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販促会社のOJT

上から目線でいけすかない後輩

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販促会社(男性)  2017-06-23

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上から目線でいけすかない後輩

私が始めてOJTリーダーになったのは、入社3年目のことでした。当時は「自分にも後輩ができる!」という思いにワクワクしていました。しかしこのOJT期間が私にとって最悪の期間になろうとは......。そのときには、夢にも思いませんでした。

後輩のAさんは、IT系企業での勤務経験をもつ中途採用者で、年齢は1つ下でした。
Aさんは、確かに頭はいいのです。他の人から見たらなんでもそつなくこなしているように見えると思います。でも要領が良すぎるというか、「さばく」という表現がピッタリの仕事の仕方で、私には「必要最小限のことしかしない」と思えてしまうのです。それは「合理的」なのかもしれませんが、プラスαの試行錯誤の中から、新しい発見やアイデアが生まれてくると思うのです。
できているといえばできているのだけど、もう一つ物足りない。しかし間違いというわけではないので、なんとも指導しづらいのです。やり直しを求めても、それを説得するのが面倒くさい。

「前回の調査の報告資料なんだけど、もう少しわかりやすくならないかなぁ」
「わかりやすくってどういうことですか?」
「......どうしたらいいかは、ちょっとわからないけど、全体に情報が多すぎて圧迫感があるよね」
「じゃあ文字減らして余白を作ればいいですか?」
「うーん、それはそれでいいけど、そういう問題ではなくて、この資料って、結局何がいいたいのかなぁ」
「は?おっしゃってることがわからないんですけど。具体的に言ってもらえます?」

具体的に指示を出すには、相当考えなくてはならない。
混とんとした中で答えを出そうと考えるプロセスこそが大事なのであって、その先作業するのはバイトでもできる。
君に求めているのは、そういうことではないんだ。もっとしっかり取り組んでほしいんだ。つまり、浅いんだよ!

そう言いたかったのですがうまく言葉にできず、いや、たとえ言ったとしても反感を買うだけだと思ったので、言葉を飲み込みました。
すると彼、
「ちょっと時間がないので、とりあえず文字量減らしてみます。それでダメなら具体的に赤入れしてください」
と。
え、時間がないってなんだよ。俺は誰のために時間作ってると思ってんだよ。
そんな気持ちもかみ殺して、ぐっと我慢しました。

指導って難しい。もうちょっと頑張ってほしいと思う、態度だって失礼だと思う。
しかし、どう伝えていいのかわからない。理屈でかなう気もしない。
こんなに面倒くさい思いをするくらいなら、自分でやったほうがいい。
そんなイライラに加え、さらに私は孤独感もつのらせていきました。

彼は少し変わっているけど、人とかかわるのが好きで、どんどん相手の懐に入っていくところがあります。
日頃私自身も接することがない他部署の人たちとも、いつの間にか仲良くなっています。
特に、秘書室のマドンナ(と私はひそかに呼んでいた)と親しげに立ち話しているのを目撃したときは、相当にショックを受けたものです。

また彼は、朝10時にチチヤスヨーグルトを食べ、3時にはプリンを食べるということを日課にしていました。暑い日は、バニラアイスの「爽」になることもあります。いずれにしても必ずカップ入りのものです。
どんなに周りが忙しいときでも、時間がくると冷蔵庫からカップを取り出してきて、デスクで優雅なおやつタイムが始まります。
デスクでものを食べてはいけないというルールはありません。私だって、袖机にカロリーメイトや飴やガムをしのばせています。

しかし、カップとスプーンって両手が完全にふさがれますよね。小腹がすいたら、飴とかチョコとかクッキーとか、片手でちょいとつまめるものにしませんかね。しかもそれが1日2回って......。こんなことを思うのは器が小さいのでしょうか?

ある日の朝、職場の女性社員が"カップ中"の彼の席にやってきました。
「チチヤスってなつかしー。これって素朴においしいよねー」なんて話しかけ、チチヤスヨーグルトについて2人でおおいに盛り上がっている様子。

私はなぜか非常にむかついて、
「Aさん、会議資料はもうできたの?」と、話に割って入ったのです。
「あー、まだですよ、それって水曜日までにあればいい資料ですよね」などと返す彼。
その通りなんだけど、その言い草がなんだか上からで気に入らない。
自分は先輩でOJTリーダーなのに、いつも、なんとなく見下されている感じがします。しかも女性社員の前で......。
そしてチチヤス話を再開しだした彼に、ついに私は爆発し「おい、仕事中だろ。いい加減にしろよ!」などと声を荒げてしまったのです。

結果、「えー、男のヒステリーって最悪ー」などと、かたわらの女性社員から反撃をくうという憂き目にあってしまいました。
私は悪循環に陥っていることに自分でもわかっていました。何となくみんなから煙たがられていることも気づいていました。

そんなある日、私にとって忘れられない事件が起こりました。
それは金曜の夜こと、その日はみんな早めに退勤し、いつの間にか自分と課長だけになっていました。すると課長から「あれ?○○君はみんなとスキー行かないの?」と言われたのです。私は衝撃のあまり「......いえ、私は」としか言葉が出ませんでした。

みんなでスキー? 課長まで知ってるのに、自分だけ知らされてない......??
私の心の中は煮えたぎっていました。そういえばAはスキーが趣味で、他のメンバーを誘っているのを見かけたことがあったっけ。もしやマドンナも一緒なのか......?
私の様子を見てまずいと思ったのか、課長があわてて食事に誘ってくれましたが、とても行く気にはなれませんでした。

それからは、私はAさんや他のメンバーをできるだけ遠ざけるようになりました。
自分だって、別にOJTリーダーでさえなければ、ここまで関係が悪化することはなかったでしょう。Aさんだって、ただ単に「変わってるヤツ」くらいの印象で済んでいたかもしれません。例えば学生時代のサークルの仲間とかだったら、それなりに仲良くスキーにも行けたかもしれません。
しかし、先輩後輩として一緒に仕事をするとなると話は別です。

しかし、何がどう悪いという決定的なことがないし、注意すれば周りからひがんでいるように思われることが実に悔しいのです。いや、実際ひがんでいる部分はあるにはあるのですが......。

結局、自分が営業に異動になるまでの3年間、ついに彼とはうまくやれませんでした。きっと私が大事だと思うことは何も教えることはできなかったと思うし、彼も受け付けなかったでしょう。相性が悪かったということなのでしょうか。それとも、私はOJTリーダーに向いていなかったということでしょうか。
唯一、感情的になっても何もいいことはない、ということだけは教訓となったOJT経験でした。

 #さて、実はこの後5年ほどして、また彼とかかわる機会が訪れるのですが、それについてはまた追ってOJTケースにしたいと思います。


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