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研修会社(BML)のコンサルタント(男性) 2008-09-24
大学を卒業した私は自動車メーカーの子会社に入社、総務部人事課に配属されました。
私にしてみれば、「人事課」だけに、就職活動(採用試験)のときからずっと接してきた人たちだったので、あの人たちとこれから「一緒に働くんだな」という思いのもと、特段不安を抱えることもありませんでした。
配属当時、その職場には、マネージャーのもと、入社6年目の男性リーダー、3名の女性社員、2年目の男性社員がおり、その2年目の先輩が「OJT指導役」として私に仕事を教えてくれることになっていました。
仕事が始まると、私が担当する仕事について先輩がいろいろ教えてくれたのですが、今思い出してみると、OJTの原則である「計画的」というよりは、それこそ「場当たり的」な指導であったように思います。
先輩が前もって私に仕事の説明をすることはほとんどなく、いざタイムリミットを迎えると「いま、時間ある?」と、突然説明が始まるといった具合でした。まぁ、それだけ先輩も忙しかったのでしょう。
新入社員の私は私で「時間をもてあまして」いたし、そもそも「OJTとは計画的に行う」などといった定義など知るわけもなく、感覚としてはアルバイト時代の仕事の教わり方とさほど変わらなかったので、特に違和感を覚えることもなく仕事を教えてもらっていました。
それよりもガッカリしたのは、採用試験のときとはうって変わってリーダーと先輩の2人の男性が普段は「オモ〜イ」雰囲気だったということです。
別に性格がどうこうというのではなく、2人とも基本的に就業時間中はほとんど話をしないし、口を開いても必要最低限の連絡ぐらいというタイプ。(当たり前か......でも私にはムリ)
たまに飲みに連れて行ってもらうこともありましたが、そのときも会話は仕事のことばかり。しかも飲んでいるときは職場における不満をいろいろ爆発させているのに、飲み屋で爆発してスッキリしてしまうのか、翌日は何事もなかったかのように仕事をしている。
何回かそんな光景を見ているうちに、「あぁ、あの飲み屋での不満は改善や解決へと向かうことは永遠にないんだろうなぁ」なんて思ったりしていました。
それから3年くらいたったとき、1コ上のその先輩は、突然辞めてしまいました。
リーダーに聞くと、「司法書士を目指して勉強に専念する」とのこと。まぁ、私的なことですから、私に事前に何も話してくれなかったことについて、とやかく言う筋合いではないのですが何だかものすごく淋しく感じたのを覚えています。
そのとき私が感じた「淋しさ」とは......。
確かに知識の蓄積、スキルの向上、つまり仕事そのものの手順などを教えてもらうことは、仕事を進める上で大切なのかもしれません。しかし私にとってはそれよりも「人間(社会人)としての器の形や大きさ」「仕事への思いや意義」「お客様に提供する商品やサービスについての先輩の考え方」「仕事の楽しみ方」「先輩はどんな夢やビジョンを描いているのか」といったことのほうがずっと興味があったのです。そういう意味では、私がリーダーや先輩に求めていたのは「部下や後輩にどんな背中を見せてくれるか」だったように思います。
残念ながら鈍感な私には「寡黙な」先輩たちの背中に何かを見出すことはできませんでした。でも後から考えると、寡黙な先輩たちにガッカリするばかりでなく、もっと自分からどんどん話しかければよかったのかもしれません。
それからは、自分の後輩にはなるべく話しかけてもらえるような雰囲気を心がけるようにしました。
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