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会社員(男性) 2009-12-10
私は数年前まで某デザイン専門学校の助手をしていましたが、後になって思い返してみれば失敗したなぁと思うことがありました。
それまで通っていた専門学校を卒業したあと、同専門学校の助手として働くことになり、人に勉強を教えるという初めての経験に私は張り切っていました。
学生から質問を受けると、かわいい後輩たちのために何事も親切丁寧にわかりやすく、一から十まで教えるように心がけていました。そういう教え方の甲斐あってか、学生たちは私にとてもなついてくれました。
またいろいろな専門学校や個人が自分たちのデザインを披露しあう「デザインフェスタ」に出品することになったときには、私はリーダーとして学生を引っぱり、誰よりも熱心にオブジェの制作に励みました。その努力も報われ、私たちのブースは大盛況!一緒に頑張った学生たちもイベントをとても楽しんでくれていました。
私は助手として学生から慕われ、指導する立場の自分に優越感も感じながら、学生の延長のような気分でとても楽しく働いていました。
ですがある時、私の上司である教員のA先生に「君は学生たちに答えを教えすぎている。もっと学生に考えさせなさい」と注意を受けました。私が何もかもやってしまってあげているせいで、学生が伸びなくなってしまうとのこと。ですが逆に学生からはこんなことも聞いていました。
「先生は何も教えてくれない。何をどうやっていいのかわからない」だからよけいに私を頼りにしているというのです。どうやらA先生はA先生で、最初から「さあ自分たちで考えなさい。わからないことは自分で調べなさい」と指導しているようなのでした。
絵に描いたような上下の間に挟まれる立場になってしまった私ですが、やはりなついてくれている学生のほうがかわいく思えてしまい、急に学生たちに「自分で考えなさい」と突き放すことができず、結局A先生の意見は受け入れないまま、学生に対する接し方は改善されませんでした。
数年たってみると、A先生が言っていたことも理解できるようになり、今ではその時のことを思い出しては「学生を成長させてあげられなかったかなぁ......」と反省することもあります。教えることの難しさを初めて感じた経験でした。
「やってみせ 言って聞かせて させてみせ 褒めてやらねば 人は動かじ」山本五十六(太平洋戦争のときの連合艦隊司令長官)はこう言っています。(1)まずやってみせる、(2)言って教えたら、(3)やらせてみる。(4)そして結果を評価してあげる。この4つのうち、どれが欠けていても駄目なようです。私は「させてみせ」ができていませんでした。A先生は「やってみせ」ができていなかったと思います。
教えられる側の人もさまざまであるため、教え方はその人それぞれに変えていかないといけませんし、やはり人に何かを教えることは大変です。
ですがこの4つだけは忘れないよう、心がけています。
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