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製造業(男性) 2016-09-07
製造業の設計部署に勤めて10年が経ちましたが、部下からも「お兄さん」というよりは「ベテランの先輩」として扱われるようになりました。10年も仕事をしていると、例えば考え方の整理の方法など、直接は使わずとも仕事には必要な知識や考え方があることが、よく分かるようになってきます。しかし、この必要性がなかなか部下のA君には伝わりません。
普段、仕事をしていてよくあるのが、
A君「これ、どういうことなんですか。」
私「これは、こういうことだよ。大事なことだから勉強しておいて」
といった会話。
A君は入社して5年が経ち、覚えもよく次々と仕事をこなしていきます。
しかし、なかなか業務に直接かかわること以外には手を付けられない様子。
先ほどの会話から数日経って聞いてみると、
私「この前に話したあれさ、どう?何か調べてみた?」
A君「あ......、まだやってないですね。ほかのことが忙しくて......」
私「あ......じゃないでしょ!今忘れてたよね!?」
となります。ご覧いただいている皆さまも、覚えがあるのではないでしょうか。
多くの会社において、ここ数年の中で、仲間の人数が少なくなったとか、効率化を強く求められるようになったとか、残業ができなくなったというような変化が、急速に進んでいるという話を聞きます。担当する仕事が多くなり、とはいえ残業も好きにできない。そうなると、目の前の問題を解決することで精いっぱいになってしまう。といったような状況のようです。
私の働いている部署も同じような状況で、各々の課題は山積みでいくら片付けても減らないといった状況ですが、それでも優先順位を付けながら仕事をすることが必要です。
さて、ほかのことが忙しいと言ったA君は、私に怒られます。
私「なんでやってないの!大事なことって言ったよね?」
A君「でも、あれもこれも仕事あるわけじゃないですか!今忙しくてできないですよ!」
目の前の仕事に集中し、先々のことを考えられていないようです。
私「これを知っておくとね、こういうときに役に立って、仕事も効率的になると思うよ」
A君「そうですか。確かにそうですね。でもやはり今はできません。B先輩に依頼されていることがあるんです」
私「そうか。それはいつまでにやらなきゃいけないのかな?」
A君「それは......。聞いていませんが、なるべく早くだと思っています」
私「じゃあまず整理しようか。仕事の優先順位を聞いてきてよ。それで、いつ勉強できるか決めよう。」
A君「分かりました。」
こうして、A君は勉強への一歩を踏み出すことができました。
直接業務にかかわらないことは、特に後回しになってしまうことが多いのですが、意外とその知識やスキルがあると今後の業務が速くなるといったことも、後回しになりがちです。そういったことは上司が最後まで面倒をみないといけないですね。私も部下に対してほったらかしになってしまうことも多いので、反省しています。
昔、上司には、「人を動かすために必要なことは、やらなきゃならない理由を納得させることだ」と教えられてきましたが、それだけではなく、時間を作ってあげることも大切なのではないかなと感じています。
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