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ナビゲート[よ] 2003-01-16
アルバイト時代も含めるとこれまでいろんな種類の仕事を経験し、そのたびに先輩から業務について教えてもらいました。
マニュアル化し説明することができる業務もたくさんありますが、中には自分の失敗経験から学んでいくものもあると思います。これはそんな体験談です。
大学時代にある百貨店でアルバイトをしていたときのことです。
そのころ私は催事場のアルバイトに登録し、正社員の補助としていろんな催しの接客業務を担当していました。
デパートの最上階などでよく見かける催し事ですから、1週間など短い期間の催しも多く、内容もどんどん変わっていきます。 この前は「○○県物産展」でその地方の名産食品を売っていたと思えば、今度は「子供の日」のイベントで、子供たちへゲームの説明と景品の対応。その次は「民芸品展」で有名な民芸家具の販売のお手伝い。
サイクルは短いですが、正社員からある程度の知識をそのつど親切に教えてもらい、がんばって接客対応をしていました。
たとえアルバイトといってもお客さまにとっては私もプロの店員ですから、商品についてもいろいろ質問してこられます。 最初は催し事にとても緊張し、わからないことがあるたびに正社員に聞いて慎重に対応していました。 しばらくすると、彼らはお客さまに対して商品以外のことでも上手にコミュニケーションをとっていることに気づき、いつかは私もそのようにできたらいいな、と思いました。そして何カ月か過ぎ、接客についてはだいぶ慣れてきたころ、私にとっては事件が起きたのです。
そのときは「ビジネスマン特集」か何かの催しで、ネクタイを売っていました。
もちろん正社員の補助ですが、彼らが休憩のときや他のお客様への接客中には私も一人前としてお客様にアドバイスをしながら対応していました。
そのうち年配の男性が来られ、私のお勧めしたネクタイを買ってくださいました。
私はとても嬉しくて、会計も終わり、商品をお渡ししてお見送りをするときに、正社員の上手なコミュニケーションを思い出しながら最後に一言「今日はお1人でお越しですか?」と聞いてしまいました。いつもは催しごとに商品を覚えて対応することに精一杯で、それ以外の会話なんて思いつかないのに。
すると、その男性は急に怒りはじめました。
「あんたは今、『私が1人で来た』と言ったが、私がこれまで誰と来たことがあるかを知っているのか?私とあんたは前からの知り合いではない。私が今日は1人だと誰が言ったのだ。」
このようなことを激しく、怒りを込めて私に言われたのです。
私は最初自分が何をしてしまったのかわからず、ただその激怒ぶりに驚き、呆然としてしまいました。幸いその男性の声はあまり大きくなかったので、周囲で気づいた人は多くなかった思います。はっと我に返り、ひたすら謝りました。
その後のことはあまり詳しく覚えていません。なんとか許してもらい、その男性は帰っていきましたが、私のショックはしばらく続きました。
自分としては、ただ売るだけの接客から、少しレベルアップしたつもりだったのに、最初から失敗してしまったのです。
しかし負けず嫌いの性格からでしょうか、接客のアルバイトをやめることもできたのですが、結局大学時代のほとんどは、何らかの接客業のアルバイトを続けました。そしてこの失敗を貴重な経験として、その後は、相手の状況をよく観察し失礼のないようにコミュニケーションをとる、ということを自分なりに考え、行動してきました。それは接客業から離れた現在の仕事においても、お客さまへの電話対応などにおいて少しは活かされていると思います。
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