« Back | OJT体験談 INDEX | Next »
ニート(男性) 2009-09-28
大量のスプレー缶、パラフィン、パテ、やすり、コテ、溶剤などを背中に担いで現場に行って、キズや凹みを埋めて目立たなくする。これが内装修復のバイト。一言で言えば「埋める仕事」なのだが、この埋め方(押し方、潰し方、乾かし方、擦り方、塗り方)にはキズに応じた無限のバリエーションがあって、結構、奥が深い。
実は自分、このバイトを半年前に辞めてしまった。現在は実家のハウスキーパー(要するにニート)をしている。辞めた理由はいろいろあるが、出来ない自分に居たたまれなくなったというのもその一つだ......。
バイトの応募は素人でもOKだった。採用後、まず7日間連続で室内研修があった。倉庫みたいなところで道具の使い方や現場の説明を受け、材料を与えられて実演してみる。7日の間に人がどんどん辞めていき、残った者だけ健康診断を受け、晴れて現場へ。正直「もう現場?早すぎないか?」と思っていたが、現場に出た方が、いろんなキズといろんな直し方を学べて研修より効果的だということがわかった。
現場配属後の1カ月は社員か先輩と2人1組で、その後、1人で現場へ行くことになる。後になってから教えられたが、現場配属後の最初の1週間にうまい人の作業をじっくり見せてもらう、これが重要だった。しかし自分はそうしなかった(できなかった)。それによって後々、差がついてくる。
自分の場合、配属後の1カ月はペアを組んだ先輩が作業を分担してくれた。
「俺は向こうやってるから、君はこっちのカンタンなのやってて」「はい」
で、別々に分かれて作業する。
(......しかし、これでは、先輩の手本を見れていない!)
さて、自分は自分なりにキズを修復してみた。しかしまだヘタ。
「ああ......。じゃあ、俺がやり直しとくから今度はあっちやっといて」「はい」
で、自分は養生とか片付けとかに向かう。
(......結局、先輩がどうやって直したのか不明!!)
見れる・聞けるのは、本当に初心者の間だけ。これを済ませておかないと、その後もよくないやり方で続けてしまう。しかも、それを指摘してくれる人はもういない。その結果「こんなやり方でいいのか?」という不安が増大する。
1人で現場に行くようになってから、自分の作業に自信が持てないと技術社員に相談したところ、「初めが肝心なんだよ。俺だったら最初のうちは新入りに何もさせずにぴったりついて俺の仕事を見させるけどね。すると作業をやらせ始めてもうまくできる」と言われた。
あぁ......なるほどね。最初から上記のような作業分担をしてしまうと、大切なことを教わりそびれてしまうわけだ。
鋭い指摘をしてくれた技術社員の人は、だからといって自分にもう一度お手本を見せてくれるというわけでもなく、自分は「教わり損なった」という自覚だけして、そのまま(ヘタかもしれない)作業を続けていった。自信がないので何かにつけて「スイマセンッ」と思っていた。ヘタな奴ほど不安に駆られ、スプレー缶やパラフィンをやたらめったらしょい込んで出かける。そのため肉体的にもハードだった。
技術社員曰く「バイトの教育は義務ではあるけど仕事ではない」。自分たちを現場に呼んでいる顧客が期待しているのは、できるだけ短時間に、高い技術で修復することだけ。確かに、出来ない奴に教える手間はもったいない。
それならなおのこと、自分はここにいていいんだろうか......?
こうしたストレスのほかにも、元請けの内装屋や不動産屋、現場監督との(金額や作業日数も含めた)交渉まで自分一人でやらねばならないということも負担になっていった。作業連絡や交渉の携帯代が積もり積もってものすごい請求が届いたこともあり、もう続けられなくなって、自分は抜けた。
次の仕事探さなきゃな......。しかし「自分、出来なくてすみません」と退いてしまう癖からは、まだ抜けられていない。
書いて残せる「OJT実践ノート」新人を育てる確かな方法があります。
新人の成長を記録し、OJTを活性化させる「OJT新人ノート」
「OJT実践ノート」の概要をビデオで解説します。
新入社員受け入れのためのOJTリーダーを育てます。
OJT指導の見直しに効果的です。
研修の副教材や内定者向け教材としてご活用ください。