい気持ちで、トイレに行って泣きました(定番ですね)。
その後、B先輩は海外で仕事がしたいと会社を退職し、いまだにあの言葉は何だったのかわかりません。私の仕事が遅いためイライラしていたのか。うまく伝えられなくて面倒になったのか。あるいは、指導で溜まっていたものを吐き出したかっただけなのかも知れません。教えることは、自分の思うように行かないことも多いですから。
B先輩が退職後は、教える立場になり10数年が過ぎました。
先輩たちの当時の大変さがよくわかるし、厳しく指導してもらったからこそ、成長できたという確信もあります。
指導に迷うようなときには、A先輩の涙を思い出し、自分を奮い立たせて後輩たちの成長を信じるようにしています。
2つの涙の経験は、教える立場になって役立つ経験で、今でもとても感謝しています。
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