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服装に関するOJT

服装に関するOJTの難しさ

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ナビゲート[よ]  2012-12-12

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服装に関するOJTの難しさ

服装に関する感覚は人それぞれです。社会で働く以上、暗黙のルールの中で様々な解釈が存在し、うっかりすると思わぬ展開を招くことになることもあります。
今回は、そんな仕事上での服装に関する体験談をいくつかまとめてみました。


■「中の上」という感覚のズレ(弊社の場合)

弊社では、内勤日の服装は自由としています。
あるときおしゃれ感覚のするどい社員Aが入社しました。
美術が専門の彼女にとって、日々の服装も一つの大事な自己表現であり、決して手を抜きません。
とはいえ、そのファッションは少々奇抜で、時に露出度が高めの服を着てくることもあり、目のやり場に困ることもしばしばです。仕事に支障のない限りは大目にみていたのですが......。

そんなある日、来客の予定があり、Aも同席することになりました。
前日、上司のKは「明日はお客さまが来られるから、「中の上」の服装で来てね。スーツでなくカジュアルでも構わないけど、失礼のない格好でね」と念を押しました。しかし翌日、なんと、Aはジーパンで出社してきたのです。
驚いたKは、「ど、どうしたの?昨日、来客があるって知らせたよね?お客さまにジーパンは、ないんじゃないの?」
「でも、このジーパンは、私の中では一番上のクラスで一番高価なんですが」
と悪びれることなく答えます。彼女にとってそれは、こだわりを貫いたビンテージ物。中の上どころか、特上の格好をしてきたつもりなのでした。

業界によっては高価なジーパンのほうがしっくりいくこともあるかもしれませんが、産業教育の業界だとやはり違和感があります。
この一件があって以来、服装について具体的な基準を明確にする必要性を痛感し、マニュアル化して入社時には新人に説明するようになりました。

■アクセサリー店員の服装

あるアクセサリー店の話です。
その店は、凝ったデザインのアクセサリーを扱っており、お客さまもセンスあるおしゃれな人が多く、店員の服装さえ、商品の一つのように、センスある物が求められるような職場でした。
店員の服装は私服で自由なのですが、そこは特に気をつかってもらいたいところ。
しかし、中にはおしゃれに興味がない店員もいました。接客態度も良く売上もまずまず......。なのですが、ジーパンが、なぜかおしゃれではない。
高価な物でなくていいのですが、人とは一味違う、少し凝った物を選んでほしい。お客さまは、自分よりセンスのいい店員に勧められると、購入意欲も向上する、というのがその店の考え方でしたから。
しかし、「おしゃれ」「おしゃれではない」という感覚的なことは、正解はなく、注意のしようがないのです。
その店では、結局「ジーパンは全員禁止」ということで、服装の統一をはからざるを得なかったようです。


以上のケースは、いずれも"私服OK"であるがための難しさを物語ります。

所属するコミュニティにおける、いわゆる「常識」といわれるゾーンにおさまっている限り、ルールやマニュアルは必要ありません。ところが1人でも逸脱すると、それを制約する共通の言葉が存在しないため、具体的なモノ・コトで制約を設けないとらちがあかなくなります。なので「ルール」は常に「常識」のゾーンよりも狭く、厳しくなるものです。それでも感覚に個人差がある限り、ルール化するしか解決策はないのかもしれません。

では、制服だと問題が起こらないかというと、そうでもありません。最後に"制服あり"だった私自身の経験をお話しします。


■制服のある企業の通勤服

以前務めていた会社は制服があり、ロッカーで制服に着替えることになっていました。
当時は車通勤をしていたので、自宅を出てから会社の更衣室まで誰にも会わないことも多く、最初はスーツだったのに、そのうち少しずつカジュアルになっていきました。
そんなある日、同期の友人がジーパンをはいてきました。
入社オリエンテーションでは、人事担当の先輩から「通勤時、ジーパンなどカジュアルなものを避けるように......」と言われていたので正直驚きましたが、彼女にしてみれば、最近購入したばかり、一番のおしゃれ着だったようです。

友人のロッカーはたまたま人事担当の先輩とはロッカーが遠く離れていたので、たとえ着ていても先輩の目に留まることもなく、なんとなく「ジーパンでも、見つからなければOK」という風潮となっていきました。

そんな中、毎日スーツを来てくる先輩もいました。「どうしていつもスーツなんですか?」と質問したところ、「だって、毎朝何を着ていくのか考えるのが面倒でしょ。スーツなら上下の組み合わせが決まっているから、朝悩まなくて楽なんだよね」とのこと。
なるほど、彼女にとってスーツは「仕事に行く」ための服というより、選択が楽だから、という理由だったようです。

その他にも、同期の友人が、フリルがたくさんついた新品のブラウスを嬉しそうに着てきたら、男性上司に「なんだ、パジャマを着てくるんじゃない!」と怒られたり、ある営業所の同期は、仕事中、冷えるから靴下を履きたくて、そのためにローファーを履いていたところ、「仕事はストッキングにパンプスと決まっているでしょ!」と先輩から怒られたり。
ある部署ではOKで、ある部署ではNG。たまたま居合わせた人の常識に反したからNGだった......、などなど。

仕事中はみんな同じ制服だから、通勤時の服装がなんであろうと仕事には影響ないように思うのですが、その分よけいに私服に厳しくなるのかもしれません。


たかが服装、されど服装。感覚にまつわる基準を統一させるのは非常に難しいようです。
みなさんの周りにも、このような服装にまつわるエピソードはありませんか?


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