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元OA機器メーカー(男性) 2007-10-30
半年ごとの目標に追いたてられる、できなかった理由を考えないといけない、そういったストレスがほとんどない仕事に変わったためか、それとも数年前のピロリ菌治療のおかげなのか、ここしばらくは胃の痛みからようやく解放されています。
サラリーマン生活の半分近くが、胃の痛みというよりも胃かいように悩まされ続けてきたといってもいいかもしれません。
最初に定期健康診断で
「胃かいようの跡が残っています」
そう言われたのが30代のころ。そしてその後は2〜3年に1度の割合で
「胃が荒れていますね」
と診断され、さらに、
「これは精密検査をしたほうがいいですよ」
と言われて胃カメラでの検査を受けたのも1度や2度ではありません。
幸いにして、胃の手術まではいかなかったものの、ちょっとしたことですぐに胃が痛くなり、胃腸薬が手放せない毎日でした。
原因はたぶん仕事上の、いや、いわゆる「上司」との間に生じる"過大なストレス"だったと思うのですが。
「○○君ちょっと」
そう呼ばれて課長の席に行くと
「このレポート、結論が書いてないじゃないか。それにここのところ何を言っているのかわかりにくいから......」
「この結果おかしくないか、なんでこうなったか書いてないし」
と説明を求められたり、あるいはもっとわかりやすく書くよう書き直しを求められることもしばしばでした。
確かに、そのころ私が書いていたレポートは、
"○○だと思う""多分×××になるはずです"あるいは"△△かもしれない"
そういった言い回しを多用していました。
「はい」
と返事をしつつ、つい
「そうなんですが、原因がわからないから"わからない"と書いておいたのですが、それ以上書きようがないですよ」
と一言反論をしてから納得できないまましぶしぶと書き直しをします。
また、あるときは部長に呼ばれ、以前指示されていた提案の説明を始めると
「この提案書じゃあおれにはわからないからすぐに書き直してこい。それにページ数も多すぎる。A4で3枚以内にまとめるように」
ようやくまとめて提出をした分厚い提案書だったのですが、その場でパラパラとめくっただけで中を読まず即座に書き直しを命じられてしまいました。
"なんでなの?、まともに目も通さず書き直せなんて。それに、何がどうわからないかわからない。いったいどこをどう書き直せというのだ"
"それにこれだけの内容いったいどうやって数ページにしろというのだ。とても無理だよ"
そう思いながらもこれを認めてもらわないと仕事が先に進まないため、仕方なく書き直しをしました。
そうなんですよ。今にしてみればそれらすべてが私に対する"指導"だったんですよね。
期待されているからこそ、そういう"指導"があったということなのでしょうか。
そのときは、そんなこと全く考えず、
"自分の方が正しい"
"自分は間違っていない"
"実際にやっているのは私なのだから、私が一番良くわかっている。だめなものはだめなんですよ。なんで、それを理解してくれないんだろう"
"なんでこんな簡単なことが何でわからないのだろう"
......自分中心というか、人の意見を聞き入れるという素直さ・謙虚さが欠けていました。
それに、上司とのコミュニケーションも足りませんでした。
あるときは、当時お付き合いをしていた女性からもこう言われました。
「だったら、もっと上の方と話合いをすればいいじゃないの、"私はこう思っています"そう言って教えてもらえばいいのに、なんでそうしないの?」
そのときも、
「そんな簡単に言うなよ。それができれば苦労はしないよ」
と、やはり素直にその人の意見に従うことをしませんでした。
結局のところ、できない原因を"人"のせいにしつつ、無意識のうちに自分で自分にストレスかけていたことになります。
いや、自分でストレスの原因を作っていたのです。
もっと素直になり、あるいは謙虚になって上司の方の意見を聞き入れ、あるいは"指導"を受け入れていれば、こんなにもストレスをためることもなく、そして胃の痛みから胃かいようへ進んでしまうこともなかったかもしれません。
気がつくのが少々遅すぎました。
最近、その会社を定年退職して、講師という仕事に就き"指導する"立場になりました。
時々"そうか、あの時上司はこの事を言っていたんだ"と、ようやくそのことに気づくこのごろです。
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