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海外の部下からの学び

海外の部下への接し方意識変革

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ホテル開発業(男性)  2019-06-17

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海外の部下への接し方意識変革

私は現在、海外における不動産開発の一環で、日系ビジネスホテルの海外進出業務に携わっており、現地法人の設立から、不動産交渉、一部運営体制のセットアップに携わり、すでにある国で2店舗開業させている。担当エリアが主に東アジアということで、自然とその地域の方とのコミュニケーションの機会は多く、ここ数年頂く名刺は海外の方のものの方が多い。

一方、グローバル化ということが言われて久しい。日本を訪れる観光客が年間3000万人を超し、来年にはいよいよ待望の東京オリンピックである。また労働力人口の不足を外国人の方の登用という形で補っていくことは、ますます増えていくだろう。従って、グローバル化の流れは、従来のように商社や製造業など一部の業種に留まらず、もはやこのコラムを拝読されている多くの方の周りで、起こっている現象になっていると推測する。そのため、私が海外でのビジネス経験で得られたことを少しでもシェアできたらうれしく思う。

部下、あるいは協業する同僚との関係において、日本人同士でもたくさんの壁があるように思う。まして、海外の方とのコミュニケーションとなると、さまざまな壁が想定される。当初、海外のビジネスを本格化する前の想定で一番想起しやすいのは、言葉の壁である。もちろん言葉というのは最後の砦であり、できないよりできるに越したことはない。しかしながら、それであれば日本語ができる海外の方とは摩擦は生じにくいはずであるが実際はそうでない。特に東洋人ともなると、見た目が日本人と似ているためか、相手が少しでも日本語がしゃべれる、あるいは英語等でもコミュニケーションができたとすれば、なんとなく安心感を持ってしまいがちであるが、それで痛い目に遭うことは今思えば多かった。

例えば、お隣の国の韓国。世界的な視座で見た場合、文化や慣習も含めて非常に近しい国である。実際法制度や国の仕組みなども(歴史認識など政治的な問題を除けば)極めて似ており、ビジネスと割り切ればお付き合いをしやすい国の一つだと思う。しかしながら、こと商慣習や暗黙の了解というものは日本とは全く違う。当初、私がよく言われたのは、次の言葉である。日本の感覚で会議を設定するととにかくよく反応があったのが「その打ち合わせ、必要ですか?」ということである。日本人である我々は、会議を定期的に定めて、それまでに課題を持ち寄って解決し、物事を推進していくという感覚があるが、韓国の方は予定を決めることをあまり好まない。このことを飲み込むのには少々時間がかかった。また、なぜ会議が必要なのか? その狙いは何か? ということを何度も何度も伝える必要があった。一方、なぜ? 狙い? ということを両者が自問自答するので、形式的な会議は必ずしも必要はないなと感じ、だいぶ会議の頻度は減らしたように思う。

給料と職務内容の関係というのも大いに考えさせられた。日本以外の国は、アジアでも転職は当たり前であり、皆平気で辞めていく。たとえコミュニケーションが深まったり、個人的に気が合ったとしても、その人の職務価値に関しては時価での支払いが重視される。日本企業のしきたりでは、例えば人事制度の都合上、もしくは日本側と合わせるため、時価での評価というよりは、緩やかに給与アップという形で還元していくことが多いと思うが、それでは、よほど日本のことを(言葉以外にも)理解している人以外は、わかってはもらえない。むしろ評価しているということを言えば言うほど、ならばなぜ給料を上げてもらえないのかと不満を募らせるのである(そして残念ながら優秀な部下が転職してしまい、涙を呑んだことも1度や2度ではない)。

極端に言えば、評価していると口で言っているのに、給料が伴わないと感じられると、嘘つきというふうに見なされる。だから私は海外では評価は給料で行うことに割り切っている。国によっては肩書というのも給料と同様に効果的である。ただ褒めても、給料や肩書が伴わなければ、嘘つきということになってしまうリスクがある。会議一つにしても、やる意義を説明しないと伝わらないのである。このように、グローバル化に必要な意識改革とは、大層なことではなく、細かい心遣いである。

また、これは経営的な課題となろうが、海外の風習や文化に対応した人事制度を突き詰めていくと、日本国内の課題にも行きつく。すなわち雇用の流動性を高めることであったり、年功序列というものではなく、職務に見合う給料を時価で支払うような体制が整備されない限り、現場は大変である。今後、国内で我々が外国人の優良人材を雇う際には、そのようなことは十分に留意する必要性があるだろう。


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