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会社員(女性) 2012-07-24
社会人5年目、この4月から新しい部署に異動となりました。
これまでの4年間は営業部で働いており、最後の1年間は数人ですが部下を持ち、彼女らを育成するという仕事をしていました。
それが原因なのか、新しい部署に異動してから、私は先輩方の言うことをなかなか素直に受け入れられませんでした。
「まがりなりにも去年1年間は、『人を育てる』仕事をしていた。失敗したことやうまく行かなかったこともあるけど、それを肥やしにできたはずだ。だから上司も、そんな私を見込んで希望の部署に配属してくれたんだ」というような思い上がった気持ちがありました。
また、これまでの仕事は新しい職場よりも勤務体系や拘束時間が長く、とてもきつい仕事だったように感じており、新しい仕事を簡単なもののように感じていました。
こうした慢心が、結果的にA先輩を怒らせてしまうことにつながってしまいました。
新しい部署では、当社の商品について外部の方にプレゼンをする機会が多くあります。
そのプレゼンの中身については、先輩にチェックしてもらわなくてはいけません。
そのチェック作業というのを、当初とても苦痛に感じていました。
「これまで社内向けではあるがプレゼン経験はあるし、今回のプレゼンもそんなに難しい内容ではない。長い時間をかけてチェックを受けるようなものではない」と、とても身勝手な思いを抱いていました。
プレゼンチェックの時間になっても、私はろくに準備もせず、その場でアドリブをたくさん入れて発表をしました。
そんな状態なのに私は、「この短時間でなんとか形になった。先輩のアドバイスを適当に取り入れて、本番は何とかなるだろう」と、たかをくくっていました。
その結果、いつも優しいA先輩が、無言のまま険しい表情で私を見つめてきました。
空気が凍りつくとは、こういうことを言うんだろうというような、張り詰めた空気が2人の間を流れました。私はその瞬間、とても後悔しました。
自分が部下を持っていたときの、苛立ちや苦労、「こうして欲しいのに」と何度も思ったことを思い出しました。
「人を育成する仕事を経験したこと、それを自分は誇りに思っているのに、逆の立場になったらどうだ。途端に、道理の分からない扱いづらい後輩になってしまうのか」と。
下手に自分が部下を持ったことがあるという経験が、悪い意味でのプライドを生んでしまい、「指導してもらう」ということや「アドバイスをしてもらう」ということに、とても抵抗を感じていたのだと思います。
その結果が、このようなひどいプレゼンチェックの時間になり、A先輩にはとても不快な思いをさせてしまいました。とても反省しています。
その後、A先輩から「チェックというのは、あくまでその時点での完成形を見せるもの。私に丸投げして、一緒に作るものじゃないんだよ」と、厳しく指導を受けました。
ところで、「一流の指導者になりたいのなら、まずは一流の部下にならなくてはいけない」という言葉を何かの本で読んだことがあります。
このプレゼンチェックでの失敗で、私はこの言葉を思い出しました。
人を指導する立場から、人に指導される立場へと変わったこと。
この変化への戸惑いが、今回の失敗を生み出しましたが、成長意欲さえあれば、例えどんな環境においても、その立場にふさわしい振る舞いができるはずです。
A先輩からの指導をしっかりと胸に刻み、今後の自分の振る舞いに意識を向けていこうを思います。
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