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何 ヱ萍 2004-01-13
言葉ほどその国の文化や民族性を反映するものはない。日本で、もっとも頻繁に使われているのは「頑張る」という言葉に違いないと思う。1日たりとも、その言葉を耳にしない日はない。
母は学校へ行く子供に「頑張りなさい」と声援を送り、
妻は夫を見送る際に、「仕事を頑張って」と一言
学校でも、職場でも、「頑張ろう」と皆励ましあい、
日本人の友達からもらったメールにも最後に必ず「頑張って」が添えられてある。
私も日本に来て正味四年半が経ち、日本社会に溶け込んできたために、無意識に挨拶変わりに「頑張る」を使っているのだ。
「頑張る」という日本の国民性が、戦後の貧しい日本から世界に誇る豊かさを築いたとも言える。勤務時間以外も、徹夜で仕事に没頭するサラリーマンは典型的な日本人だという印象を強く持っていた。
しかし日本の会社に入って、そうでもないことに気づいた。
仕事のできる人だけがどんどん仕事を任され、「頑張れ、頑張れ」と声援と言うよりはむしろプレシャーをかけられるが、一方、できない人には「どうせできないから、適当にやらせておけばいい」とのうのうとさせている。
今の日本の企業の現状ではそういう人はいずれリストラされるだけだ。どの会社も経営状況は芳しくないから、無能な人間を雇うほどの余力は残していない。そういう人間もだんだん会社で肩身が狭くなり、自分に「頑張らなきゃ」と言い聞かせ、あせっているようだ。
つまり、「頑張る」と言うのは簡単だが、どう頑張ればいいのか、誰もが疑問を抱えている。その反面、頑張らないと心理的空白ができ、何かもの足りないような不安が人々を襲い、ストレスが募る一方となる。
聡明な商家はその現象に素早く対応し、癒しグッズを登場させブームとなった。さらに癒し系女優などの新語も生み出された。
この言葉に相当する中国語の訳を探してみたが、どうもしっくりくるものがなかった。やはりこれも「頑張る」と並んで日本ならではの言葉だと実感した。
極端な例だが、癒されず、心の病んだ一部の人が犯罪に走り出している。最近の日本では、相手は誰でもいいような凶悪事件が相次いでいる。経済不景気を背景に、絶望感に満ちた日本で、その類の事件が起こるべくして起こっているのだと思った。
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