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事務職(女性) 2007-10-18
今の会社に入社した6年前の話です。
当時私は大学を卒業しても就職が決まらずアルバイトをしていたため、正社員として就職をするのは初めてのことでした。
そんな私は退職するAさんの後任として採用されました。
Aさんの退職日までは1週間しかなく、必然的に引継ぎも1週間しかなかったのですが、Aさんが退職した後は、「新人なのでわかりません」は通用しない、いくつもの事業所をかかえる一人前の担当者にならなくてはいけませんでした。
ただ、社会人としての経験がない私は、それがどれほど大変なことなのか全く理解していませんでした。
私の配属先の部署は、当時は入社10年近いベテランの先輩か、入社2、3年の人といった人員構成で、女性が圧倒的に多く、また事務所内の雰囲気も明るく人間関係もとても良い職場です。
しかし業務マニュアルはなく、ベテランの先輩たちも皆、実践の中から覚えていったとのことで、引継ぎは口頭で教わったことを私が必死で書き写すといった形で行われました。
私の業務は事務作業が中心で、暗記しないとできないことも多くあったため、それはそれで仕方のないことではありました。
マニュアルがないといってもAさんは簡単な業務のフローチャートは作っておいてくれたため必死で目を通し、ただ暗記することに全力を注いでいました。しかし、あくまでも作業手順なので、なぜそれを行うのか、それが後にどうつながっていくものなのかということがわからず、理解するのに非常に苦労しました。
今思えば、Aさんも入社して2年ほどしかたっておらず、人に教えるということに慣れていなかったのではないかと思います。
そんな中、怒涛の1週間は去り、いよいよ一人で立ち向かう時が来てしましました。
就職活動をしていたため、社会人としての必要最低限の常識は持っていたつもりですが、
そんなものは実践では全く通用しませんでした。
電話はばんばんかかってくるのにとまともに対応もできず、手紙一通出すのに「御中」でいいのかさえも隣の先輩に確認していました。
ただ、私がとても幸運だったことは、当時の私の席の両隣がベテランで仕事のできるT先輩とY先輩だったということでした。
リーダーシップがあり目立っている先輩たちだったため、誰かに「ある意味で最強の席だね」と言われたのを覚えています。(当時は意味がわかりませんでしたが)
その頃の私は文字通り右も左もわからず、Y先輩の担当の仕事をT先輩に聞くということを平気でしていました。
しかしさすがにデキル先輩達は、私を飛び越して「これってこういうことでしょ?」「うん、そうそう」と確認しあい私に教えてくれる、ということをやってくださり、今思えば愉快な光景が繰り広げられていました。
当時、私の教育担当になってくれたY先輩は、口頭で言ったことを私が書き写すというやり方は変わらなかったのですが、なぜそれが必要なのか、これはどういう意味をもつ作業なのかということを教えてくれたため、私は目の前の霧が晴れる思いでした。
その後、3カ月で別の業務を担当することになり、泣く泣くY先輩と別れ、今度はT先輩にお世話になることになりましたが、T先輩も素晴らしく頭の良い方で、ただ暗記するのではなくどうしてそうなるのかをわかりやすく教えてくれたため、私はなんとか一人でやっていくことができるまでになりました。
今、私が思うことは、ただやり方を教えるのではなく、自分がやっていることはどういう意味を持っているのかをきちんと教えてあげれば、仕事を身に付ける速度は格段に速くなるということです。
また、いつか訪れる(かもしれない)引継ぎの日のために、全体の流れを把握して自分が行っていることの意味を理解することができるような、最低限のマニュアルは作っておこうと思います。
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