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2006-08-23
何かを教わるとき「この人になら教えてもらいたい」と思える人に恵まれる機会はどれほどあるでしょうか。
習いごとを始めるなら自分で納得するまで先生を選べばいいのですが、仕事となれば当然そうはいきません。
上司は選べない、そんなことにまつわる私の経験談です。
以前、私はイベント演出の制作会社にアシスタントとして出入りしていました。その会社の某プロデューサーに気に入ってもらい、 実際はアシスタントというよりはパートナーという感じで2年近い付き合いになりました。私と某プロデューサーは親子ほども歳が離れていましたが、 よく面倒を見てもらい、当初右も左もわからなかった私にいろいろな現場を経験させてくれました。
しかしながら仕事に慣れていくにつれ、彼の仕事の仕方に疑問を覚えるようになってきたのです。 キャリアもないぺーぺーの若造が大したことは言えるはずないのですが、それでもどうしても「もっと効率的にできるんじゃないか?」と思う局面にぶつかりました。
どんな感じかといえば......
・5分で終わる電話が30分かかる(なぜかいつも関係ない昔話が絡んでくる、私はひたすら相づちを打つ)。
1度や2度ではありません、雑談もしながら仕事を進めるのがその人のペースとしてもちょっと脱線しすぎます。
この、話し好きな点はまだいいとして、
・人の意見を聞きすぎて、迷いに迷うがいつも最初の案に戻ってしまう(その紆余曲折の間、いつも振り回される)
こちらは深刻な問題でした。人を使う立場にある人は、使われる人が動くことを考え判断をしていかねばならないはずですが、この判断がコロコロと変わるため随分と余計な仕事が増えました。
時に必要な「無駄」もありますが、不必要な「無駄」があまりに繰り返されては、こちらのモチベーションも下がってしまいます。
当時の私は徐々にストレスをためていってしまいました。
嗚呼、自分はこの人についていて本当にいいんだろうか?
もっと何もかも吸収したくなるような、素晴らしく仕事をする人のそばにいたい......!
そんな鬱々とした日々。
でも今考えれば、上司をなめてたんですね。
確かに某プロデューサーのやり方にはよくないところはあった、でもそこばかりに目が行ってしまい、あの人の旨味を見逃していた。
クライアントの面倒は最後までキッチリ見るし、20年のキャリアゆえの知識はいつも生きている。
それから何より業界を生き抜くための達者な口を持っていた。
それだけのポストにいる人には理由があるはずなんですが、そこに注目することができなかった。
それに気づいたのは、ある日私一人で仕事をしたときのことです。
はじめて自分一人でクライアントとやりとりをするわけです。
ベテランがついてるのとそうじゃないのでは気持ちが全然違いますし、緊張もします。
そんな中、仕事をやってるうちに、自分が某プロデューサーの真似をしてることにふと気づきました。
例えば「クライアントへの確認は細かすぎるほど、その都度しっかり行う」こと。
これはとても基本的なことですが、クライアントとともに何か成し遂げるようなサービス業では非常に重要なことであります。 他にも仕事を進めるうえでのちょっとした気遣いやテクニックを某プロデューサーから自然と学んでいたことに気づきました。 彼がいつもやっていたことに仕事のコツが隠れていたんだと、気づかされたんです。
それからいろいろあって私は某プロデューサーのもとを離れることになりました。
苦労もしましたが様々なことを学ばせてもらって大変感謝しています。
一緒にいた当時は、自分が色々と学ばせてもらっていることには気づいていませんでしたが、後からだんだん意味がわかってくることがありました。
理想の上司に出会えればそれに超したことはない。
でもそうじゃなくても、学べることはあるのかもしれません。
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