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電機メーカー事務職(女性) 2016-01-20
言葉の使い方の難しさを学んだことがありました。
昔々、まだ新入社員に毛が生えた、入社2年目くらいだったと思います。
当時、情報システム関係の部署に所属しており、部の事務を担当する私以外は全員男性、年齢も私が一番下っ端という環境でした。
部内では誰かと雑談するということもなく、とにかく黙々と業務をこなし小さくなって過ごしていました。特に部長とは、同じ部屋で過ごしていても話す機会などほとんどなく身分違いの人、たまにすれ違っても軽く会釈するくらいでなるべく下を向いていました。
そんなある昼休み、弁当を食べ終わり共有スペースの机などを拭き掃除していたとき、突然部長から声を掛けられました。
「女性社員は一人で心細いだろうけど、元気にがんばってる?」
あまりの突然の質問に、私は驚きながらも何か気の利いた返事をしなければと、使い慣れない言葉をつい口に出してしまいました。
「はい、おかげさまで元気に働いています」
普段の生活の中だけでなく、社内でもよく耳にしていましたが、実際には使ったことがなかった「おかげさま」という言葉。
社会人としてちょっとした機転を利かしたつもりでしたが、気づくと目の前の部長がみるみる怒りの表情になり「私はあなたに『おかげさま』と感謝されるようなことをした覚えはない!」と吐き捨てるように言うと、自席に戻っていきました。
その後どう返事したかなど全く覚えていませんが、みんなの前で部長から怒鳴られたというショックもあり、おそらくぼーっと立ち尽くしていたのだと思います。
社会人となりすっかり大人になったつもりでいた私は、周囲とのコミュニケーションを円滑にするだろうこの「おかげさま」という言葉が、場合によっては相手を怒らせたり誤解を招くことになる、と肌で学んだ出来事でした。
そして「おかげさま」という言葉を使うのが怖くなり、なるべく使わないようになりました。
あれから20数年が経ち、そんな出来事も忘れていましたが、先日、親戚の法事で寺の住職から話を聞く機会があり、その中に「おかげさま」という言葉についてのテーマがありました。
昨今、この言葉の捉えられ方が微妙な場合もあり、私と同様に、直接助けたり感謝されるようなことをしたわけでもないのに「おかげさまで」と言われて逆に切れてしまう事例も少なくないようです。
「おかげさま」にはいくつか意味があり、私が部長に使ったときは「神様や周りの人のお世話によって元気に過ごしています」と一般的に受けてほしかったのですが、実際は「(直接)受けた助力や親切に対して感謝の意をこめていう語」というふうに受け取られてしまったようです。
マナー研修などでビジネス上の言葉の使い方を学ぶ機会はあるかと思いますが、もう少し一般的な場面での言葉の使い方はどうしても「周囲を見て聞いて学んでいく」ことが多いように思います。
言葉の使い方については相手の反応による部分もありますし、また時代とともに使い方も変わってくるので常にアンテナを張っておかなくては、と痛感した出来事でした。
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