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経営コンサルタント Miwa 2003-03-28
ある日のこと、隣の席に座る外国人の同僚が面白い質問を投げかけてきました。
同僚:「あの......前世を信じますか?」
私:「突然どうしたの?私は信じますよ。」
同僚:「そうですか。僕は信じていません。」
という会話。
さて、それからしばらくしたころのこと、彼は再び語りかけてきました。
「僕は今度生まれ変わったら、絶対にこんな会社には勤めませんよ。」
はてな......?彼は輪廻転生を信じていないのではなかったかな?それにしても不満の種は何だろうか、と考えたのですが、どうやら原因は上司にあったようです。
同僚が1人辞め、2人辞め、3人辞め、という中で、「あいつのために辞めることになるんだ!」「あの人さえいなければ、私は辞めませんよ!」という声を残していく同僚たち。
「あの人」とは、上司のことだったのです。
本来ならば、上司たるもの自分の部下を育てつつ、共に業務を円滑に進められるよう促すのが1つの役目。
しかしどこの会社にもいるのですね、部下泣かせな上司。恥るべき行為ですが、本人には「気づき」がありません。
当然ながら、部下いじめの矛先は私にも向けられてきます。
しかし「逃げたら負け」というわけで、ここは上司の上手をとり、「人の心に宿る良心」に"言葉"ではなく"行動"をもって語りかけてみようかと。
まずは実践です。
いかなる人の内にも長所もあれば短所もあり、善もあれば悪も宿る。それが多いか少ないか、強いか弱いかではないでしょうか。「善に接すれば、悪魔も改心する」ことがあります。ならば逃げずに前向きに、人の内に宿る天使を信じてみようか......。
そんな思いから、毅然とした態度でひたすら耐えつつ、この気にくわぬ上司が仕事をやりやすいように配慮と気配りに努めること数カ月。
さて、どうなったと思いますか?
あるころを境に何かが変わり始めたのです。
この上司、今度は部下の私が仕事を失敗しないように、やりやすいようにと何かと配慮してださったり、また、私の仕事ぶりを誉めていたと外部の方から伺ったり。
この変わりように驚くと同時に、ちょっとした満足感を味わうことに。
さらに「あなたはいったいどんな男性とお付き合いされているのか、素晴らしい女性に成長されたから......」という言葉。男性の影響ありと考えるあたりは、日本社会を象徴しているようで、上司の価値観を疑ってしまうところではありますが、笑顔をもって返答に替え、私は心の中で「人の前向きな姿に触れて、あなたの内に宿っていた悪魔が退散したのでしょう」とつぶやきました。
それからしばらくして会社は解散。
退職後のある日のこと、私のもとに1通のはがきが届きました。
「あなたには大変お世話になりました。お礼申しあげます。進路が決まりましたら、ぜひお知らせください。お祝いしましょう。」
差出人は、あの上司でした。
これは神様から与えられた課題だったのかもしれませんね。それに「気づき」というご褒美を贈られたような気がします。「逃げたら負け!努力した後でも遅くはない、実践が大切。会社も上司も部下も互いに生かされていることを忘れてはならぬ。ひとりの力で生きていると思うな。人の良心を信じてごらん。」そんな声が聞こえてきたような気がします。
そして、上司の礼状の中にも彼の「気づき」を見つけたことは言うまでもありません。
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