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小売業(男性) 2010-11-04
食品の個人宅配を行う小売業の会社に、新卒採用で入社して4年目。
入社当時はトラックで行う配送にもかかわらず、運転すらままならないといった状態で配送時間の遅れや荷崩れによる商品の破損など、お客さまと会社に迷惑をかけっぱなしの自分でした。しかし、2年ほど過ぎ徐々に仕事に慣れはじめたころ、事件は起きました。
自分より3年先に入社していた先輩は、いつも自分のことを気に留めてくれ「大丈夫?何かわからないことはない?」と、常に自分をサポートしてくれました。仕事が終わってからもよく一緒に食事に行ったりし、本当に頼りにする存在でした。
しかし、その先輩は仕事の要領があまりよくなく、定期的に行われる、限定した商品の販売促進キャンペーンなどでは営業成績がいつも下位に位置していました。
自分はこれまで思った以上に好成績を収めることができていたので、上司からは"期待の星"と言われることもあり、調子に乗ってしまっていた時期でもありました。
そんなとき、上司からその先輩の成績が上がるようにサポートしてくれと言われました。
今まで頼りにしていた先輩にサポートすることなんて自分にできるのか?といった悩みもありましたが、上司から言われた以上やらざるを得ません。しかし、先輩としてもプライドがあります。なかなか自分からのアドバイスに耳を傾けてくれない先輩に、時々生意気な口を利くこともありました。そして次第に2人の仲は険悪な雰囲気になってしまいました。
ある日、私は熱を出してしまい、フラフラの状態で仕事をしていました。しかし、その日は大事なキャンペーンの最終日で、なんとしてもノルマを達成しなければならない日でした。自分の不調に気がついた先輩は「もう帰りなよ。あとの仕事は俺がやっておくから大丈夫!」と、先輩もノルマが残っているにもかかわわらず、そんな言葉をかけてくれました。「大丈夫です。がんばりますから!」と言いつつも、内心は、先輩に任せたら未達成に決まってる......と思っていました。しかし、体は嘘をつけず、結局自分は退社することにしました。もうこのノルマは、未達成であきらめるしかない。体調管理ができなかった自分が悪いんだ、などと思いながら帰路につきました。
しかし、翌日出社すると自分は"達成"になっており、先輩は"未達成"になっていました。
なんと先輩は、私が退社したあと自分の仕事より先に私の仕事を手伝ってくれていたのです。その事実を知ったとき、自分はなんて情けないんだろうと痛感しました。
その一件以来、自分は初心に返り、成績が高くても低くても先輩は先輩。尊敬すべき点はたくさんあるし、学ぶべき点もたくさんあると思うようになりました。
先輩には、心からお礼を言い「今まで生意気な口を利いてすみませんでした」と謝罪をし、昔と同じ良好な関係に戻ることができました。
自己犠牲を払ってでも後輩を応援してくれる先輩。本当に大切なことはノルマをこなすこと(もちろんそれも大事ですが)よりも、まずは人として誠実であること。その心がけがあってこそ、 信頼関係を築いていけるのだと実感しました。
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