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デザイナー(女性) 2008-11-14
某出版社で管理業務を担当する部署にいたときのことです。
当時その部署では、通常の業務以外に、編集業務を管理するためのシステム開発プロジェクトが進められていました。
私はそのプロジェクトには参加していませんでしたが、同じチームのAさんはプロジェクトの開発責任者になっていました。
私はうすうすと、Aさんがどんなことをしているのか知っていましたが、詳細については全く知らされておらず、隣で忙しそうにしているAさんをどこか他人事のように感じていました。
しかし、日がたつにつれ、いずれ私もそのプロジェクトに関わるようになることがわかりました。ところが、いつまでたっても情報は一向におりてくる気配がなく、何だか落ちつかない日々が過ぎていきました。上司もプロジェクトの開発メンバー以外には細かな情報を知らせないまま水面下で進めていき、他者は口出しできないようなバリアを張られていたようにさえ感じました。
毎日遅くまで仕事をしているAさんは、疲れのせいか機嫌が悪いときもよくありました。
何も手伝うことができない自分のふがいなさを感じつつも、機嫌が悪いAさんを見兼ねた私は、日頃のフラストレーションが募り彼女にメールで不満を言ってしまったのです。
「大変な仕事のようですが、何か協力できることはありませんか?」
「今はどんな状況なのでしょうか。あまり難しいシステムを急に差し出されても、皆すぐには理解ができないと思います。段階を踏んで説明などしていただけないでしょうか?」
など。
残念ながらそれに対して、Aさんからの返答は特にありませんでした。
そして、何も改善されないまま時間だけが過ぎていきました。
あのときの行動が良かったのか悪かったのかわかりません。もう少し日頃から仕事における情報共有をしていれば、違った形で伝えられたように思います。
その後、しばらくしてから開発されたシステムを実際に使用する段階になりました。
ようやくどんなシステムなのか説明を受けることになったのですが、その説明は同じ部署の私たちでさえ非常にわかりづらいもので、理解することがとても困難な内容でした。
私は立場上、これから60人以上もの編集者へこの内容を伝えなければなりませんでした。しかし、私自身が理解できないものを、他の人へどう伝えればよいのでしょう......。
何とか理解できるよう努力し、編集者たちに伝えたものの不安は的中。混乱する編集者も多く、とりまとめだけにかなりの時間を費やすはめになりました。編集者から上がってくるデータの数字は間違いが多く、それを私たちが再度確認をし、二度手間、三度手間をかけるはめになってしまいました。
これらの一連の出来事を振り返ると、もっとわかりやすい内容に改善でき、混乱を防げたのではないかと思います。例えば、早い段階からプロジェクトの開発メンバー以外の人の意見も参考にするなど他に良い方法があったはずです。
また、理解できないことがあればタイミングを逃さず正直に伝えること。説明を受け疑問があれば、他の人にも同じ疑問が生まれる可能性があることをプロジェクトの開発メンバーに気づかせてあげることも大切だったと思います。
急に難しいことを教わっても把握しきれないことが多く、日常のコミュニケーションや仕事の情報共有の大切さを実感した出来事でした。
それからは、できるだけ受け身ではなく積極的に話を聴くこと。そして、自然とコミュニケーションが生まれ、話しやすい環境をつくりだすことを心がけています。
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