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学校(義務教育)事務職 2003-05-19
小さな学校組織では、単位業務あたりの仕事量は少なくても業務の種類そのものは大規模学校とほとんど変わりません。管理職も実務レベルの業務を分担しているほどです。しかしその割には権限委譲がなされていません。実務に追われた管理職は部下の仕事をちゃんとチェックする暇もないようです。
また、業務の割り振りは1分掌(1業務)1人になることが一般的なため、異動した職員が担当していた業務が他のメンバーにはわからない、なんていうことはざら。良心的なメンバーが記憶を頼りにフォローすれば、あらら、仕事がだぶっていた......なんて信じられない話がよくあります。
そんな具合でありながら、具体的にどんなことを「ほう」告し、なにを「れん」絡するか、どんなときに「そう」談するのか、共通の理解がありません。部下は<報告>してるつもりでも雑談として流され決して心に響かず、<連絡>してるのにみんな自分のこととして聞いていないから徹底せず、<相談>すれば、なんでそうなったか評論はされるけどこれから先の解決の糸口が見えてこない、なんてことはよく聞く話です。
一見和気あいあい、笑いが絶えず何でも話をしていそうに見えて、実は仕事にかかわる話はまったくしていない、なーんていうことも。ひとたび仕事上の問題が生じれば必ず「そんな話は誰からも何も聞いていない。どんなささいなことでも『ほう・れん・そう』が重要です!」とお門違いな指導が入ります。
こんな環境の中ではどんな小さな案件でもとりあえず管理職のはんこをもらっておかないと、後で何が起こるかわかりません。恥ずかしい話ですが、例えば「下駄箱がいくつありますか?」といった調査でも、誰がいつどこに報告しました、ということをわざわざ起案し、管理職の決裁印をもらっておきます。そもそも起案書というものは、ある目的のために人や物やお金を動かしたいときにその実施計画についてお伺いを立てるというものだと思うのですが、現実には誰が見ても答えは同じ客観的な事実についても、いちいちお伺いを立てておくのです。
ここの管理職は「こんなこと、いちいち聞くな」と怒るどころか、どんな小さなことでも聞かれることがうれしいようです。そして、ささいなことでも管理職の承認が必要という、それほどまでに担当者の権限が何もないのが、悲しいかな学校組織というところなのです。
はてさて、ほう・れん・そうって、何?起案って何?
うちの場合、もしかしたら管理職の自尊心を満たすためのもの、なのかもしれません。であるならば、次のようにポイントを絞って「ほう・れん・そう」しましょう。
・結果がどうなった?完了したのしないの?...注目が向いたとき、すかさず報告!
・皆の動きにかかわりのあることを...タイミングを逃さず連絡!
・予想していた方向とずれてきたなと感じたら...すぐに相談!
ルーチンワークを大ごとにしないとすまない現場の空気。だけれど、新しい価値観のもとで何か新しいことをするエネルギーを蓄えるには、仕事をいかにルーチンに落とし込むか、それが課題のようです。
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