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会社員(女性) 2010-10-08
入社して2年が過ぎ、徐々に仕事にも慣れてきたころのことです。ある企画を進めているとき、突然上司から提案がありました。
「今度この企画のプレゼンをやってみて」
「......(え!)」
これまで、上司や先輩がプレゼンを行う場に同行することはありましたが、自分でプレゼンを行ったことはなく、想像しただけで緊張してしまいます。
確かにいつかはその日が来るのかもしれないと思ってはいたのですが、まさか数日後に控える打ち合わせとは!戸惑いながらも「......わかりました」と答え、まずはプレゼン資料を上手く読めるようにならなくてはと何度も練習をしました。
訪問日が間近に迫ってきたころ、上司がプレゼンのロールプレイングをしてくれることになりました。訪問し部屋に通され、挨拶をするところからはじめます。できるだけ丁寧に、ゆっくり話すことを意識しながらプレゼン資料を読み上げていきました。そして最後まで資料を読み上げ、一息つこうとしたところ、お客さん役の上司からあらゆる質問が飛んできました。「えっと、それは......」とあたふたしてしまい、なに一つまともに返答ができません。プレゼン資料を読み上げることでいっぱいだった私は、お客さんから受ける可能性のある質問についての対応をまったく考えていなかったのです。
そんな私に対し、上司は助言をしてくれました。
「話が上手くなくてもかまわないよ。肝心なのは、お客さんの反応を伺うこと。話すことに一生懸命になりすぎて、お客さんがどんなことを言っていたのか、どんな表情をしていたのかがわからないほうが問題だからね。それと、当日どんな質問をされるかわからないからある程度想定しておいたほうがいいよ」
その助言にはっとさせられました。
いつの間にか自分のなかで「プレゼン=上手く話すこと」となっていたのです。さらにその先に目的があるわけで、上手く話すことにこだわりすぎててはどうしようもないことを実感しました。
そして迎えた当日、上司のフォローと練習のかいがあって無事にプレゼンを行うことができました。上司からも「よかったよ」と言ってもらうことができ、一つ成長できたような気がしました。
ところで先日こんなことがありました。
ある営業担当者がぜひ自社サービスの紹介をしたいと来社しました。
話を聞きはじめると、「こんなこともできるんです!最近は、こんなサービスもはじめました」と得意そうに延々と話を続けました。しばらくしても、彼は相手(私)がどんなものを必要としているのか聞こうとはしませんでした。もしかしたら私が話を切り出すのを待っていたのかもしれませんが、そういう気配はまったく感じられませんでした。興味のある話ならともかく、興味のない話を長くされるのはだんだん聞くのも疲れてきます。
そこで、お客さんの立場になってふと気づいたことがあります。
もしかしたら私もこの営業担当者のようなプレゼンをしていた可能性があるかもしれないなと。伝えたいことを必死に伝える一方で、相手が見えていないという危険性があります。プレゼンは、自分のためではなく相手のためにするということ。これからは、相手を尊重できるプレゼンができるように心がけていきたいと思います。
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