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2002-08-21
「Bプロジェクトの件どうなりましたでしょうか?」
「ああ、あれねー、もうちょっと待ってぇ〜」
「先週も先々週もそう言いましたよ。先方に連絡は取ったんですか?」
「あー、忙しくてまだなのよ」
「困るんですよ」
「わかった、わかったってば、今週中に連絡しておくから」
何回こんな会話を繰り返したでしょうか。課内では「どうなっているんだ!」と責められる一方です。
「Sさんが連絡取ってくれないんです」そのたびに頭を下げる。
「Sを動かせよ!」
「そう思ってはいるんですが......。Sさんやってくれないんですよ」
「ちゃんと動かせなくちゃダメだろう?」
「それはそうなんですが......、じゃあ課長からも言ってくれますか?」
「ああ、それもいいけど、Sくらい動かせなくちゃこれからも仕事進められないぞ」
「そうですね......」
Sは1つ上の先輩社員です。たいして仕事ができるわけでもないのに、前の部署で私の先輩だったこともあり、私にだけはぞんざいにあたるのです。しまいには「はいはい一生懸命でちゅねー」などと馬鹿にしたことを言うので、私は彼女が嫌いでした。
その後も会議のたびに責められて、ついにあるとき「今度こそ確認しろよ!!!」ときつく言われた私は、会議が終わるとすぐにSさんに電話をしました。「忙しいから掛けなおす」と言われて待っていたのですが、なかなか折り返しの電話が来ず、昼休みに一人ポツンと待っていると、やっと彼女から電話が掛かってきました。
「Bプロジェクトの件どうなりましたでしょうか?」
「ああ、あれねー、もうちょっと待ってぇ〜」
「先週も先々週もそう言いましたよ。先方に連絡は取ったんですか?」
また同じ繰り返しだ。
「あー、忙しくてまだなのよ」
「困るんですよっ。今週中っていつですか?連絡できないなら私が連絡します」
「やるからぁ」
「やるって言ってやらないじゃないですかっ」
「..................」
「あんたねー、何様なの?私の仕事を取るつもり?」
「だってSさんやらないじゃないですか?困るんですよ」
「だいたいねー、あんた生意気なのよっ。仕事もできないくせに」
もうこの後は書けません......。単なるケンカです。シーンとした昼休みに大声出して、電話をガチャンと切って、慌ててトイレに駆け込んだ私は、すでにまわりの課の注目を集めていました。
昼休みの後、課長から呼び出されました。慰められるんだろうと思っていたら「ヒステリックになるな」「仕事のやり方が下手だ」と注意されました。
「仮にもSは先輩だろう?もっと穏やかにやれよ。女同士なんだから」「Sはあの後泣いていたらしいぞ」。
ものすごく悔しかったです。さらに悔しかったのは、課長がSさんの課長とSさんに電話をして謝っていたことです。日ごろからSさんの上司に頭があがらない課長は、Sさんの上司に真っ先に謝っていました。それが「仕事をスムーズにする」ということなのかよ!と私は愕然としました。
実は私は今でもこの件を反省できません。あれがあのとき私にやれる精一杯だったと思います。
今だったら、もう少しいろんな手管を使って上手に相手をコントロールできる自信があります。でもそのころはコントロールもしたくなかった、そんな未熟な私でした。その後「味方なんてどこにもいない」と思った私は、開き直って仕事をした結果、他の課からも認められるほど実力がついたと思います。でもやはりあのときは上司に味方になってほしかった。
今でも私は思っています。上司にこう言ってもらいたかった。
「お前は間違っていない」「Sととことんやって来い!」と。
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