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席が離れたOJT

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ナビゲート[よ]  2017-08-09

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席が離れたOJT

社会人になって20年以上が経ちますが、このたび初めて新人のOJTリーダーを担当することになりました。
これまで、育児休業明けスタッフの職場復帰OJTを担当したことはありますが、新たに入社するスタッフを担当するのははじめてです。さすがに仕事がらOJTのイメージはできていますが、では具体的には何から準備を始めたらよいのだろうか。まずはそこからのスタートでした。

新人[に]は私よりも20歳も年下、当然ジェネレーションギャップもあるでしょうから、若者が興味のありそうなことや行動などの調査も必要になりそうです。
幸い、弊社教材「OJT実践ノート」が強い味方になってくれました。このノートの通りに進めれば、準備自体はスムーズにいきそうです。
「OJT実践ノート」のシートを活用してOJT期間中の計画を立て、指導項目リストから各担当者に予定を調整してもらい......。
基本の3シートが埋まっていくにつれ、受け入れの気持ちも準備できました!

そしていよいよ入社当日、自己紹介からはじまり、社内の紹介や職場生活の説明など、指導項目リストをもとにOJTは順調に進みます。
[に]はすでに社会人としての経験が1年近くあり、会社のしくみや事務の流れなどの理解も早いので、一度教えれば大体のことは習得できそうです。初期のOJTではあまり苦労をすることもなく順調に進んでいき「私はなんて恵まれているんだろう!」と周囲に感謝をしていたのですが。

3カ月が経とうとしていたある日、毎日隣の席にいた[に]が、業務の都合上、隣の部屋に移動することになったのです。

弊社は社内研修支援と業務マニュアル制作を事業としています。少ない人数ですが、全員が多能工で、大きな受託案件が入ったときは、皆で連携してやりくりしています。
私自身、総務・経理、研修事務が主な役割ではありますが、時には制作やナレーションなども担当しています。
受託案件は予定が立てづらく、いったん入ったら納期は待ったなしですから、柔軟性とチームワークが要求されるのです。

さて、[に]にも、いずれ複数業務を担当してもらうことにはなりますが、半年間はまず定型的な業務を1人で遂行できることを目標として、その業務をOJTを通して行ってきました。

しかし、急きょ、[に]にも受託案件の一部を担当してもらわざるを得ない状況になったのです。もちろん、業務では予定通りにいかないことのほうが常であることは織り込み済みです。
そのため「OJT実践ノート」の「指導項目リスト」も、予定変更に柔軟に対応できるようになっています。なので、OJTが滞ることはありません。

しかし今回は、席の移動も発生したということが想定外でした。
[に]が分担するのに必要なスキルの指導担当者が隣の部屋にいるため、しばらく近くにいるほうが習得も速いだろう、との理由で1カ月間の短期留学(!?)が決まったのです。

当然なのですが、部屋が違うとなると、とたんに様子が見えづらくなります。
受託案件の内容について、自分自身が詳しく把握していないので、なおさらです。
出勤から退勤まで、特に用事がなければ会うこともなく、簡単には様子をうかがい知ることもできず。急に手が離れてしまったようで、私自身が不安になる反面、OJTに対して気が抜けてしまったような、そんな感覚になってしまいました。

いつも様子が見える状態でのOJTと、様子が見えない状態でのOJTとでは、かなり違うものだな、と実感したのです。

席が隣のときは、[に]が今その業務のどの段階であるかをわざわざ聞かなくてもだいたい把握できましたし、少し手が止まっているときは、何か悩んでいるのかななど、様子をうかがい知ることもできました。
しかし席が離れてからは、受託案件業務とOJTとの間で、兼ね合いや優先順位などの判断にあたり、戸惑うことも出てきました。

例えば、もともとOJTの一貫で[に]が担当していた顧客対応業務がまだ手付かずにいると気づいたとき、果たして本人はわかっていて後でしようと思っているのか、それとも忘れてしまっているのか、応援が必要な状況なのか......、判断がつかないのです。
自分から言い出すまでもう少し待ってみよう、などと思っていると、その間なかなか仕事に集中できません。
見えないということは、実にもどかしいことです。

しかし逆に、これまでは隣の席だったため、自分が空気を読みすぎて先回りしてしまっていたのかもしれない。という反省点にも気づかされました。

本来なら、席が離れていようが仕事が違っていようが滞りないように、進捗状況を共有する大切さをもっと指導すべきだったのかもしれません。

そうこうするうちに[に]の短期留学は無事に終了し、元の席(私の横)に戻ってきました。
OJTでは、新人はリーダーの近くの席にいるものだという感覚になってしまっていましたが、今回のOJTでは予想外の移動に少し慌ててしまいました。いやいや、想定外の出来事はこれからもっとたくさんあるはず。
いろんなパターンを経験しながら、私自身も成長できればと思っています。


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