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冠婚葬祭業(女性) 2023-02-03
新卒として冠婚葬祭の会社に入社して間もなく、
地方のセレモニーホールに配属になりました。
そこで、葬儀の流れや知識等を先輩に教えてもらった後、
先輩とともに葬儀での受付のサポートを担当させてもらえることになりました。
受付は基本的には親族の方が行うのですが、参列者が多い場合や、受付の方が久々に会う友人や親戚等との再開で話こまれてしまい、受付の列が滞ってしまうこともあります。
その場合は、その方の見える範囲で私達社員がサポートに入るのです。
先輩から教わった、受付の基本的な流れは以下の手順でした。
・参列者より香典を受け取る。
・参列者に参列者カードを手渡し、名前、住所、電話番号等を記入してもらう。
・返戻品の引換券を手渡す。
・参列者に会場の場所をご案内後、記入いただいた参列者カードと香典をクリップで挟んで1セットにし、保管袋に入れる。
また、基本的には香典の数と参列者に手渡しする返戻品の引換券は同じ数になるということもその際に教わりました。
まもなく葬儀の時間が近くなり、参列者が集まり始めました。
参列者の受付を何件か行い、少し余裕がでてきたころ、
ある参列者より、
「あ、このお香典を○○さんより預かってきたのよ。参列者のカードに記入したほうがよいのかしら」と質問を受けました。
その場合の対応がわからなかったため、先輩に確認をとると、
先輩は、「はい。ご本人さまとは別のカードに記入をいただけますか」と、素早く対応をしてくれました。
その後、先輩は参列者が記入するカードの住所を見て「遠方にお住まいなのですね。返戻品は宅配便でお送りしますか?」と、臨機応変に対応しています。
(なるほど......こういったパターンもあるのか)
やはり、基本のパターンだけでなく、実際現場に立つといろいろな対応があることがわかります。
勉強になります。
先輩は、その参列者が預かっている方分の情報をカードを記入している間に、宅配便の手配のためか事務所に戻ってしまいました。
ほどなく、その参列者はカードを記入し終え、私にカードを手渡し、そのまま会場に向かおうしています。
その時、私はその参列者にご本人分の引換券を1枚しか手渡していないことを思い出しました。
(預かっている方用の引換券はどうする!?)
そう思った瞬間も、続々と参列者が集まっており、その場を離れることができません。
私は、"基本的には香典の数と参列者に手渡しする返戻品の引換券は同じ数になる"という言葉を思い出し、
会場に向かうその参列者に、預かっている方分の引換券も渡し、その旨を先輩に報告をすることにしました。
事務所から戻ってきた先輩にすぐにその旨を連絡すると、
先輩は「え?返戻品をそんな遠方まで歩いて持っていけるの?」と真顔でひと言。
おもわず私は、
「え......?引換券は手渡しの場合だけお渡しするのですか?それは聞いていなかったのですが」と返答しました。
すると先輩は「そんなの見ればわかるでしょ。まあいいわ。こちらで対応しておきます」と言い捨て、さきほどの参列者の所へ向かっていったのでした。
その出来事から、引換券は、返戻品の数の分だけ(代理を含め)お渡しするものではなく、手渡しの場合だけお渡しするものだということを、初めて理解したのでした。
そのイレギュラーな事がなければ、その作業の本当の意味を知ることができなかったため、私にとっては貴重な経験だったのですが......。
なんとも言えないモヤモヤとした嫌な気持ちが残ったOJTでした。
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