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kobebeads.com 那波 恭子 2004-04-19
何事も「最後の最後まで、何が起こるかわからない」。
だから、たとえ窮地に追い込まれても途中で投げ出さないでNever give upの信念を持ち続けると、きっといい結果が出るはず。
常日頃、わたしが仕事を行う上で心がけていることです。
そのようなNever give upの信念を教えられたのは、ゴルフを通じてでした。
大学を卒業後にゴルフを始めました。当時はバブル末期でゴルフを嗜むことは一種のファッション。上達よりも接待のために、ただなんとなく続けていました。今から考えると非常に情けない話ではありますが、努力をしている「ふり」をしているだけで真剣にゴルフと向き合うことなどなく、当然思うように上手くなりません。そんな具合で、当時はゴルフというスポーツの持つ奥深さについて考えたことなどありませんでした。ゴルフからいろいろな物事を学ぶようになったのは数年前、男子プロゴルフのボランティアをさせていただいたことがきっかけです。その後、縁あって外国人招待選手のアテンド業務のお手伝いさせていただくなど、手に汗を握る真剣勝負を何度も目の当たりにする機会に恵まれました。そして、競技を数多く観るにつれ、Never give up=最後まであきらめない、という信念の大切さを、次第に知るようになったのです。
プロスポーツの試合は筋書きのないドラマだとよく言われますが、とりわけゴルフにはその要素が多くあると思います。プロの世界ですから、言うまでもなく天賦の才を持つ、選ばれたトッププロだけが競技に参加しています。そのような選手たちが、普段から地道な練習を積み重ね、体調や精神力をベストの状態に保つように心がけ、競技に臨みます。通常4日間行われる競技は選手たちにとって自分との戦いです。その時々によって気象条件やコースコンディションなど、さまざまな要因や運も勝敗を大きく左右します。
しかしトッププロも人間です。競技中に思わぬミスをすることもあります。
とあるトーナメントの競技2日目、予選通過ぎりぎりのスコアで16番ホールを迎えた外国人選手に同行していたときのことです。その選手にとって今回が初めての日本での競技。グリーンの芝目やラフの加減など、不慣れな環境にもかかわらず、健闘していました。これまでのプレーぶりを観ていても、調子は決して悪くなさそうだし、このままあと3ホール、難なく終えることができますように。ティーグラウンドの外でそう願っていた瞬間に放たれたティーショットの行方は......
上空の風のせいか、単なるミスショットなのか、ボールは本来狙うべき安全な場所であるフェアウエーを大きく外れ、左のラフとカート道をも越えて、木が生い茂る谷底に落ちていました。果たして次はどこへ打てるのか?パーセーブはできなかったら、予選落ちしてしまうのかなあ......どうしよう......見守るわたしは悲しいほど無力です。
「次のショット、難しそうで打てないよ。キミ、代わりに打って奇跡を起してくれないかな」
彼は競技外でも冗談を多く言うタイプの選手。悪いイメージを払拭して気晴らしがしたいのでしょうか、致命的なミスを犯してしまった緊迫感の漂う状況にもかかわらず、次の地点に歩いていく間ずっと軽口をたたいています。このような場面での会話は選手のプレーに影響し兼ねないので、非常に気を遣いますが、競技内外で常に最善の手助けをしてあげることがアテンド業務。冗談交じりに笑顔で励ましてあげよう......そう言えば、以前トラブルショットを見事にリカバーして優勝した選手が「最後まで諦めないでよかった......」と涙をかみしめてコメントをしていたことがあったっけ。
「奇跡?わたしよりカラスにお願いした方が確実かも。でも大丈夫、次は打てるよ。Don't give up! = 諦めないで!」
「ありがとう。日本のカラスはよく訓練されているんだね。あはは」
彼は笑顔でボールに近づくと、しばらくボールを打つ方向やクラブを思案したのち、なんとスーパーショットを放ったのです。グリーン上、ピンの近くへ見事にオンしたボールに、ギャラリーの大歓声。ティーショットのトラブルから一転、バーディチャンスとなったのでした。
「Never give up, right? = 諦めちゃいけない、だよね?自分を強く信じ直したら、あのミラクルショットが打てたんだ」
その16番ホールでは、彼のリカバリーを通じて究極のNever give upの信念を垣間見た気がします。結局、予選通過を果たしたものの、残念ながら日本での初戦は平凡な結果に終わってしまいました。でもきっと今も世界のどこかで自分を信じて戦い続けているに違いありません。
最後に、みなさんもぜひ一度、プロゴルフ観戦を体感してみてください!
選手たちの技の巧みさに魅了されるだけではなく、「Never give upの信念とは何か」という熱いメッセージが、きっと伝わってくるでしょう!
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