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更新 2015.10.14(作成 1999.07.30)
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- ダーウィニズムDarwinism
- イギリスのC.R.ダーウィンが、1859年にその著『種の起源』(通称)で唱えた生物進化に関する学説。
生物の個体間ではさまざまな変異が起こるが、環境に適した変異をもつものが生存競争に打ち勝って生き残る、という自然選択/自然淘汰 (natural selection) 説を骨子とする。そして、生存に有利な変異が世代を重ねて繰り返されることによって新しい種や属へと分化する、というもの。
しかし、個体の変異は次世代に遺伝しないなどの反証や批判も多く唱えられている。
ダーウィニズムの中でも、自然選択の部分だけを強調する学説をネオ・ダーウィニズムという。
- ★詳しくは→いきもののはなしのページへ。
- ターゲット・マーケティングtarget marketing
- ニーズが多様化した市場に対応していくためのマーケティングの手法。市場の多様なニーズに対応するために、市場全体を細かく区分し、その中の1つないしいくつかにターゲットを絞り、自社の製品をその標的市場の特有のニーズに適合するように位置づけていく。
この3つのプロセスはそれぞれ、市場細分化(セグメンテーション)、標的市場の選択(ターゲティング)、商品(製品)のポジショニングと呼ばれ、その頭文字をとらえてSTPマーケティングと呼ばれることもある。
- ☆→マス・マーケティング、戦略的マーケティング
- ターゲティングtargeting
- ☆→標的市場の選択(ターゲティング)
- 大規模小売店舗立地法<だいきぼこうりてんぽりっちほう>large-scale retail store location law
- 大店立地法と呼ばれる。地元商業者の保護を目的とした大規模小売店舗法(大店法)が廃止され、それにかわって、地方の活性化を図る目的で、2000年6月より施行された。
大規模店と地域社会との共存を図るため、大規模店の設置者に対し、地域の生活環境への配慮を要求する法律。
具体的には交通渋滞や騒音、廃棄物処理などへの対策が求められる。
- 代休<だいきゅう>
- 休日に出勤した場合に、あとでその替わりとしてとる休日のこと。あらかじめ代わりの休日を特定しておく振替休日とは異なり、割増賃金の対象となる。
- ☆→振替休日、休日
- 耐久消費財<たいきゅうしょうひざい>
- 消費財のうち、耐久性があり、長期間にわたって何度も使用可能な財やサービスをいう。たとえば住宅、大型家具、自動車、家電製品、システム製品などがここに分類される。
実際に使用される期間は数カ月程度のものから半永久的なものまであるが、耐用期間としては3年以上のものを対象とする基準が主流のようだ。財やサービスの性格でいうと、1製品(1回あたり)の購入価格が高く、購入頻度が少ないことが特徴となる。
- ☆→消費財、非耐久消費財
- 貸借対照表(B/S)<たいしゃくたいしょうひょう>Balance Sheet
- 財務諸表の1つで、例えば決算日など、ある時点での会社の財産状態を表したもの。
その左側には会社が保有する資産が記載され(資本の運用状況)、右側にはその資産を保有するための元手をどこからいくら調達しているか(資本の調達状況)が記されている。そして左右の金額が一致するように作成されることから、バランスシートと呼ばれている。
- 退職<たいしょく>
- 会社を辞めること。人事用語では会社と従業員の雇用関係が終了することをいう。このうち、会社側が一方的に雇用契約を解約する場合は解雇となり、それ以外は退職となる。
退職には、従業員の申し出により労働契約を解除する任意退職のほか、本人の死亡、定年退職、契約期間の満了、休職期間が満了し復職しない場合などの当然退職がある。
- ☆→解雇
- 体制戦略<たいせいせんりゃく>
- 市場における競争の仕方に関する市場戦略や事業戦略を支えるための体制、すなわち経営体制全般に関する戦略を意味する。一般には「組織戦略」がほぼ同レベルの位置づけとなるが、組織戦略という表現では市場戦略や事業戦略との関連が連想されないことが多いことから、一部のコンサルティング・グループを中心に「体制戦略」という表現が用いられるようになった。
体制戦略では、組織の機構や人員配置、拠点や設備、業務プロセスの骨格、そしてそれらを管理し運営するためのしくみや制度についての基本的な決定を行う。なお、体制戦略は、財務との関係を捉えると固定費の生産性や固定資産の回転率、固定比率などと関連が深いとされている。
- ☆→経営戦略、市場戦略、事業戦略
- ダイバーシティdiversity
- ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。
もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。
企業がダイバーシティを重視する背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがある。
- 対比誤差傾向<たいひごさけいこう>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。
自分自身とは異なるタイプの者に対して、過大評価あるいは過小評価をしてしまうこと。
- ☆その他の傾向→ハロー効果、寛大化・厳格化傾向、中心化傾向、先入観評価、近時点評価、政策評価
- タイムマネジメントtime management
- 時間あたりの生産性を高める時間管理のこと。成り行きまかせや精神論ではなく、明確な方法に基づいて実践される。
タイムマネジメントには、日常的な仕事の効率アップと、時間効率の根本的な改善という2つの側面がある。前者のための手段としては、手帳やカレンダーの活用、ToDoリストの作成、そして緊急度と重要度に応じた仕事の優先順位づけなどが挙げられる。後者では、業務改善、職場コミュニケーションの改善、そしてアイデア創出時間の短縮などを行う。例えば、業務の可視化による進捗管理や、報告・連絡の円滑化、ブレーンストーミングのような発想法の活用などが挙げられる。
- ☆→緊急度と重要度、ブレーンストーミング
- 代理店、特約店<だいりてん、とくやくてん>sales agent、exclusive agency
- 一定の地域での卸売販売権について、特定メーカーと契約を結び、メーカーに代わって販売や配送を行う卸売業者の事。資本的には独立している。
本来、代理店は一次卸、特約店は二次卸とされるが、現実にはほぼ同義。業界によってそれぞれに使い分けられている。
- タキソノミーtaxonomy
- ☆→教育目標分類
- タスクフォースtask force
- 特定の課題を達成するために一時的に設置される組織のこと。任務組織、特別作業班などと訳されるが、もともとは軍事用語で「機動部隊」を指す。
通常、タスクフォースのメンバーは組織内の各部署から横断的に抜擢される。例えば新製品開発などにおいて編成されるケースが多い。課題を達成したらその時点でタスクフォースは解散となる。
プロジェクトチームもほぼ同義に用いられるが、プロジェクトチームのほうが比較的長期間に渡る大きなテーマを扱う場合が多く、タスクフォースは緊急性の高い問題の処理にあたる場合が多い。
タスクフォースの長所は、柔軟かつ速やかに問題に対処でき、一定期間にエネルギーを集中するため、高い成果が期待できる点にある。
短所としては、タスクフォースで獲得された新たな知識・情報が、タスクフォースの解散とともに消滅し、組織に浸透しづらいという点がある。
- ☆ もう少し詳しい説明を見る
- ☆→プロジェクトチーム
- タックス・ヘイブンtax haven
- 租税避難地。外国に籍をおく個人や法人に対して、所得税や法人税などの租税が大幅に軽減されるか、または無税とされる国や地域のこと。いずれもOECDの非加盟国。
企業の国際化に伴い、ペーパーカンパニーの設立による脱税やマネーロンダリングなどの温床となっていることが問題視され、是正措置が求められている。
ちなみにhavenとは避難地のことで、天国(heaven)ではない。
- タックマンモデルTuckman's stages of group development
- タックマンモデルとは、集団発展理論の1つで、チームの形成から目的達成までの諸段階を示したモデルのこと。米国の教育心理学者ブルース・タックマンが1960年代に提唱した。以下の4つの段階がある。
(1)Forming(形成期)…対立を避け、互いについて知ろうとする
(2)Storming(混乱期)…信頼関係を前提に、不満や対立意見を述べ合う
(3)Norming(安定期)…チームの目的を共有し、各自の役割と責任が定まる
(4)Performing(遂行期)…チームの目的を達成すべく効率的に活動する
のちに5番目の段階として、任務終了とチーム解散を告げるAdjourning(休止期)が追加されたため、あわせて5つの段階といわれることもある。
なお、プロジェクトマネジメントの分野では、このモデルがプロジェクトチームの育成ツール・技法の1つに位置づけられている。
- ☆→プロジェクトマネジメント
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- 達成動機<たっせいどうき>achievement motive
- やりがいのあること(目標)を成し遂げたいという動機。
J.W.アトキンソンは、達成動機の強さは、「動機」「期待」「誘因」の3つの要因によって規定されるとしている。(達成動機の強さ= 達成したいという動機 × 主観的成功確率×目標の魅力・誘因)
一般に、「現状では難しいが、がんばればなんとか達成できるかもしれない」と思える程度の目標に対して達成動機が高まるとされる。
- ☆→動機づけ要因、経済動機、親和動機
- 棚卸<たなおろし>inventry
- 決算時または在庫整理時に、その時点で在庫となっている一切の商品や原材料の種類、数、品質などを調べ、その価格を査定すること。
- 棚卸資産<たなおろししさん>inventries
- ☆→流動資産
- 他人資本<たにんしほん>outside capital / borrowed capital
- 他人資本とは、貸借対照表の負債の部をさし、支払債務や借入金などからなる。企業が調達した資本のうち、企業外部から調達した資本という意味で他人資本という。企業が自前で調達した自己資本と異なり、返済する必要があり、利息の支払いも必要となる。
- ☆→自己資本、総資本
- 多能工<たのうこう>multi-function worker
- 多能工とは、生産現場において複数の工程および作業を1人で担当できる技能をもった作業者のこと。また、多能工の育成やそのためのしくみを「多能工化」とよぶ。これに対し、分業化された1つの工程を担当する技能者を「単能工」という。
近年、顧客ニーズの多様化や国際競争の激化にともない、多品種少量生産や品種・ロットの変動への対応が急務とされている。それには単能工のみによる硬直的な分業体制では難しい。そこで多能工を活用することにより、作業割り当てを柔軟に変更できる生産体制が求められている。
なお、セル生産方式では、1人の作業者が製品の組立て作業をすべて行うのが基本であるため、多能工化が不可欠となっている。
- ☆→セル生産方式
- ダブルループ学習<だぶるるーぷがくしゅう>
- ☆→シングルループ学習・ダブルループ学習
- 多面評価(360度評価)<ためんひょうか>
- 人事考課における評価方法の1つ。上司側が部下を評価するという一方向の評価では、評価者の先入観や価値観に左右されやすい、という反省から生まれた。
上司だけでなく、他部門の管理者、同僚、部下あるいは取引先など、多様な側面から評価を行おうというもの。これにより公正な評価をめざす。
- 単価<たんか>
- 商品の1個(1単位)あたりの価格。@で表す。またサービスを販売する場合は、作業1回あたりの価格や作業項目ごとの価格を指す。例)「単価が500円の商品を100個購入する」
- 短期借入金<たんきかりいれきん>short term borrowing
- 1年以内に返済しなければいけない短期的な借金のこと。貸借対照表上では、流動負債の部に記載される。
- 短期記憶<たんききおく>
- 人間の記憶のうち、短期的に保持される記憶のこと。感覚器官が受け取った刺激(感覚記憶)に意識が向けられることにより記憶が保持されるが、その持続時間は数十秒から数カ月程度とされる(最近の研究では最長2年という説もある)。
短期記憶の容量には限界があるとされ、時間の経過や新たな情報のインプットとともに失われるが、繰り返し呼び起こされた記憶は長期記憶へと受け渡され、一層の記憶が可能となる。また、人間が一度に把握し操作できる情報の数は約7±2といわれている(マジカルナンバー:心理学者ミラーの説)。
短期記憶に情報処理能力を含める場合、作動記憶(working memory)、作業記憶とも呼ばれる。
- ☆→感覚記憶、長期記憶、マジカルナンバー
- 短期・長期<たんき・ちょうき>
- 会計や金融では、おおむね1年未満を短期、1年以上を長期とよぶ。短期借入金、長期金利などというときには、1年以内に返済する必要がある借入金、1年以上の融資や債権に対する金利をいう。
これに対し、経営計画などでは、3年程度を目安に2年から5年くらいの計画を中期計画とよび、長期計画や長期ビジョンというときには10年程度を目安に5年から30年くらいの期間に対して用いる。また、短期計画は1年以下の計画となるが、この場合具体的な期間を指して、単年度計画、半期計画、四半期計画ということが多い。
なお、上記以外にも、たとえば株式投資の分野での短期投資・中期投資・長期投資、人材育成における記憶の分野での短期記憶・長期記憶など、対象の違いによっていろいろな期間設定が存在している。
- 単式簿記<たんしきぼき>
- ☆→簿記
- 団体交渉<だんたいこうしょう>collective bargaining
- 労働条件の改善などを求め、労働者が団結して労働組合を結成し、使用者側と交渉を行うこと。労働者と使用者が個別に交渉を行うと、どうしても労働者が不利になりがちである。そこで、労使の対等な交渉を実現するために、労働組合が主体となって交渉を進める権利(団体交渉権)が、法的に認められている。
- ☆関連→労働協約
- 担当職<たんとうしょく>
- ☆→専任職
- ダンピングdumping
- 採算を度外視し、適正な仕入原価を大きく下回る価格で販売することにより、公正な市場競争を破壊する活動のこと。独占禁止法により禁じられている。適正な仕入原価をどう規定するかについては諸説存在する。
また、在庫一掃処分など、合理性が認められる投げ売りについては、独禁法違反にあたらない。
- ダンピング関税<だんぴんぐかんぜい>dumping duties/anti-dumping duties
- 海外市場において、国内での価格を下回る価格で製品を販売し、それを輸入する相手国の産業に損害を及ぼす場合、これはダンピング行為とみなされる。輸入国の業界がこの損害を政府に訴えることをダンピング提訴という。
それが事実として立証されると、該当する輸入品に対し、ダンピング関税(反ダンピング税)をかけることがガット(関税貿易一般協定)で認められている。
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- チームワークteam work
- 複数の人が共同で仕事を行うときに、バラバラに動くのでなく、お互いに協力したり役割分担したりして、チームが一体となって1つの目標を追求し、全体の成果をあげようとする営み。
- チェックリスト法check list method
- 発想の切り口となるようなチェック項目を並べてアイデアを洗い出す方法。とくに典型的なオズボーンのチェックリストでは、「ほかの利用法は?」「応用すると?」「修正すると?」「拡大すると?」「縮小すると?」「代用すると?」「アレンジすると?」「逆にすると?」「組み合わせると?」の9つの項目を用いる。既存のアイデアに固執しないよう、強制的に形態の変化を与えて発想を高める方法である。
発案者のオズボーンは、ブレーンストーミングを提唱した人物でもある。
- ☆→ブレーンストーミング、希望点列挙法、欠点列挙法、属性(特性)列挙法
- 遅行指標<ちこうしひょう>
- ☆→先行指標
- 遅刻<ちこく>
- 始業時刻より遅れて勤務を開始すること。シフト制などで勤務時間が変更になっている場合もその始業時刻に遅れると通常遅刻の扱いとなる。ただし、裁量労働制が適用されている場合や、労働基準法上の「管理監督者」と位置づけられ勤務管理の規定の対象外となっている人には遅刻は適用されない。
- ☆→裁量労働制
- 知識集約型産業<ちしきしゅうやくがたさんぎょう>knowledge-intensive industry
- 事業活動を営む上で、知識労働への依存度が高い産業のことで、労働集約型産業の一種。一般に、研究者や技術者を数多く抱えており、コストに占める研究開発投資の割合が高い。ソフト開発等の情報処理産業、バイオ等の研究開発型産業、ファッションやデザイン関連産業などが典型とされる。
- ☆関連→資本集約型産業
- 知的財産権/知的所有権<ちてきざいさんけん/ちてきしょゆうけん>intellectual property(rights)
- 知的な創作活動によって生み出された無形の価値に与えられる権利の総称で、無体財産権ともいわれる。
特許権や著作権、商標権などがある。
無形の創作物は複製しやすい上、知的財産権に対する法律内容は国によって異なる。このことから、インターネット上での国際取引が普及しつつある今日、知的財産権の保護を目的とした国際的なルールづくりが、WIPOによって進められている。
- ☆→WIPO、著作権
- ★詳しくは→知的財産権について(文化庁)、インターネットと法/知的財産法プロジェクト(東北大学)へ。
- チャネルchannel
- 商品(サービスを含む)の所有権が生産者から流通業者の手を経て消費者に移転し、その代金が生産者に回収されるまでの経路。販売・物流ルートの類似語。
- チャンキングchunking
- ある情報を理解したり記憶しようとする際に、その情報をいくつかのまとまりとしてとらえること。たとえば、「BAGSACCAP」という文字列を暗記する際に、アルファベット9文字として覚えるのではなく、「BAG・SAC・CAP」の3つのまとまりとして覚えたり、「ハト、サバ、キジ、ブリ」という4つの単語を「ハト・キジ」と「サバ・ブリ」の2つのグループに分けて理解することがチャンキングに該当する(また、こうしたまとまりをチャンクと呼ぶ)。情報が集約されるため、理解や暗記の負担を軽減することができる。
元は認知心理学の用語だが、現在では暗記術や教育理論に広く取り入れられている。
- ☆→チャンク、マジカルナンバー
- チャンクchunk
- 心理学者ミラーの提唱した概念で、人間が情報を知覚する際の「情報のまとまり」のこと。また、その単位。たとえば、「かがみもち」を、平仮名5文字として知覚すると5チャンク、「鏡」と「餅」として理解すると2チャンク、「鏡餅」のこととして理解すると1チャンクとなる。ミラーによれば、人間が一度に覚えられるチャンクの数には限界があり、7±2チャンクとされる(この値をマジカルナンバーという)。ただし、複数のチャンクをグループにし、より大きな1つのチャンクにまとめることで、知覚・記憶する情報量を増やすことができる(これをチャンキングと呼ぶ)。複雑な内容をわかりやすく伝達するためには、情報を減らしたりまとめたりして、チャンクの数を7〜5以下に抑えることが効果的である。
- ☆→チャンキング、マジカルナンバー
- 中間財<ちゅうかんざい>intermediate material
- 一旦加工されたのち、他の財の生産のために使用される中間的な財のこと。部品などが代表例であるが、加工過程を経た生産される原材料や燃料、動力などもこれに該当する。
逆に、例えばタイヤなどは、自動車を生産する過程では自動車という最終財の部品として中間財に位置づけることができるが、カー用品店で販売されるものは最終財に位置づけられる。
- ☆→最終財、主資材
- 中心化傾向<ちゅうしんかけいこう>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。全体的に、考課点にバラツキがなく、中心(普通)に偏ってしまうこと。
- ☆その他の傾向→ハロー効果、寛大化・厳格化傾向、近時点評価、先入観評価、政策評価、対比誤差傾向
- 長期借入金<ちょうきかりいれきん>long term debt
- 1年以上の長期に渡って返済を行う借金のこと。貸借対照表上では、固定負債の部に記載される。
- 長期記憶<ちょうききおく>
- 比較的長期にわたって持続する記憶。感覚記憶や短期記憶が、言語・イメージ・シンボルなどの情報に変換され、記憶のネットワークに組み込まれることにより長期記憶となる。長期記憶の容量は現在のところほぼ無限とされており、記憶が保持される期間も数時間から数十年にわたる。また長期記憶そのものが、新たに得た感覚記憶を短期記憶に、短期記憶を長期記憶に変換する際に、必要な情報と処理方法を提供する。
なお、長期記憶は、命題記憶と手続的記憶に分けられるとする説がある。
- ☆→短期記憶、感覚記憶、命題記憶、手続的記憶
- 帳票<ちょうひょう>
- 金銭の収支や物品の出入り、その他事務処理を行う上で必要となる帳面、帳簿、伝票の総称。元帳、現金出納帳、入・出金伝票、納品伝票、出庫伝票などなど、組織の中では多くの事務手続きが帳票を介して行われる。
- 直接原価計算<ちょくせつげんかけいさん>direct costing
- 売上高と原価、利益の関係(Cost-Volume-Profit関係)を把握するための計算方法。まず費用を変動費と固定費とに分類し、売上高から変動費を差し引いて限界利益を求める。
次に、限界利益から固定費を差し引いて営業利益を求める。この計算により、事業や製品ごとの利益計画を策定したり、各事業あるいは製品の貢献度を評価するのに活用される。
- 直接材<ちょくせつざい>
- 直接材とは、産業財・生産財のうち、製品として加工される原材料、部品、資材、および生産設備をさす。主に製造部門で用いられる。
これらは経費購買の対象となる間接資材(MRO)と異なり、個々の製品の原価に直接振り分けることが可能なことから直接材とよばれる。
- ☆→産業財、生産財、MRO、副資材
- 直接費・間接費<ちょくせつひ・かんせつひ>
- 製品やサービスを生み出す上で、直接的な活動として発生する費用を直接費といい、間接的な活動として発生する費用を間接費という。一例をあげるなら、製品の原材料や製造ラインの人件費などが直接費に相当し、管理費用やスタッフの人件費などが間接費に相当する。
ただし、この直接費と間接費の概念は絶対的なものでなく相対的な概念といえる。つまり、どういう視点に立つかによって、何を直接費ととらえ、何を間接費ととらえるかが異なってくる。
- ★詳しくは→経営者のための財務管理「直接費・間接費とは?」のページ へ。
- 著作権<ちょさくけん>copyright
- 著作者が、その著作物を自分の財産として独占的に利用できる権利。著作者は、著作物を複製・頒布することで利益を得ることができる。また、他者による無断複製や利用を制約できる。
対象となる著作物とは、思想や感情を創作的に表現したもので、出版物や音楽、映像、美術品、建築、プログラムなど多岐にわたる。著作権は著作物を創作した時点で発生し、死後50年間有効となる。
- ☆→知的財産権
- ★詳しくは→著作権のページ(文化庁)、著作権データベース(著作権情報センター)へ。
- 直行・直帰<ちょっこう・ちょっき>
- 自宅から勤務先に立ち寄らずに、直接仕事先に出向くことを、俗に直行(または直出)という。また、出先から勤務先に戻らずにそのまま帰宅することを、俗に直帰という。
- 賃金<ちんぎん>
- 賃金とは、労働の対価として支払われる報酬のすべてをさす。労働基準法第11条では「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と定義されている。
会社が恩恵的に与える慶弔金や費用弁済として支給される出張旅費などは賃金に含まないとされているが、就業規則等であらかじめ支給要件が明示されている場合は、慶弔金や退職金も賃金とみなされる。
- ☆→所定内賃金、基準内賃金、平均賃金、年功序列型賃金、賃金控除
- 賃金控除<ちんぎんこうじょ>
- 賃金から何らかの金額を差し引くこと。賃金は原則としてその全額が支払われるが、税金や社会保険料など法定で認められているもののほか、労使協定で定められたものを差し引くことがある。
計算上の金額を「額面」、控除されたのちに実際に支払われる額を「手取り」とよぶ。
- ☆→賃金
- 賃金支払の5原則<ちんぎんしはらいのごげんそく>
- 労働基準法第24条で定められた賃金の支払い方に関する規定。同条第1項の「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」、第2項の「賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」という規定にもとづき、5原則と呼ばれている。具体的には、1)通貨払の原則、2)直接払の原則、3)全額払の原則、4)毎月1回以上払の原則、5)一定期日払の原則の5つとなる。
- ★詳しくは→ 労働基準法詳説/経営者のための労務管理へ。
- 陳述記憶<ちんじゅつきおく>
- ☆→命題記憶
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- 通貨バスケット制<つうかばすけっとせい>currency basket
- 為替相場制の一形態。自国通貨の変換レートを、複数の貿易相手国の為替相場と連動させるもので、固定相場制の一種。複数の通貨を選んでバスケット(かご)に入れ、それをあたかも1つの通貨とみなすことから、このように呼ばれる。
自国の通貨レートは、貿易量などによってウェイトづけされた複数の通貨レートを加重平均して算出される。
通貨バスケット制度をとるメリットとしては、特定の通貨の変動が大きくなった場合でも、バスケットの中の他の通貨によって影響が緩和されるため、為替相場が安定しやすいという点があげられる。
アジアではシンガポールやマレーシアがすでに採用している。また2005年、実質的にドル固定相場制をとってきた中国も、バスケット制を参考にした制度に移行すると発表した。
- 通勤<つうきん>
- 仕事をするために住居と勤務先の間を往復すること。通勤災害の規定では、特定区域で複数の顧客を受け持つ外勤従事者が自宅から就業場所となる顧客先へ直接通う場合に、一日の最初の就業場所に着くまでや、最後の就業場所を出てから自宅までなども通勤となる。また外勤従事者に限らず、帰りに居酒屋や娯楽施設に立ち寄って、通常の通勤経路から離れたり通勤行為を中断した場合、店に入る時点までが通勤となる。
- ☆→出勤
- 通年採用<つうねんさいよう>hire workers anytime(through the year)
- 企業が年間を通して採用活動を行うこと。普通、毎年春に新卒者の定期採用が行われるが、春以降に新卒者を採用する企業も増えてきている。また新卒だけでなく、中途採用や帰国子女の採用、9月卒業の外国大学卒業生の採用など、人材獲得のスタイルは多様化しており、通年採用を行う企業はますます増加するものとみられる。
- ★詳しくは→
「変わる企業の採用行動と人事システム事例集」(経団連)へ。
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- ディーラー
- ☆→販売会社
- 定価・売価<ていか・ばいか>
- 定価とは、販売元が前もって決めている商品の売値。一方、実際の販売価格を売価という。価格交渉をする場合、定価が取引価格の最高額となり、そこからの値引きによって売価が決定することが多い。また、値引きをしない売り方を定価販売という。
- ☆→オープン価格
- 定額法・定率法<ていがくほう・ていりつほう>fixed instalment method・fixed percentage method
- 長期にわたって使用される資産を減価償却するための計算方法。減価償却の対象となる資産には、その種類に応じて耐用年数が定められており、耐用年数の期間中は、毎期ごとに減価償却をする必要がある。定額法とは、毎期に一定額を償却する方法をいう。定率法とは、毎期の償却残高に対して一定率を掛けた額を償却する方法をいう。なお、定率法の方が、早い時期に多くを償却できることになる。
- ★詳しくは→国税庁のページ、ジャスネットコミュニケーションズ株式会社のページへ。
- 定昇<ていしょう>
- 定期昇給の略。企業の設定した賃金表に基づいて、個人の賃金が定期的に昇給されること。年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給される分と、能力や技能のレベルに応じて昇給される分がある。
- ☆→ベア、春闘
- ディスクロージャーdisclosure, corporate disclosure
- 企業情報開示(制度)のこと。主に投資家を保護する目的で企業が情報を一般に公開すること、またはその制度。大枠は証券取引法、商法が定めている。
証券取引所に上場すると財務内容の開示が義務づけられているが、昨今、企業の社会的責任の増大にともない、より多方面からの情報開示が求められてきている。
- 丁重語(謙譲語II)<ていちょうご>
- 敬語の分類の1つで、「参る」「申す」など、自分や自分の側の行為、持ち物などにつけて、相手に丁重に述べる表現方法。
一般的には謙譲語の一部とされるが、2007年の文化審議会答申の「敬語の指針」で、謙譲語から分けて敬語の1分類とされた。 動詞を例に取ると、自分や自分の側が行う行為を、行為の対象者に対してへりくだった表現を用いる場合と、話の聞き手や読み手に対してへりくだった丁重な表現を用いる場合に分け、後者を丁重語としているが、行為の対象者と話の聞き手が同じ場合には区別がなくなる。
また、丁重語は、「ます」などの丁寧語を伴って使うのが特徴とされている。
動詞の場合は、一般形は「参る」「申す」「おる」などがあり、特定形は「いたす」だけとなる。名詞は、「弊」「小」「愚」「拙」などをつけて、弊社、小生、愚案、拙宅などがある。
- ☆→謙譲語
- ★詳しくは→ 敬語の指針/文化審議会へ(PDFが開きます)。
- 丁寧語<ていねいご>
- 敬語の分類の1つで、ものや行為などを丁寧に表現することで、相手に対する敬いの感情や姿勢を表す方法。「お」「ご」などの接頭語をつけたり、語尾に「です」「ます」「ございます」などをつける表現。
丁寧語は尊敬語や謙譲語とは違い、相手のことか自分や自分の側のことかなどを意識することなく、幅広くいろいろな人やものに使うことができる。
なお、2007年の文化審議会答申の「敬語の指針」では、「お」「ご」などの接頭語をつける上品な表現は、丁寧語から分けて、美化語として分類されている。
- ☆→敬語、尊敬語、謙譲語、美化語
- ディフュージョン・インデックスDiffusion Index
- ☆→景気動向指数
- 定量目標・定性目標<ていりょうもくひょう・ていせいもくひょう>
- 一般的には、数値化が可能な目標は定量目標、数値化が難しい質的な目標は定性目標とされている。しかし定性的な目標も、計数的な技術を用いて管理指標を明確にし、定量的な目標に変換できるものも少なくない。逆に定量目標も、その達成イメージを具体的にするために定性的に表現することも可能である。したがって定量目標と定性目標は表裏をなすものであり、目標の定量的な表現と定性的な表現という捉え方をすべきと考えられる。
- データウェアハウスdata warehouse
- 平たくいうと、データを格納しておく倉庫のこと。企業の各部門、あるいは複数のシステムにわたる大量のデータを一元管理し、経営の意思決定に有効に活用できるようにしておくしくみをいう。
- ☆→データマイニング
- データマイニングdata mining
- マイニングとは、もともとは鉱山の採掘の意味。膨大な取引データの中から、有用な傾向や規則性を見いだすことをいう。この成果は、マーケティング政策や与信管理などに応用される。
- 手形<てがた>bill/draft/note
- 取引における決済手段の1つ。仕入代金などの一定金額を、ある時期にある場所で支払うことを約束した有価証券で、約束手形と為替手形の2種類がある。
約束手形は、振出人(=支払人)と受取人の二者間で利用される。手形というと一般にはこの約束手形をさす場合が多い。 為替手形は、振出人と受取人と支払人の三者間で利用され、振出人と支払人が異なるのが特徴。
- 適応<てきおう>adjustment
- 1)人が個人の欲求をある程度満たしながら、環境に合わせて自分の行動や思考を変えていく過程。また、そのようにして変わった状態。社会的順応とも呼ばれる。適応が成り立っている場合、個人の欲求と社会の要請は均衡状態にある。この均衡が崩れた結果生じうるさまざまな障害を不適応という。
2)生物学的には、意志に関わらず自然選択によるもので、ある条件に棲息する生物の集団の中に何らかの遺伝的な性質が広まること。また、それによって個体の生存・繁栄が有利になった状態をさす。
- 適格退職年金(税制適格退職年金)<てきかくたいしょくねんきん>
- 厚生年金基金と並ぶ企業年金の一つ。
法人税法に定める条件を満たすことで、法人が負担する拠出金を全額損金算入できるなど、税制上の優遇措置が得られる。
厚生年金基金に対し、比較的小規模の企業(15人以上)でも採用できる。
ただし、運用利回りの低下などから、積み立て金不足が問題視されてきている。
なお、2012年3月31日をもってこの制度は廃止された。
- 適性処遇交互作用(ATI)<てきせいしょぐうこうごさよう>Aptitude Treatment Interaction
- 学習者の「適性」と「処遇(指導法)」には交互作用があり、両者の組み合わせによって学習効果が異なるというもの。アメリカの教育心理学者クロンパックが用いた概念で、個別指導を重視する考え方の理論背景ともなっている。
学習者の「適性」とは、その個人を特徴づける特性のことで、学力や既有知識、性格、態度、興味・感心、学習スタイルなどがこれにあたる。また処遇とは指導方法の条件のことで、指導の手法、課題、かかわり方、カリキュラム、学習環境などがあげられる。
- 敵対的買収<てきたいてきばいしゅう>HTO(Hostile Take Over)
- 買収先企業の経営陣の同意を得ることなく、株式を買い集めて買収を行うこと。
これに対し、事前に同意が得られている場合の買収を友好的買収という。
買収後にさらに第三者に売却するなどして利ざやを稼ぐことが目的の場合もあれば、買収を行うことで事業価値を高めようとする目的の場合もある。
- ★詳しくは→あずさ監査法人のページへ。
- テクニカルスキルtechnical skill
- テクニカルスキルとは、米国の経営学者R. カッツが提唱したマネジメントに求められる3つのスキルのうちの1つ。テクニカルスキルは、統括する部署の業務を進めるうえでマネージャーに必要とされる実務面での専門知識や技能をさす。例えば販売部門では、市場分析や販売戦略の立案といったスキルがこれに当たる。
またテクニカルスキルは、経営者層、管理者層、監督者層のうち、特定の専門業務を受け持つ監督者層で最も重要度が高いとされる。
- ☆→ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル
- デジタル・デバイドdigital divide
- 直訳すると情報格差。インターネットやパソコン等の情報技術を使える人と使えない人との間に、情報の格差が生じている状態をいう。この情報格差は経済的・社会的な格差をもたらしている。また年齢、性別、教育などによる個人間の問題だけでなく、企業間や都市間、国家間においても情報格差が広がりつつあり、社会問題となっている。
- ★詳しくは→野村総研(NRI)のページへ。
- デジュアリー・スタンダードdejurely standard
- 製品や技術、製造プロセスなどに対して、法律や公的な機関が定めた統一的な規格のこと。その代表にJISやISOなどがある。
技術の進歩が速い業界では、デジュアリー・スタンダードの決定が降りる前に、圧倒的なシェアを獲得した技術によって、デファクト・スタンダードが決まってしまう場合もある。
- ☆→デファクト・スタンダード
- テスト・クロージングtest closing
- 営業活動において、本格的なクロージングにかかる前に、顧客の購入意思を探ったり高めたりするための働きかけをいう。テスト・クロージングでは、顧客が拒絶するような強い働きかけは避け、気軽な質問や投げ掛けによって顧客との対話をつなげていく。その結果、顧客の反応が良く、購入意思が高まったと判断できたら、本格的なクロージングへと進めていく。
たとえば、「仮に購入するとしたら」という仮定のもとに、「いつごろからのご利用をお考えですか」のように、利用時期、利用(設置)場所、利用者、支払い方法など、購入するのであれば具体的に考えたり決めたりする必要のある事項を質問として投げ掛ける。その回答が具体的であれば購入意欲があると判断し、漠然としていたり回答を避けたりするようだと、まだクロージングは早いと判断する。
- ☆→クロージング
- 手続的記憶<てつづきてききおく>procedural memory
- 思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶。ピアノの弾き方、自転車の乗り方など、いわゆる技能・技術にあたる。言葉で伝えることが難しく、記憶の獲得および再現のために繰り返し実演することが必要な点で、命題記憶と対比される。非陳述記憶とも呼ばれる。心理学者タルヴィングの説では、エピソード記憶と意味記憶に並ぶ第3の記憶システムとされる。
- ☆ もう少し詳しい説明を見る
- ☆→命題記憶、エピソード記憶、意味記憶
- 手取り<てどり>
- 手取りとは、支給された賃金から、税金、社会保険料、本人が了解した会費など差し引いたのち、実際に受け取る金額のこと。差引き支払額。差し引くことを控除といい、その金額のことは控除額とよぶ。
- ☆→賃金控除
- デファクト・スタンダードde facto standard
- 「事実上の標準」と訳される。
JISやISOのように、公的機関によって公式に定められた標準ではなく、民間企業における独自の製品や規格が、事実上その業界の標準として通用していることをいう。
実例としては、ビデオデッキにおけるVHSや、パソコン業界における「ウィンテル」などが有名。
デファクト・スタンダードは、技術革新の速い時代において競争優位に立つための重要な戦略要素でもある。
- ☆→デジュアリー・スタンダード
- デフレーションdeflation
- 物価水準が継続的に下降する現象のこと。市場における総需要に対し総供給が過剰な状態となり、一般に不況を伴う。物価の下落によって企業収益が落ち、個人所得が減少し、そのために需要が伸び悩み、さらなる物価の下落と景気の減退を招くという悪循環に陥ることを、デフレスパイラルという。
- ☆→インフレーション
- デミング賞Deming Prize
- 我が国の産業界の品質管理(QC)を向上させる目的で、品質管理面で優れた企業または個人に対し、年に1度授与される賞のこと。
第2次大戦後の1950年に来日し、品質管理の指導に務めたアメリカの統計学者W・E・デミングの名にちなんで、日本科学技術連盟が制定したもの。
- 手元流動性<てもとりゅうどうせい>short-term liquidity
- 手元流動性とは、すぐに支払に当てることのできる資産のこと。具体的にはキャッシュとほぼ同じもので、貸借対照表の「資産の部」・「流動資産」に含まれる「現金・預金」および(短期の)「有価証券」の合計額で示される。この合計額を月の平均売上高で割った数字を手元流動性比率というが、これを単に手元流動性とよぶこともある。
手元流動性比率=(現金・預金+短期有価証券)÷(年間総売上高÷12)
手元流動性比率は、企業の財務分析において経営の安全性(健全性)を示す指標の1つであり、企業の支払能力の余裕度を表す。
- ☆→資産、流動資産
- デリバティブderivatives / derivative financial instruments
- 金融派生商品。株式や債権、為替などの本来の金融商品から派生した商品のこと。金融商品を対象に、先物、オプション、スワップといった形態での取引が行われる。元々は金融商品の価格変動によるリスクを回避(リスクヘッジ)する手段として開発された。
しかし近年はデリバティブそのものを投機対象とする取引も増加している。これは、少ない資金で大きな運用利益が期待できる反面、大規模な損失を招く危険性も高い。この側面からデリバティブの規制と情報開示を検討する動きが高まっている。
- 転移transfer (transfer of learning)
- ☆→学習転移
- 電子メールElectronic mail
- 電子メッセージの転送サービス。または、そのメッセージのこと。メールアドレスをもつ者同士が、パソコンや携帯電話を用いてメッセージをやりとりする。もともとは一つのネットワーク内で実現したシステムだが、インターネットの普及に伴い、地球規模のネットワーク間で可能になった。文字メッセージだけでなく、画像や映像、音声なども送ることができる。
- ☆→スパム、インターネット
- 転籍<てんせき>
- 人事異動の1つの形態で、子会社や関係会社など、会社を越えて籍を移すことをいう。この場合、元の所属会社との雇用契約が終了し、転籍先の新しい会社と雇用契約を結ぶことになる。元の会社との雇用契約を維持したまま別の会社の指揮命令下で勤務する場合は出向とよぶ。転籍には、労働者との個別的な合意が必要と考えられている。
- ☆→出向
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- ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックdoor-in-the-face technique
- 要求水準の落差を利用した交渉術。譲歩的要請法ともよばれる。依頼や交渉の際、最初に難度の高い要求を出して相手に一旦拒否させておき、それから徐々に要求水準を下げていく話法のことで、先立つ要求を目くらましにして、最終的に、こちらの最も望ましい要求を承諾するよう相手を導く。この名称は、訪問先でセールスマンがひとまず相手に拒否させるために、ドアが開いたらいきなり顔を突っ込む動作に由来する。
人は誰かの要求を拒否すると、断ってしまった後ろめたさを感じる場合がある。ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、この後ろめたさを解消するために人が「受けた物事に対して何らかのお返しをしようとする」心理に働きかける。こちらの要求を1度ないし複数回相手に断らせることによって、そのお返しとして相手が承諾してしまうような流れをつくりだす。
- ☆→フット・イン・ザ・ドア・テクニック
- 動機づけ要因<どうきづけよういん>
- 自発的に行動を起こそうとする意欲を引き出す要因。
衛生要因が不満と関連するのに対し、動機づけ要因は満足と関連する。つまり動機づけ要因が高まるほど満足の向上につながる。
職場における動機づけ要因の例としては、仕事の内容への興味、目標の魅力、達成感などがあげられる。
- ☆→衛生要因、モチベーション
- 当期利益<とうきりえき>profit of current term
- 当期において、最終的に得られる損益のこと。
税引前当期利益から、法人税や住民税などを差し引いた最終的な利益。この利益が株主の持ち分となり、株主配当や内部留保として使われる。当期利益は商法上の用語であるが、金融商品取引法では当期純利益という。また、単に純利益、最終利益とよばれることもある。
- ☆→税引前当期利益、売上高当期利益率
- 統合評価法<とうごうひょうかほう>
- 理解度テストを行う場合に、テストを採点した客観評価と本人による自己評価を統合して多面的な評価情報を得ようとする評価方法。理解度テストにおいて被験者には解答と同時に、その解答に対する自信度を「○:自信あり」「×:自信なし」で記入してもらう。解答は正誤で判定するが、その結果と本人による自信度を掛け合わせて振り返りを行う。
正解した問題で自信もあった場合は理解できていると判断できるが、自信がなかった場合は理解が不十分かたまたま正解しただけで、復習や補足解説が必要と判断できる。不正解で自信もなかった場合は理解できていなかったことになり、復習や補足解説が必要となる。自信があったのに不正解だった場合は、不注意によるミスか、間違った理解をしていたのかを確認し、後者の場合はもう一度正しく学習する必要があると判断される。なお、特定の問題で多くの受講者が自信があって不正解だった場合は、講師側の解説の仕方に問題がなかったか点検する必要がある。
- ★詳しくは→ 統合評価法による授業改善/下村勉へ。
- 当座資産<とうざしさん>
- ☆→流動資産
- 当座比率<とうざひりつ>quick ratio
- 当座資産/流動負債×100 (%)
酸性試験比率ともいう。1年以内に支払わなければならない負債(流動負債)に対して、すぐに現金化できる資産(流動資産)がどの程度あるか、を示す指標。100%以上が理想的とされる。(1対1の原則)
比率が100%ということは、当面支払の心配がないことを意味する。
- ☆→流動比率
- 投資サービス法<とうしさーびすほう>
- ☆→金融商品取引法
- 同時礼<どうじれい>
- ☆→分離礼
- 統制<とうせい>control
- 統制とは、活動の計画と実際との差異を修正する活動をさす。
計画を策定した場合に、実行段階で行う管理活動であり、計画通りに進めるための支援活動(修正活動)となる。
日常的な活動では、進行管理や進捗管理などともよばれるが、これらは統制の一部と位置づけられる。
統制は、計画した活動の監視と、計画との差異が生じた場合に行う修正活動からなる。監視する対象で分類すると、活動や作業が計画通りに行われているかを管理する作業統制や、予定したスケジュール通りに進んでいるかを管理する進度統制などがある。
いずれの統制においても、計画とのズレが生じた場合には対策を講じる必要があり、これを異常対応とよぶ。
- ☆→計画
- 動線<どうせん>traffic diagram
- 人や物が移動する場合の経路・軌跡のこと。小売店舗においては、顧客が移動する経路のことを客動線、従業員が作業を行うために移動する経路のことをサービス動線という。これらは売場設計のベースとなる。
顧客の滞留時間を長くし、逆に作業時間を短くするために、客動線は長く、サービス動線は極力短くするのが原則とされる。
- 同調<どうちょう>
- 他者の評価基準や期待に沿うように、自分の行動を変えること。例えば、集団の持つ基準に従って自分の行動や信念を変える行動(同調行動)はよく見られる現象である。自分の心とは裏腹に表面的に同調することを追従、特に権威に対する同調を服従という。
それに対し、心から他者の考えが正しいと認め、自分の行動を変えることを私的受容という。
同調行動についてはアッシュの実験が有名。
- 導入期<どうにゅうき>introductory stage
- プロダクト(製品)ライフサイクルの1つ。新しい製品・サービスが市場に導入される段階のことで、まだ売上が低く、コストもかかるため、利益は低いかほとんど出ないのが特徴。
この段階では、製品・サービスの認知度向上が売り手の大きな課題となる。また、価格政策としては、比較的高めの価格で売り出すことで、開発コストの早期回収をはかり、売上の上昇とともに価格を下げていく手法(スキミング・プライシング)が多く用いられる。しかし逆に、低価格で大量に販売することで、市場の早期拡大をはかる手法(ペネトレーション・プライシング)が用いられることもある。
- ☆→プロダクト・ライフサイクル、成長期、成熟期、衰退期
- トータルヘルスプロモーションプラン
- ☆→THP
- 独占禁止法<どくせんきんしほう>anti-monopoly law
- 「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」の略称。通称、独禁法。企業間の自由競争を維持することで、市場の健全な発展と消費者利益の保護をめざす法律。私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法などを禁止し、不正行為があった場合は公正取引委員会によって審査される。
- ☆→カルテル、トラスト、コンツェルン
- ★詳しくは→「独占禁止法について」(公正取引委員会)へ。
- 特定商取引法<とくていしょうとりひきほう>
- 「特定商取引に関する法律」の略称。通称、特商法。
訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引の6種類の取引について、事業を行ううえでのルールを定めた法律。取引に関するトラブルを防止し消費者を保護することが目的で、クーリング・オフ制度のほか、意思表示の取消や再勧誘の禁止などについての規定がある。
- ☆→クーリング・オフ制度
- 特別休暇<とくべつきゅうか>
- 特別休暇とは、私生活などにおいて特別な理由が発生した場合に取得できるように各企業で定めた休暇をいう。本人や家族・親族の冠婚葬祭や災害が発生した場合など、各企業の就業規則の中で事由と取得可能日数が定められている。
特別休暇は、通常、事由に該当する日または本人が申請した日に取得できるが、有給にするか無給にするかは、各企業の就業規則による。
- ☆→休暇、就業規則
- 特別損益<とくべつそんえき>extraordinary profit and loss
- 特別利益と特別損失を合わせて特別損益という。本来の経営成績とは直接的に関係のない、臨時に発生した収益と費用。
例えば土地売却や有価証券売却に伴う売却損益や、工場の移転費用、災害による損失などが該当する。
- 特約店<とくやくてん>exclusive agency
- ☆→代理店、特約店
- 特許法<とっきょほう>patent law
- 独創的な発明に対し、それを公開するかわりに、一定期間(出願より20年間)において独占権を与え、保護することを定めた法律。技術開発の促進と産業の発展を目的として制定された。
- 突合<とつごう>check
- 突合とは、2つ以上の異なる資料を突き合わせて、内容が一致しているかを調べること。「突き合わせ」ともいう。例えば、注文書と納品書を突き合わせたり、システムなどに入力したデータと元となる紙の資料を突き合わせたりする。
「照合」とほぼ同義で用いられる。
- ドミナント(出店)dominant
- ドミナントには優勢な、支配的な、といった意味がある。
小売業がある地域に集中的に出店する戦略を、ドミナント出店またはエリア・ドミナンス戦略などと呼ぶことがある。
この出店戦略により、物流や管理、販促などの効率化とコスト削減を図り、商圏内で競合他社より優位に立つことをめざす。
食品スーパーやコンビニエンスストアなどのチェーン店にドミナント出店の顕著な例が見られる。
- ★詳しくは→ニッセイ基礎研究所のページへ。
- ドメイン名domain name
- インターネットに接続されているコンピュータやネットワークを識別するための住所のようなもの。アルファベットと数字と記号の一部を使って表現される(弊社の場合はnavigate-inc.co.jpがドメイン名)。
もともとインターネット上にあるコンピュータにはそれぞれにIPアドレスが割り振られるのだが、これは意味のない数字の羅列のためわかりにくい。そこで、IPアドレスの替わりにドメイン名を用いることができる。
このドメイン名とIPアドレスとを対応させるシステムをDNS(Domain Name System)といい、全世界のDNSサーバにおいて「ドメイン名→IPアドレス」の変換が行われている。 なお、全世界のドメイン名はICANNという民間の非営利法人が管理しており、そこから各国のNICやレジストラなどの組織が委任を受けて、ドメイン名の割り当てを行っている。
- ☆→IPアドレス
- トラストtrust
- 企業合同と訳される。複数企業が、市場競争を排除し、市場での利益を独占する目的で資本結合を行うこと。資本による支配が行われる点で、カルテルより強固な結合形態といえる。同業種間にわたる水平的合同、異業種間にわたる垂直的合同などがある。
- ドラッグ・ストアdrugstore
- 医薬品や化粧品、衛生用品など健康と美容に関する商品を取り扱う店。従来の薬局・薬店は医薬品を主力としているのに対し、ドラッグストアは幅広い品揃えを目指し、セルフ販売を主体としている。法律によって“1店につき1人以上の薬剤師が必要”とされている。
また、JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)の認定資格である「ヘルスケアアドバイザー」や「ビューティーケアアドバイザー」を持つ人を勤務させている店もある。
- ★詳しくは→日本チェーンドラッグストア協会のページ、ヘルス&ビューティケア人材育成センターのページへ。
- 取扱説明書<とりあつかいせつめいしょ>
- 機械、製品、情報システム、アプリケーションなどの操作方法を解説したもので、俗称「トリセツ」。操作マニュアル、操作手順書も同義。「登録」「更新」「削除」「出力」など、機能別に手順を解説する方法が一般的。
取扱説明書によっては「見積書を発行する」「赤黒処理をする」など、目的別に解説しているものもあるが、これは性格的には「作業標準書」としてとらえられる。
通常、事務系の仕事は情報システムと連動しているため、事務系の業務マニュアルや作業標準書を作成する場合は、取扱説明書の解説をどこまで取込むのか、あるいはどう連携させるかが1つのポイントとなる。
- ☆→作業標準書、業務マニュアル
- ★詳しくは→ 業務マニュアルTips:No.38「マニュアル類の分類と定義」へ。
- 取締役会<とりしまりやくかい>board of directors
- 株主総会で選任された取締役より構成される、経営の意思決定機関のこと。基本的には、株主利益を守るために経営全般を監督する役割を担い、1社に3人以上必要とされる(有限会社等は別)。
取締役会の決議事項は、株主総会の権限範囲を除いた、あらゆる業務執行上の意思決定に及ぶ。(例えば決算、新株発行、利益処分などなど)
- ☆→役員、執行役員
- 取引<とりひき>
- 一般用語としては、金銭・物品のやりとりや、利害の調整を行うことなど、幅広い意味で使用される。
会計用語としては、資産・負債・資本・費用・収益を増減させることをいう。たとえば、商品の売買や資金の借り入れなど。天災・盗難・紛失による損害も、資産の減少を伴う場合は会計上の取引に含まれる。逆に、契約行為(書面へのサインなど)や無償での物品の貸し借りは、一般的に取引と呼ばれているが、資産の増減が発生しないため会計上の取引にはあたらない。
- 取引条件<とりひきじょうけん>
- 企業間での売買に関して、対象の商品やサービスに対する価格、納入方法や納期、支払方法や支払期限など、取引に関わる一連の条件のことをさす。
- トレーサビリティtracability
- 本来は計測器の精度に関する用語だったが、最近は食品の生産・流通過程における「追跡可能性」の意味で使われることが多くなった。これを特に食品トレーサビリティと呼ぶ。
食品トレーサビリティが注目されるようになった発端には、遺伝子組み換え食品に対する懸念がある。さらに産地偽装事件、BSE問題などにより、食品の安全性に対する不信感に拍車がかかった。こうしたことから、消費者団体を中心にトレーサビリティが主張されるようになった。
生産・流通・加工を経て、食品が消費者の手に渡るまでのプロセスをデータとして保持するシステムを、トレーサビリティ・システムという。
- ★詳しくは→JCSSのページ「計量計測のトレーサビリティとは」、Wisdom「トレーサビリティ」へ。
- トレードオフtrade off
- トレードオフとは、何かを達成するために別の何かを犠牲にしなければならない関係のこと。いわゆる「あちら立てれば、こちらが立たぬ」に相当する。
たとえば、在庫管理にはトレードオフがつきまとう。製品の在庫を減らすと、顧客の需要に答えられず、販売機会を逃す。逆に、製品在庫を増やすと、売れ残りが生じ、無駄に保管場所をとったり、余計な費用がかかる。
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