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販売会社(男性) 2018-04-12
某メーカー系列の販売会社で、営業員教育を企画・推進する部署にいます。
私は中途で入社し、Aさんという先輩からOJTを受けました。Aさんは課長代理で年齢もかなり離れています。
Aさんは、とにかく自分で考えさせることを重視し、やたらと「そもそも」について質問してくる人です。
それは意味のあることではあるのでしょうけど、だんだん出社するのが憂鬱になってきました。
例えば、四半期ごとの所長会議のとき、「同行営業の方針と進め方」をテーマにした議論があり、それをまとめた資料を私が作ることになりました。
私がドラフトを作って持っていくと、ざっと目を通して
「これで何がしたいの?」と聞かれます。
「前回、営業活動では所長の営業同行が大事だという意見が出たので、同行の方針とあり方についてまとめたも......」
「そうじゃなくて、この通りにしたらどうなるのかって聞いてるんだよ」
「はぁ。所長が今よりも効果的に同行ができるようになると思うんですが」
「効果的ってどういうこと?」
「......受注につながるということです」
「なぜそう言えるの?」
「ええと、前回の定例会で、所長同行が受注につながる鍵だという意見が多かったので......」
「あなた自身はどう思うんだ?」
「はぁ、私は営業経験はないですが、皆さんがそう言われるならそうかなと......」
「そもそも所長同行で本当に成績があがるのか?」
「......と言われましても......」
(えー、今さらそこに戻るの?これっていつ終わるんだろう。これじゃ資料が間に合わないよ......)
最初の頃は、それなりに勉強になったのです。
前職では自分で考えるという習慣があまりなかったので、私にとっては厳しいながらも刺激になりました。
仕事をするには、目的や意味を深く考えないといけないんだな、と素直に学ぶ気持ちもありました。
が、しかしです。毎回毎回これなのです。いい加減、たまったものではありません。
1対1のOJTのときはもちろん、会議の場では、私だけでなく他のメンバーも厳しい追及を受け、結局結論が出ないまま堂々巡りになることも多々ありました。これを、私たちは密かに「代理のちゃぶ台返し」と呼んでいました。
何がしたいのか
それをする目的は何か
あなた自身はどう思うのか
なぜそう言えるのか
そもそも......
そして最後には、「もう一度よく考えてから持ってくるように」と言い残して会議室を出て行きます。
「そうは言っても提出期限は明日なのです」などと言おうものなら、質問の数が倍になって返ってくるだけです。
新卒で入った若いメンバーなどはだいぶ精神的に追いつめられていて、「もうどうしていいのかわかりません......」と毎回半べそ状態です。
いずれもごもっともな質問で、それを考えるのは至極大事なこと、......ではあるんですけど。
そうは言っても、毎回ちゃぶ台返しはきついです。
自分たちの考えが浅いからこんなことになっているのかもしれません。もっと優秀だったら、毎度ちゃぶ台を返されなくても済んでいるのかもしれません。それはそうだろうと思います。私に問題はあるのでしょう。が、私も言いたい(聞きたい)ことがあるのです。
最後に、聞きたくても聞けないクエスチョンをここで吐き出させてください。
「代理!あなたはそれについてどう考えているんですか?さんざんかき回し、混ぜっ返しておいて、自分の意見は何も言わないんですか!それって卑怯じゃないですか? もしかして、本当は何も考えてないんじゃないですか? 質問は無能の隠れミノですか? 堂々巡りの後始末をどう責任とるんですか? 格好つけてないで、たまには自分の意見を言ってみろーー!!」
ああ、少しすっきりしました。
代理のちゃぶ台返しにあとどれくらい我慢すればいいのかわかりませんが、異動までの辛抱と思って、耐えしのぼうと思います。
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