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製造業の新人研修

関西に本社のある某家電メーカーでの新人教育

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家電メーカー(男性)  2003-01-23

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関西に本社のある某家電メーカーでの新人教育

長い伝統のあるメーカーの、この新入社員研修は、会社創立当初から延々と受け継がれたものです。
必要なことではありますが、個人的にはそろそろ違うスタイルでの研修をはじめてもよいのではと思う次第です。

■集合研修について

新入社員は入社式を終えるとすぐに集合研修を行う研修センターへ一斉に移動します。
1000名近い人が一度に移動するのですから大変です。バスによる移動ですが、準備をする研修担当者は大変だったと思います。
担当者は、半年以上掛けて調整をするそうですが、一番大変なのは、新入社員へ社史や会社のしくみ、厚生制度などを教える「先生」を どのように選任し、教育カリキュラムを伝えるかです。
先生役になる人は、全国の事業場の主任クラスを対象に推薦や指名などで選ばれます。 選任された人は実際の研修期間を含め1カ月半ほど、現業の業務から離れることになります。 しかし送り出す事業場にとっては「人材」を貸し出すことになるため、必ずしも諸手を上げて賛同している訳ではありません。
そのため繁忙期には「人選」をめぐり、研修教育センターと事業場との間で駆け引きがあります。 本来は優秀な人材を送り出すべきなのですが、ときには2番手、3番手が担当することもあり、任命されたときには複雑な思いがあるそうです。(どちらの立場で参加しているかということで......。)
実は私も選ばれたことがあります。ただ、業務の都合で他の方にお願いすることとなりました。このときの想いは複雑でした。

■製造実習を行う

2週間という長い集合研修を終えると、配属先となる事業場に戻り次なる研修に参加します。
中でもメーカーゆえに一度は経験することが義務づけられている「製造実習」はとても興味深かったのを覚えています。 今では製造現場がどんどん海外へ移設となり国内での実習は難しくなりつつありますが、物を作る喜びと難しさを学ぶいい機会だと思いました。
私は、ある製品の基盤を作る製造ラインで、「はんだ付け」をする工程の中で作業をしました。 大学の専攻は「企業会計監査論」でしたので、「はんだこて」すら持ったことがありません。 そんな私がする作業ですから、ライン長には非常に面倒を掛けてしまいました。 不良品になったかどうかはわかりませんが、少なくとも迷惑を掛けた製品があったと思います。
製造現場の実習は、のちのち製品を市場に届ける際に現場の方々の苦労を知ることが目的だったと思います。 また、大切な商品を市場に喜んでもらえるように届けることがメーカーの義務であり社会の公器と教わったのを覚えてます。

■販売実習中のエピソード

こうして「製造実習」を終えると、次に待っているのは「販売実習」です。
製造実習は、大切な商品を作る現場を知るため、そして販売実習は、その大切な商品をお客様に届ける現場を知るために行われます。 私たちは販売店にて、店主と共にお客様へ直接対応します。
この実習は真夏の暑い時期に行われますが、私が実習を受けた年は特に暑く、クーラーがよく売れました。 昔のクーラーは室外機にしろ室内機にしろとにかく重く、デカイのです。 暑いこの時期に一戸建ての家への配達はとても辛かったのを覚えてます。 夏の日差しに熱せられた瓦はアツアツで、裸足ではとても歩くことはできません。 靴を履いて瓦の上を歩くのですが、暑さと重さに耐えながらのきつい作業でした。
でも、私たちは実習を終えると作業から解放されますが、店主はずっとこの仕事をし続けるのです。 そのことを考えると私たちは決して「販売店さんあっての会社」であることを忘れてはいけないと思いました。

<集金の苦労>

たとえば、新聞配達の人が何げなく集金に訪れ、支払をし、領収書を受け取る、こんな日常的な処理にも配慮が必要なのだと思った出来事があります。
私が店主の代わりにお客様の自宅へ集金へ伺った際のことです。伺う前には必ず「訪問時間」を電話にて確認するよう指示されていました。電話に出たのはその家のおばあさんで、訪問時間をお伝えし、予定の5分位前に到着しました。 その家の主人に請求書をお渡しし、請求金額を頂く際に困ったことが起きました。現金ではなく「小切手」での支払だったのです。 しかし小切手についてよく知らなかった私は、受取ると「領収書」を切りお渡ししました。
店に帰り、店主に小切手を渡したところ、こんこんと怒られました。なぜかと言うと、小切手での支払は現金化が伴い、 面倒なことであり「当座預金」からの振り出しだと「現金化」に時間を要することもあるのです。 小さなショップ店ですから金額の大小に関わらず「資金繰り」から現金決済が非常に重要なのです。
店主には「電話の際は必ず領収金額の伝達」「決裁は現金」「領収書は現金のみに手渡す」など教えられました。 翌日早速「小切手」の現金化をするため店主と銀行へ行きました。

<お客様との絆>

販売店が扱うものは大型から小型のものまでさまざまです。大型のものは当然配達が伴います。 小型のものは店頭販売が基本です。しかし、長いお付き合いのあるお客様は、小型のものでも配達や交換を行います。 中でも老夫婦のお客様へ「電球」の取替えで伺ったときのことは印象に残ってます。
当時で80歳近い方だったと思います。古くからのお付き合いで、店主が若いころお世話になったこともあり懇意にしているようです。 年老いた夫婦は天井の高いところにある電球を交換することができません。 交換した電球はたったの1個です。価格にして当時「200円」くらいだったと記憶してます。
「懇意にしている方だから」、というわけではなく「どんな小さなつながりも大切に」という気持ちがそうさせているのです。
交換が終わった後、先月お買い上げいただいた洗濯機やテレビの調子などを見てから帰途につきました。 言葉では表現しづらいのですが「売りっぱなし」では務まらない商売があることを実感したひとときでした。
約1カ月間販売店さんにお世話になりましたが、今でもそのころのことを忘れていません。 また、現在でも家族同様のお付き合いをさせいただいていることをお伝えしておきます。

こうして長い研修期間を無事終え、それぞれの事業場へ戻り正式な配属となっていきます。 現場を知り現場に学ぶ長い研修は、のちのち私の社会人生活に少なからず役に立っていると思います。


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