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さ行

更新 2017.03.27(作成 1999.07.30)

[さ]

サービスservice
経済活動において顧客満足のために生産される労働・用役・役務など。企業が市場に提供する商品は、ほとんどがサービスも同時に提供されている。ただし、専門化・分業化がすすみ、サービス自体が商品ということもありえる。
最敬礼<さいけいれい>
最敬礼とは、最も丁寧な深いお辞儀のことをいう。神前での儀式や高貴な方に対する礼に用いる。
ビジネスマナーでは、3段階あるお辞儀の仕方のうち最も深いお辞儀で、お詫びをするとき、深い感謝を表すとき、重要なお客さまをお見送りするときなどに用いる。角度は45度が目安とされ、背筋を伸ばして腰から上体を深く折り曲げ、真下よりやや前方に視線を落とすのが基本とされている。
☆→会釈敬礼
在庫<ざいこ>inventory
品物が倉庫などに蓄えられている状態、また蓄えられている品物を在庫とよぶ。商品や製品のほか、仕掛品、原材料などが含まれる。また、販売対象となる品物でなく、自社で使用する消耗品などの貯蔵品に対しても用いることがある。
在庫管理<ざいこかんり>inventory control
在庫管理とは、生産や販売などの事業活動全体に照らして、在庫が適切な状態にあるよう維持する一連の活動をいう。それにより、品切れによる販売機会損失や納期遅れを防止したり、在庫の過剰によるコスト増や不良在庫となることを防止したりする。
最終財<さいしゅうざい>final goods
さらに加工されることがなく、消費または使用される最終的な財のこと。財の中には、他の製品を作るための原材料となるものや、部品のように一旦加工されてたのち他の製品の生産のために用いられる中間的な財がある。
それらに対し最終財は、生産過程に再投入されることのない財をさし、最終生産物と同義で用いられる。
☆→中間財主資材
財政政策<ざいせいせいさく>fiscal policy
金融政策が日銀が行う経済政策であるのに対し、財政政策とは国が行う経済活動の収支(歳入と歳出)についての政策のこと。国の歳入は税金、歳出は公共事業などにあたる。
例えば不景気の時に公共投資を行ったり減税をしたりなど、景気対策を折り込んで予算編成することが財政政策となる。
☆→クラウディング・アウト
★詳しくは→NOMURA証券用語解説集のページへ。
サイトsight
手形を振りだした日から、支払期日までの期間をいう。
全く別の意味で、インターネットのウェブサイト(Web site)の意味でも使われる。
再販売価格維持制度(再販制度)<さいはんばいかかくいじせいど>resale price maintenance system
メーカーが卸売業者や小売業者に対して、商品の販売価格を指定し守らせるしくみをいう。
自由競争を阻害する不公正取引に当たるものとして、基本的に独禁法で禁じられている。
ただし、書籍や雑誌などの著作物については、例外として再販が容認されている。なお、著作物を再販商品として卸すかどうかは、出版社の意思による。
財務会計<ざいむかいけい>financial accounting
企業会計は、財務会計と管理会計とに区分される。財務会計とは、経営成績と財政状態を、会社外部の利害関係者(主に株主)や税務署に報告するためのもの。外部報告会計や制度会計とも呼ばれる。
決算時に、損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)などの財務諸表を作成し、報告を行う。
財務諸表<ざいむしょひょう>financial statement
財務諸表とは、会社の活動やその成果を表す成績表で、決算により作成される。貸借対照表・損益計算書の2つが代表的なもの。
裁量労働制<さいりょうろうどうせい>free working hour system
あらかじめ労使協定で定めた労働時間については、実際に働いたかどうかにかかわらず、労働したものとみなす制度。実質的に、勤務時間を社員の裁量に一任することになる。
仕事の段取りや時間配分を、あらかじめ決めることが困難な業務に適用され、研究開発やマスコミ、編集などの専門分野のほか、徐々に対象範囲が広がりつつある。
作業基準書<さぎょうきじゅんしょ>
☆→作業標準書
作業標準書<さぎょうひょうじゅんしょ>
一連の定型的な処理を解説するためのマニュアル。作業基準書、作業手順書もほぼ同義。
取扱説明書が主に機能別に手順を解説するのに対し、作業標準書は目的別に手順を解説するという点で異なるとされる。つまり「見積書を発行する」「○○を梱包する」など、具体的な目的に向けて、通常1人の人が連続して行うひとまとまりの作業を解説したもの。その手順を守って行えば、誰でも同じ結果を得られることが基本。
作業標準書として記載される項目には以下のようなものがある。
・作業名
・作業の目的
・準備物
・基準(標準作業時間、合否基準など)
・手順
・写真
・画像(必要に応じ)
・注意事項
・禁止事項
☆→業務マニュアル取扱説明書
★詳しくは→ 業務マニュアルTips:No.38「マニュアル類の分類と定義」へ。
指値・成行<さしね・なりゆき>limited indent・at market/market order
株式や為替を売買する際、値段を指定して注文すること、またはその値段を指値という。
これに対して、値段を指定せず、売買したい数量だけを注文することを成行という。
サステナビリティsustainability
持続可能性、または持続できることを意味する。企業のサステナビリティというとき、経済的発展はもとより、環境、社会的側面において、現在だけでなく将来も引き続き貢献できる可能性を持っていることを示す。
『環境報告書』に並び、『サステナビリティ報告書』を発行する企業が増えているが、その背景には、CSR(企業の社会的責任)という視点から企業価値を評価しようとする国際的な動きがある。この、『サステナビリティ報告書』を作成する際の基準として、国際的NGO団体であるGRI(Global Reporting Initiative)の示すGRIガイドラインがある。
このガイドラインでは、企業活動に対して、環境、社会、経済という3つの側面におけるパフォーマンスを報告するよう求めている。
サードパーティー・ロジスティクスthird party logistics
サードパーティー・ロジスティクス(3PL)とは、顧客(荷主)企業が、その物流業務を外部の物流専門企業に一括してアウトソーシングすること。またはそのサービス。荷物の輸送や保管だけでなく、物流コスト削減の提案や、物流システムの構築・運営・管理などを総合的に行い、顧客のコア事業の拡大を支援する。荷主や従来の運送業者以外の第三者(サードパーティー)の事業者がサービスを提供することからこう呼ばれる。
3PL事業者は、トラックや倉庫などの物流資産を自社で所有するアセット型と、他社の物流資産を利用するノン・アセット型に分類される。前者は既存の物流業者に多く、後者は商社やコンサルティング会社系の企業に見られる。
☆→ロジスティクス
差別化戦略<さべつかせんりゃく>differentiation strategy
その市場において競争相手以上の付加価値を実現することで競争優位を実現しようとする戦略で、リーダー企業に対しコスト優位に立ちづらい2番手以下の企業に適しているとされている。マイケル・E・ポーターの競争優位の戦略の1つ。
差別化戦略では、他社が提供できていない顧客のニーズをねらい、独自の製品やサービスを提供することで自社を特徴づけていく。高品質や高性能の製品やサービスを求める顧客をねらう場合は、それを満たす付加価値を実現し、高めの価格設定を正当化していく。逆に目的や用途が限られている顧客には、廉価だが、顧客の目的や用途に絞ったシンプルな製品やサービスを提供することで、十分な利益の獲得をねらう。
☆→競争優位の戦略
サプライチェーン・マネジメントsupply-chain management
資材の調達、生産、物流、販売といった一連の工程を、よどみなく流れるように再構築し、情報技術の活用などによって一元管理する経営手法。これによりキャッシュフローの最大化を目指す。
☆→ロジスティクス
残業(時間外)<ざんぎょう(じかんがい)>
一般的には、勤務の終業時間を超えて行う業務のことを残業とよぶ。また、終業時間後に限らず、会社の所定労働時間を超えて働く時間外勤務のすべてをさして残業という場合もある。
企業によっては、始業時間前に出てきて行った勤務を早出といって区別する場合もある。また、休日に行った勤務は休日勤務となるが、これも含めて残業とよんでいる場合もある。
☆→時間外労働
産業財<さんぎょうざい>industrial products
産業財とは、産業分野の組織で購入され、使用や消費されていく財をさす。生産財や資本財と同義で用いられることが多い。
消費財に対応する言葉として定着してきているが、一般に消費財の対義語とされてきた生産財という言葉がいろいろな定義で用いられ混乱していたこともあり、より幅広く個人消費以外の目的で購入され、使用や消費をされる財を総称する概念で用いられるようになった。
☆→生産財消費財資本財
三現主義<さんげんしゅぎ>
問題解決するときの1つの姿勢。「現場」に出向いて「現物」に直接触れ、「現実」をとらえることを重視する。
生産分野においてとくに重要とされてきたもので、日本の高度経済成長を支えた精神として認識されることもある。空理空論を展開するのではなく3つの「現」にアプローチすることは、あらゆる領域の問題解決において共通して重要である。
三面等価の原則<さんめんとうかのげんそく>
仕事における「三面等価の原則」とは、遂行責任、権限委任、結果責任の3つをいう。部下に対して仕事を指示するときは、この原則を考慮する必要がある。
つまり、部下が自分で責任もって仕事をやりとげること、部下に権限を委譲すること、そして結果に対しては上司自ら責任をとること、の3つである。
三六協定<さんろくきょうてい/さぶろくきょうてい>agreement on overtime or holiday work
時間外休日労働について、使用者が労働組合(または労働者の過半数を代表する者)との間で締結する労使協定をいう。
これを締結し所轄労働基準監督署長に届け出ない限り、使用者は労働者に時間外労働や休日労働を命じることはできない。労働基準法36条にその定めがあることから、三六協定といわれる。
☆→時間外労働労働時間

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[し]

シーズseeds
企業が有する事業化、製品化の可能性のある技術やノウハウなどをさしている。シーズの状態はまさしく“種”の状態であり、そのままでは顧客に提供することができない。
シーズを具体的に提供できる形にしたものが製品やサービスであり、シーズを顧客ニーズに適合するような製品やサービスに変換していくことが重要とされている。
☆関連→ニーズウォンツ
シーリングceiling
行政体が予算を編成する際、各省庁や部局の概算要求に対して定める上限額のこと。概算要求基準ともよばれる。シーリングは英語で「天井;上限」を意味する言葉。
国家の予算編成では、例年7月頃に閣議了解でシーリングを定める。各省庁は、シーリングの範囲内で次年度予算の概算要求書を作成し、8月末までに 財務省に提出する。
シーリング方式は1961年に国に導入され、その後、地方公共団体の予算編成にも取り入れられた。この方式は無駄な予算膨張を防ぐ効果があるが、その反面、社会情勢の変化に応じた事業の重点化がしづらいといった弊害もある。そのため、1980年代以降、政府はシーリングとは別に「特別枠」を設けることで、重点事業を明確化している。
☆→ゼロ・シーリング
仕入<しいれ>buying
商品を生産者(メーカー)や卸売業者から消費者や小売業者や卸売業者に販売するために購入すること。
シェアshare
占拠率または占有率。その企業の商品の売上高が、その商品分野全体の売上高に占める比率。
この水準は市場集中の程度を示す指標として、また商品の競争上の位置を示す指標として、重要な意味を持つ。
ジェンダー/ジェンダー・フリーgender / gender free
ジェンダーとは、生物学的機能以外に、社会的、文化的につくられた性差による役割や行動のこと。いわゆる男らしさや女らしさといった観念。
ジェンダー・フリーとは、こうした性差からの解放をいう。
学校教育においては、本来の男女平等と個性尊重を実現するために、男女別の名簿や、男女別の呼び方(さん・くん)を廃止するなど、見直しが進められている。
時価会計<じかかいけい>market price accounting /market value accounting
株式、債券、不動産などの資産を、取得価額ではなく、決算時点の時価で計上する会計方式をいう。 日本の従来の会計制度では、資産を取得価額(購入時点の価格)で計上できるため、資産の「含み損益」が発生し、帳簿上からは財務の実態がつかみづらかった。
欧米では時価会計が原則であるため、取引の国際化が進む中、時価会計への移行は必然ともいえる。
そこで国際会計基準によって、2001年3月期の決算からは、運用目的の有価証券やデリバティブなどの金融資産について時価会計が適用されることになった。
その際、取得価額と時価の差額については、評価損益として計上されることになる。
時間外手当<じかんがいてあて>
会社の所定労働時間を超える時間外の勤務に対して支給される手当。月給制の場合、毎月の給与から時間単価を求め、超過した時間に応じた金額が支給される。法令では、1日8時間または1週40時間を超える勤務については、時間単価に加えて0.25の割増が義務づけられている。また、22時から翌朝5時までの深夜に勤務した場合は0.25、休日の勤務については0.35の割増賃金が支給される。
時間外手当の単価計算では毎月固定的に支払われている賃金をもとに算定する。このとき、計算から除外できるのは、全社員一律でなく社員の条件に応じて支給されている「家族手当」「通勤手当」「別居手当」「子女教育手当」「住宅手当」、および「臨時に支払われた賃金(慶弔金など)」「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)」の7つのみとされている。
☆→時間外労働
時間外労働<じかんがいろうどう>
決められた労働時間を超えて働くこと。労働基準法では、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えた勤務をさす。企業が法定労働時間を超えた勤務を命じるためには、従業員の代表と三六協定を締結し、労働基準監督署に届け出ておく必要がある。それにより、企業はその協定の範囲で時間外労働を命じることができるが、届け出なく時間外労働を命じたり、協定の範囲を超えた労働を命じると刑事罰の対象となる。
各企業では、就業規則等により、法定労働時間より短く所定の労働時間を決めることができる。その場合は、所定の時間を超えた勤務をさして「時間外」とよんでいる。時間外労働に対しては時間外手当を支給する必要があり、そのうち法定労働時間(1日8時間など)を超える部分は割増賃金の対象となる。
☆→時間外手当三六協定労働時間
時給・日給・月給<じきゅう・にっきゅう・げっきゅう>
それぞれ契約形態により、時間ごと、一日ごと、月ごとに支払われる給与の事。時給日給はパートやアルバイトの契約形態が多い。
事業<じぎょう>business、work
事業とは、ある目的を達成するために継続的に取り組む一連の仕事をさす。たとえば行政体が行う大きな仕事で、区画整備事業、防災対策事業、保育事業などと用いるほか、行政以外の組織でも共済事業、慈善事業などと用いる。
営利企業においては、利益の獲得を目的として継続的に行う経済活動とされる。しかし、1つの企業でもさまざまな活動を行っており、いくつの事業を営んでいるのかを捉えるのは難しい。
通常、営利企業における1つの事業は「誰に対して、どんな商品を、どのように売るのか」という活動のセットの単位で捉える。たとえば、ある鮮魚店では魚を売っているわけだが、近隣住民に対し、食卓用の鮮魚を、店舗で売る活動と、遠隔地の顧客に、贈答品用の水産加工品を、通信販売で売る活動を行っていたとすると、その鮮魚店は2つの事業を営んでいると捉える。
☆→企業経営
事業債<じぎょうさい>
☆→社債
事業部<じぎょうぶ>division
商品別・地域別・顧客別などで編成された利益責任を持つ経営単位のこと。通常、1社で複数の事業を営んでいるときに事業ごとに編成された組織を事業部制と呼び、企業内企業として事業部長に包括的な裁量権が与えられている。
一方、1事業のみ企業においても、コスト部門を除いたラインの収益部門に事業部という名称を付けているケースもある。
事業戦略<じぎょうせんりゃく>business strategy
通常、個々の事業単位の戦略をさし、製品市場の中での競争の仕方や優位性を創出するための方策全体を意味する。市場での競争は事業の単位で成立していると考えられ、競争相手の事業と自社事業を比較して勝てそうであれば直接競争し、勝ち目がないようであれば競争を回避する方策を選択することになる。しかしながら、1つの事業をどの単位で捉えるか、あるいはどの範囲だと定義づけするかは非常に主観的であり、実態としてどの単位で競い合っているのかを把握することも難しい。そのため、詳細なデータ分析に基づく事業戦略があたるとは限らず、先見力や発想力、あるいは機転やスピード、粘り強さなどが重要性を持つ場合も出てくる。
事業戦略は、事業の基本政策を決定するまでとする主張もあるが、その基本政策を実行に移すための具体的政策までを含んでいる。
☆→市場戦略実行戦略機能別戦略SBU
事業部制組織<じぎょうぶせいそしき>divisional structure
複数の事業を営む企業で事業単位に編成された組織のこと。各事業部には、営業、製造、開発、業務など、その事業に関連する機能を配置し、各事業が自己完結型で展開できる形態を基本としている。ただし中規模の企業では、製造や物流などの機能は全社で共通化し、営業と業務だけを製品別や地域別に編成して製品別事業部や地域別事業部と称しているケースもある。
事業部制組織では、事業ごとに必要な機能を配置し、事業に関する意思決定権を付与されていることから、事業単位で迅速かつ柔軟な展開が可能となる。そのため、顧客満足度が上昇し総売上の増大につながりやすい。その一方で、1つの機能が複数の部門に細切れに配置されることで、各機能の専門性が育ちにくく、コスト高となり利益率が低下しやすい傾向がある。
また、事業に関する損益責任は明確になるが、赤字事業が短期で見切られると新規事業が育ちにくくなるなどの指摘もある。
☆→機能別組織マトリックス組織
仕切り値<しきりね>at the market price
株や為替などの売買取引を第三者に委託する場合、指値注文と成行注文があるが、この成行注文で確定した価格のことを仕切り値という。
シグナリングsignaling
シグナリングとは、自分の情報を戦略的に開示すること。経済学では、取引において、相手が自分について十分な情報をもっていない(=情報の非対称性がある)とき、自分の立場を有利にするような情報(=シグナル)を相手に知らせる行動をいう。
例えば、米国の経済学者M.スペンスによれば、労働者は、労働市場において雇用者に自分の有能さを証明するために、コストのかかる学位を取得して提示しようとする。また、小売店が消費者に商品の品質の高さを証明するために返品保証をつけることも、シグナリングの一種とみなすことができる。
☆→ゲーム理論スクリーニング情報の非対称性
自己啓発<じこけいはつ>SD/Self Development
個人が自発的な意思で行う学習、能力開発のこと。自主的な読書や通信教育、勉強会を行うといったものが挙げられる。
自己効力感<じここうりょくかん>self-efficacy
人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のことを自己効力感という。
心理学者のバンデューラが唱えた概念で、動機づけに大きな影響を及ぼす要因の1つと考えられている。
自己効力感は、その行動を実際に始めるかどうか、どのくらい努力を継続するか、そして困難に直面したときにどのくらい耐えられるか、ということを決定づける。
自己効力感を高める方法として、成功体験 、代理体験(同じような能力の人間が努力し成功しているのを見る)、 言語的説得(励まされる)、生理的状態(心身の状態が良好なこと)の4つが挙げられる。この中でもっとも強い効力感が期待できるのは成功体験だが、その場合、たやすく成功するのでは意味がなく、忍耐強い努力によって障害を乗り越える体験が必要とされる。
自己資本<じこしほん>tangible net worth
自己資本とは、貸借対照表の資本の部をさし、企業の元々の出資額である資本金や経営活動によって生まれた剰余金からなる。これらは、企業が調達したすべての資本のうち、自分で調達した部分という意味で自己資本とよばれる。また、それらは株主の持ち分であることから株主資本ともよばれ、さらに企業の総資産のうちで負債によらない部分という意味で純資産とよばれる。資本の部、自己資本、株主資本、純資産は、すべて同額となる。
☆→他人資本株主資本純資産総資本
自己統制<じことうせい>SD/Self Development
担当者自身が、自分で自分の活動を管理しながら仕事を進めること。目標管理(MBO)では、担当者が自ら目標を設定することで自発性と責任感が生まれ、上位者が細かな指示やチェックをしなくても自ら創意工夫をしながら目標達成に向けて努力するようになると主張されている。
自己マスタリー<じこますたりー>personal mastery
個人が自己の将来像と現状との落差を見すえ、積極的に学ぶようになる過程のこと。米国の経営学者 P.センゲは、これを「学習する組織」にとって不可欠な条件の1つとした。「マスタリー」は英語で「熟達」を意味する。
自己マスタリーには知識やスキルの習得だけでなく、心の成長も必要とされる。自己の将来像と現状との落差を知ることは、個人の心に緊張をもたらす。センゲによれば、この緊張こそが将来像と現状との落差を埋めようとする努力を促すものであり、その努力の過程で心は成長し、人生を受け身ではなく創造的に生きられるようになるという。こうした心の成長を促すのに適度な緊張のことを、センゲは創造的緊張とよぶ。
☆→学習する組織5つのディシプリン

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資産<しさん>asset
ある時点における会社が保有している財産。貸借対照表上では左側に記され、負債と資本によって調達したお金の運用状態を表している。
☆→負債資本総資産純資産
市場<しじょう>(マーケット)market
売り手と買い手が出会って商品やサービスの取引が行われる場所、または領域の総称。1つの企業は、自社の製品やサービスを販売する製品市場だけでなく、原材料を調達したり、業務を委託する原材料市場、従業員を雇用する労働市場、資金を調達したり運用したりする資本市場(金融市場)の4つの市場と関わっているとされる。
☆→製品市場
市場細分化<しじょうさいぶんか>(マーケット・セグメンテーション)market segmentation
ターゲット・マーケティングの最初のプロセスで、市場全体を何らかの基準によって細かく区分すること。フィリップ・コトラーによれば、細分化の基準としては、地理的変数、人口動態的変数、心理学的変数、行動変数などがあるとされている。
☆→ターゲット・マーケティング
市場選択戦略<しじょうせんたくせんりゃく>
自社の事業で標的とする市場を選択する際の戦略、またその考え方。市場を細分化せず、また細分化したとしても全ての市場に同一の対応をしていく場合、非差別化型マーケティングと位置づけられる。
一方、細分化した市場のうち複数を対象にする場合は差別化型マーケティング、さらにその1つだけに的を絞る場合は集中化型マーケティングと位置づけられる。
☆→標的市場の選択
市場戦略<しじょうせんりゃく>market strategy
企業の製品市場における活動全体を方向づけるための戦略をさす。通常、1つの事業に関する戦略を事業戦略とよぶことと区別し、複数の事業を束ねた市場活動全体の戦略に対して用いられる。戦略の構成に関しては明確な定義があるわけではないが、事業ビジョンや事業ドメインの設定、事業の単位の決定と事業の選択、ポートフォリオの設定、および各事業の事業戦略などが含まれる。
企業が1つの事業しか営んでいない場合でも、今後も単一事業で展開するのか、あるいは何らかの方向に展開させていくのかなどの検討は、市場戦略のレベルの議論とみなすことができる。なお、市場戦略は、財務との関係を捉えると限界利益率や財務の流動性との関連が深いとされている。
☆→経営戦略事業戦略成長戦略
指数/指数分析<しすう/しすうぶんせき>
指数とは、ものごとの性質や状態を端的に表すために数値化したもの。例えば不快指数などがある。
経営や経済の分野では、ある時点からの変化や傾向を捉えるための分析として指数分析が行われる。特定の指標について、起点となる時点を100とし、一定期間後の値をそれと比較した数値で表し変化を捉える。通常は少数点以下を四捨五入した整数で表す。
自然検索<しぜんけんさく>organic search
自然検索とは、検索エンジンを使って検索キーワードと関連性の高いWebサイトなどの情報を表示させること。2002年頃からGoogleなどによってリスティング広告(検索連動型広告/PPC広告)が開始されて以降、これと区別して、Webマーケティングの分野において本来の検索機能およびその検索結果をこう呼ぶようになった。オーガニック検索と呼ばれることもある。
また、自然検索でWebサイトを上位に表示させるために行う施策をSEOという。
☆→SEOリスティング広告
自尊感情<じそんかんじょう>self-esteem
自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情のこと。アメリカの心理学者ジェームスによれば、自己概念に対する自己評価の感情であり、自尊感情の高低は「達成度/本人の願望」という式(つまり本人の願ったものがどの程度うまくいくか)によって決まってくるという。
学習行動においては、自尊感情が高い人は困難に出会っても粘り強く努力するが、自尊感情が低い人はすぐにあきらめてしまう傾向がある。
また対人関係においては、自尊感情の高い人は、他人からの賞賛や批判にさほど左右されず感情が安定しているが、自尊感情の低い人は、ほめられるとその相手が良い人に思え、けなされると悪い人に思えるようなところがあり、感情的にも不安定な傾向がある、とされる。
下請法<したうけほう>
独占禁止法の特別法で、「下請代金支払遅延等防止法」の略。下請取引の公正化及び下請事業者の利益を保護することを目的とし、1956年に制定。2003年に改正案が成立し、2004年4月より適用となった。主な改正内容は以下のとおり。
○下請の対象として、従来の「物品の製造及び修理に係わる下請」のほか、次の取引が追加された。
  • 情報成果物(プログラム、番組、デザイン等)の作成
  • 役務(運送、ビルメンテナンス)の提供
  • 金型の製造
○親事業者の禁止行為として以下の行為が追加された。
  • 下請事業者にモノの購入や役務の利用を強制すること
  • 金銭、労務等を提供させ、下請事業者の利益を不当に害すること
  • 不当なやり直しなど。
また、違反行為があった場合の措置が強化され、罰金の上限が引上げられるなどの改正が行われた。
なお、下請法の適用対象となる範囲は、当事者の「資本金」と「取引内容」の関係から規定される。
★詳しくは→下請法トップページへ。
時短<じたん>reduction in working hours
労働時間短縮のこと。労働基準法の週40時間制を受け、あらゆる企業に、時短に向けての努力が課せられている。この実現のためには、いかに労働生産性をあげて、コストを押えるかがポイント。
☆→労働時間
しつけ(5S用語)
一般用語では、礼儀作法や言葉遣いを身に付けさせることを意味する。
5S活動においては、他の4つの活動で決められたルールを守れるように、習慣付けることとされている。新しい習慣が身に付くまでには、注意や指導も必要となるため、しつけは管理監督者による指導の活動と見なされる。しかし一方で、ルール自体が現状と乖離していたり、守りづらい状態になっていることもある。そこで、ルールや環境を見直し、改善していくといった問題解決の活動もしつけの段階の重要な要素に含まれる。
☆→5S(5S活動)
実行戦略<じっこうせんりゃく>
事業戦略の一部で、事業の基本政策にしたがって実行に移すための戦略をさす。通常、各事業の基本政策に応じて最適のマーケティング・ミックスを組み、諸活動の一貫性や整合性を確保できるような政策決定を行う。
事業戦略における基本政策が事業の「ねらい目」を決める戦略だとすると、実行戦略はその「やり方」を決めるオペレーションレベルの戦略だとみなすことができる。
☆→事業戦略機能別戦略マーケティング・ミックス
執行役員<しっこうやくいん>(corporate)officer
代表取締役の指揮下で特定の部門の業務執行に専念する職務のこと。多くの企業では役員として処遇されていることが多いが、2006年に施行された新会社法では「重要な使用人」として定義された(会社法362条4項3号)。
執行役員制度は、取締役会の問題点を解決するための施策として生まれたポストで、日本ではソニーが先駆けとなった。取締役会とは本来、株主の利益を守るために経営全般を監督する立場にある。しかし日本の企業では、社員が昇進して社内取締役になり「取締役○○部長」のように業務執行を兼ねている場合が多かった。また、取締役の人数も多くなりがちなことから、取締役会が本来の機能を果たせず、意思決定にも時間がかかる傾向にあった。
そこで、経営全般を監督する取締役と特定部門の業務執行にあたる執行役員を切り分けることで、取締役会における本来の機能を復活させることをねらった。
なお、委員会設置会社における執行役はここでの執行役員とは異なり、役員に位置づけられる(会社法402条)
☆→役員取締役会
シナジー(効果)synergy effect
相乗効果。2つの要素(製品や事業など)が結びついた時、単純な合計以上の効果が得られることをいう。H・I・アンゾフは、事業の多角化を図る場合、それぞれの事業を単独で展開するよりも、経営資源を共有できる多角化の方が経済効果が大きいことを強調した。
例えば複数の事業間で、設備や販売チャネルの共同利用や、大量一括仕入れ、技術の応用などが図れれば、それだけ経済効果は大きくなる。
☆→範囲の経済
四半期<しはんき>
半期をさらに二等分した3ヵ月を四半期と呼ぶ。4月1日〜3月31日が1会計年度ならば、4月〜9月までが上期、10月〜3月が下期。4月〜6月が第1四半期、7月〜9月が第2四半期となる。
指標/経営指標<しひょう/けいえいしひょう>
指標とは、ものごとの状態を捉えるための切り口として、それを特徴づけている項目のこと。経営の状態を捉えるための項目を経営指標と呼ぶ。通常は財務的な数値や比率が用いられる。
例えば、経営の総合的な状態を表す代表的な指標としては「総資本経常利益率」がある。
資本<しほん>capital
会社が事業を営んでいくための元手となるお金。株主からの出資によるものを資本金といい、それに自社で稼いだ利益を蓄えたお金を加えたものを自己資本という。
また、銀行からの借金など、第三者から調達し返済義務があるものを他人資本と呼び、自己資本と他人資本を合わせたものを総資本という。
☆→資産自己資本他人資本総資本
資本金<しほんきん>capital stock
資本のうち、株主が出資した金額のこと。商法では、原則として発行済株式の発行価額の総額を指し、これは法定資本金とも呼ばれる。
日本では、1991年の商法改正時に最低資本金規制が導入され、会社設立に必要な資本金として、株式会社は1000万円、有限会社は300万円と定められた。その後、2006年の新会社法において規制が撤廃され、株式会社および合同会社を資本金1円で設立できるようになった。
☆→新会社法合同会社
資本コスト<しほんこすと>cost of capital
企業が、資本(自己資本と負債)を調達するためにかかるコスト、つまり資金の提供元に支払う対価のことをいう。
自己資本を調達するためのコストには、株主への配当金や配当金相当の利益にかかる税金が該当する。負債に要するコストとは、主に金利や手形の割引料のことをさす。
資本コストは、資本と負債のそれぞれに対するコストの加重平均(WACC)で表される。
資本財capital goods
資本財とは、生産活動で利益を産み出す元になる財のことをいう。産業財、生産財と同義で用いられ、消費財の対義語となる。ただし、土地は含まない。
資本財というときには、さらに流動資本財と固定資本財の2つに分類される。流動資本財は原材料や部品などで、加工され短期間で出荷される財をさす。これに対し固定資本財は、生産を行う建物、生産設備など、長期間組織にとどまって生産活動に使用される財をさす。
☆→産業財生産財
資本集約型産業<しほんしゅうやくがたさんぎょう>capital-intensive industry
事業活動を営む上で、労働力より資本設備への依存度が高い産業のこと。一般に固定資本の占める割合が高い。これに対し、労働力への依存度が高い産業を労働集約型産業という。鉄鋼、石油、化学など、大きな設備投資を要する重化学工業や装置型産業が資本集約型の典型的な例。
☆→知識集約型産業

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資本生産性<しほんせいさんせい>productivity of capital
付加価値額/総資本。
投下した資本が生み出す付加価値額をみる指標。通常、固定資産(生産設備など)への投資額と生産量の割合をみる。
資本生産性をあげるためには、設備の利用度や労働能率を上げる他、原材料費削減、外注加工費の効率化、高付加価値商品の開発などによって付加価値そのものを上げる、といった方策が考えられる。
事務フロー<じむふろー>
☆→業務フロー
事務マニュアル<じむまにゅある>
☆→業務マニュアル
締日<しめび>
期間の取引の合計をする期日のこと。会社ごとに月次の締日が設定されている。例えば「月末締めの翌25日払い」というのは、請求書などを月末で一度合計して、翌月の25日に支払うということ。
社会人基礎力<しゃかいじんきそりょく>
経済産業省が定めた能力の評価基準のことで、基礎学力や専門知識とは別に、仕事をするうえで求められる基礎的能力をさす。具体的には、積極性に関わる「前に踏み出す力(アクション)」、問題解決に関わる「考え抜く力(シンキング)」、コミュニケーションに関わる「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力とそれらを構成する12の要素からなる。
単純作業の機械化や市場ニーズの多様化といった近年のビジネス環境の変化に対応するため、政府は、職場で求められる能力を明確に定義し、学生の就職活動と企業の人材採用の双方に役立つ評価基準とした。こうした能力を基準にすることで、学生は的確な自己分析や自己アピールが可能となり、企業では「求める人材像」の提示や、採用後の育成と連動した採用活動の効果的な実施が可能になるとされる。
★詳しくは→ 経済産業省「社会人基礎力について」のページへ。
社会的学習理論<しゃかいてきがくしゅうりろん> Social learning theory
他者の行動の観察に基づく学習についての理論。それ以前の学習理論では、学習者自身の行動に対し何らかの刺激が加わることによって学習が成立するとする、直接経験による随伴学習が主な研究対象とされていた。それに対し社会的学習理論は、学習者の直接経験だけでなく、他者の行動の観察や模倣によっても学習が成り立つ点に着目した。
たとえば、幼児に積木を色や形で分類する課題を行わせるとき、はじめから自分でさせるよりも、先に大人が行うのを見せてからさせるほうが学習がはかどるという。このとき、幼児は大人をモデルとしてその行動を観察・模倣し、分類の仕方を身につけていくと考えられる。
☆→オペラント条件づけ
社会保険<しゃかいほけん>social insurance
健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険のように、国が法律である一定の条件に当てはまる職域・地域の人々に強制的に適用する。不慮の事態の際の労働者とその家族の生活安定が目的で、費用は政府・使用者・労働者の三者が負担する。
社債<しゃさい>industrial bond/corporate bond
一般に、民間企業が発行する事業債をさす。企業が、長期的な資金を広く市場から調達するための手段として発行する債券のこと。
投資家が企業に出資する株式と異なり、企業に資金を貸す形態をとるため、企業にとっては負債となる。よって会社は一定期間後に、投資家に対して元金を償還する(債務を弁済する)義務がある。
ジャスト・イン・タイムjust-in-time
JIT(ジット)とも呼ばれる。「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」生産(供給)するという思想で、トヨタ生産方式の原点といえる。在庫を圧縮し、短納期、多品種・少量生産、コストダウンの実現をめざすもの。
この思想を実現するためのしくみとして、トヨタのかんばん方式が発案された。JITの考え方は、生産過程だけでなく物流などにも取り入れられている。
重加算税<じゅうかさんぜい>
納税申告において、課税標準または納付すべき税額の基礎となる事実を隠ぺいまたは仮装し、故意に実際よりも少ない納税額の申告書を提出した場合などに課される税金のこと。
申告税額が過少だった場合は、過少申告加算税に加え、追加納税額の35%が課される。
申告をしなかった場合は、 無申告加算税に加え納税額の40%が課される。
☆→過少申告加算税無申告加算税
住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)<じゅうきねっと>
住民基本台帳に登録されている日本国民全員に11桁のコードを割り当て、本人確認情報(基本的に、氏名・住所・性別・生年月日の4情報)をネットワークを介して一元管理を可能とするしくみ。2002年8月5日より稼働。
政府は、これにより事務処理の簡素化や住民の負担軽減などをうたっている。しかし、個人情報が流出する危険性が高いことや、行政の裁量次第で情報の利用範囲がなし崩し的に広がる恐れがあるなど、問題点を指摘する声が大きい。
★詳しくは→INTERNET Watchのページ総務省のページ北海道新聞のページへ。
従業員持ち株制度<じゅうぎょういんもちかぶせいど>
☆→持ち株制度
就業規則<しゅうぎょうきそく>
賃金や労働時間、休暇などの労働条件や、働くうえでのルールを取り決めたもの。常時10人以上の労働者を使用する場合、使用者は必ず作成し、労働基準監督署長に届け出なければならない。また、変更に際しては労働者に意見を聴取すること、就業規則を周知させることも義務づけられている。 なお、労働基準法や労働協約に反する就業規則は無効となる。
☆→労働基準法労働協約
集合研修<しゅうごうけんしゅう>Classroom Training
集合研修とは、受講者が特定の教室に集まって行う教育研修の形態をいう。職場内で実施されるOJTに対し、集合研修が職場を離れて行うことから、Off-JT(off-the-job training)とよばれることも多い。
集合研修は研修の形態をさす言葉で、1つの企業内で自社の従業員だけが集まって行うものや、複数の企業を対象に公開形式で行うものも含むが、教育機関によっては前者の企業内研修だけを集合研修とよび、後者は公開セミナーと使い分けていることもある。また、研修の方法は講師による講義が一定の割合を占めるが、グループ討議などの演習と組み合わされることが多い。
☆→研修事務局研修講師レッスンプラン
修正申告<しゅうせいしんこく>
納税申告者が、申告した税額が実際よりも少なかったことに気づいたとき、その誤りを自主的に税務署に申告すること。
税務調査で指摘されて修正申告することが多いが、その場合は、本来の税金以外に過少申告加算税が課される。
修正申告をした場合は税務署への異議申し立てはできなくなる。
☆→過少申告加算税
集団思考<しゅうだんしこう>groupthink
集団思考とは、集団が合議によって意思決定を行うとき、集団の強い結束がマイナス方向に作用して、メンバーが個人で決定を下す場合よりもしばしば愚かで不合理な決定を行ってしまう傾向のこと。心理学者のジャニスは、米国の歴代大統領とそのブレーンが犯した政策判断のミスを分析し、その要因となった集団心理の特徴を示すのにこの概念を用いた。集団的浅慮とも訳される。
集団思考は周囲から孤立した一枚岩の集団内で、自集団の過大評価および他集団の過小評価、そして多様な意見への抑圧などが生じたときに起こりやすいといわれる。そのため、これを防ぐ手段として、1つの問題を複数の集団で検討したり、メンバーのうち少なくとも1人が批判的な意見を言う役割を引き受けることなどが有効とされる。
集中戦略<しゅうちゅうせんりゃく>focus strategy
競争する市場を狭く限定することで競争優位を実現しようとする戦略で、業界内で競争相手より規模が小さい企業に適しているとされている。マイケル・E・ポーターの競争優位の戦略の1つ。
集中戦略では、限られた経営資源が分散しないように特定の顧客層、製品、流通チャネルなどに特化して、経営資源を集中投入する。それにより、その限定した市場においては競争相手より経営資源の厚みがつくようにし、競争優位を実現する。
集中戦略には、余分な取り組みをやめてムダを排除し、狭い市場分野で繰り返し活動することで効率化を図っていく「コスト集中戦略」と、特定の顧客の特異なニーズに徹底的に対応することで差別化を図る「差別化集中戦略」がある。
☆→競争優位の戦略
収入印紙<しゅうにゅういんし>
政府が発行する証票で、手数料や税金、罰金などの納付のために使用するもの。
納付者が、納付する金額分の収入印紙をあらかじめ購入し、文書に貼付する。これに消印することにより、手数料や罰金、税金の支払いが完了するしくみとなっている。
収入印紙は市役所や郵便局の窓口、印紙売りさばき所などで購入することができる。購入後は切手などと同様に保管することができ、会社においては資産とみなされる。
☆→印紙税
主資材<しゅしざい>main material
製品を生産する場合の原材料のこと。生産過程に投入され、加工されて製品の一部となる。主に素材をさしている場合が多いが、主資材、副資材と区分する文脈では部品も主資材に含む。
直接材(直接材料)とほぼ同義で用いられる。
☆→副資材
受注・発注<じゅちゅう・はっちゅう>
受注とは、品物や仕事の注文を受けること。
発注とは注文を出すことで、品物や仕事の依頼をすること。
出荷<しゅっか>
製品ないし商品が、自社から顧客や市場(しじょう)に向かって出ること。また、倉庫から品物を搬出することを出庫といい、この場合の搬出先は顧客以外に、自社の店頭、営業所、他の倉庫の場合もある。
売上計上基準に出荷基準を採用している会社の場合は、出荷と同時に売上が計上される。
☆→入荷
出勤<しゅっきん>
仕事をするために勤務先に出ること。または出ていること。本来は、仕事をすることを目的としているため、休日に仕事以外の目的で会社に出ても出勤とはならないし、労働日でも会社に到着しただけでは出勤とはならず、業務を開始した時点で出勤とみなされる。しかし、始業時刻よりかなり早く出てくることを義務づけられ、かつ始業時刻前に業務を始めても、勤務した時間(早出の時間外)として取り扱われていないことが多い。そのためか、出勤時刻というときには始業や実際の業務開始とイコールではなく、それらより前の、勤務先に到着した時刻や到着すべき時刻をさして用いられているケースが多い。
☆→出社・帰社・退社欠勤通勤
出庫・入庫<しゅっこ・にゅうこ>
荷物・商品の出入り。倉庫などに自社の商品や他社からの購入・仕入れ商品が出入りすること。
出し入れするためには出庫伝票、入庫伝票などを伴う。
出向<しゅっこう>
会社に籍を残したまま、社外の組織(子会社、関連会社、提携先など)へ人事異動すること。元の会社の従業員としての身分は保持されたまま、出向先の指揮命令下で仕事をする。これに対して移動した組織へ籍も移してしまう場合には、転籍という。
☆→転籍

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出社・帰社・退社<しゅっしゃ・きしゃ・たいしゃ>
勤め先へと赴くことを出社。出先から会社に戻ることを帰社。勤務時間が終わって会社から出ることを退社という。退社は会社を辞めるという意味で使われる場合もある。(=退職)
☆→出勤
受動的傾聴<じゅどうてきけいちょう>
☆→パッシブリスニング
ジュニアボード
ボードとは役員会を意味し、社内の若手〜中堅クラスの社員を対象とした疑似役員会のことを指す。(「青年重役会」などとも呼ばれる)
経営に若手や中堅社員の斬新な意見を取り入れて組織の活性化をはかったり、経営感覚を身につけるための人材育成を目的に導入されるケースが多い。
順機能と逆機能<じゅんきのうとぎゃくきのう>function and dysfunction
ある事象が社会体系のなかでもつ働きのことで、順機能とは集団や制度の維持やその目的に対してプラスの作用をさし、逆機能とはマイナスの作用をさす。
社会学者のマートンによれば、官僚制の組織では職務の専門分化によって決定事項の効率的な執行が可能となっているが、同じ専門分化という特色のためにセクショナリズムやなわばり意識といった弊害も生み出しているという。この弊害となっている側面をマートンは官僚制の逆機能であると指摘した。
☆→官僚制セクショナリズム
準拠集団<じゅんきょしゅうだん>reference group
個人が価値基準や行動規範を得ている集団のこと。個人の判断や行動はその人が何(誰)を準拠集団としているかによって大きく左右される。準拠集団として選択されるのは、所属集団(帰属集団)の場合もあれば、非所属集団の場合もある。また、集団に限らず、特定の個人が想定される場合もある。
☆→規範的準拠集団比較準拠集団
純資産<じゅんしさん>net assets
純資産とは、企業のすべての資産の総額から、負債の額を差し引いた金額のことを意味する。この金額は企業の自己資本と同額となるため、純資産と自己資本は同義となる。
☆→自己資本資産総資産
春闘<しゅんとう>spring offensive
春季生活闘争のこと。毎年春に労働組合によって行われる賃金闘争のこと。近年は賃上げ要求だけでなく、労働条件の改善を掲げるなど、時代の変化に応じて交渉内容も変化してきている。
順応<じゅんのう>adaptation
人が自分の内的状態や機能および行動を生活環境に適合させること。1)感覚的順応と、2)社会的順応がある。
1)は、感覚器官が一定の刺激を受け続けた結果、その刺激に慣れ、感覚の質・明瞭さ等が低下することをさす。たとえば、明るい場所から暗い場所に移ったとき目が見えなくなる。しばらく経つとその中でもある程度目が見えるようになる。これを暗順応といい、逆の場合を明順応という。2)は適応と同義。
ジョイント・ベンチャーjoint venture
共同企業体といわれる。複数の企業が相互の利益のために共同で事業を行うこと。ジョイント形態の代表的な例に、大規模な建設工事などにみられる共同事業がある。また、共同出資によって合弁会社や施設を設立し、技術や人材、設備等を提供しあう場合もある。
★詳しくは→国際ジョイントベンチャーの不安定性に関する実証研究/牛丸氏へ(PDFが開きます)。
情意的領域<じょういてきりょういき>affective domain
ブルームらの教育目標分類の1領域。教育内容に対する態度・価値観の形成に関する目標からなる。以下のような階層をもち、各階層にはさらに細かい目標が設定されている。
  1. 受容 …… ある対象から刺激を感じ、進んでそれを受け入れる
  2. 反応 …… 対象に積極的・能動的に反応し、注意する
  3. 価値づけ …… 対象のもつ価値を自覚し、主体的にかかわる
  4. 価値の組織化 …… 2つ以上の価値を組織立て、中心となる価値を設定する
  5. 価値あるいは価値組織による性格化 …… 価値観が行動を統御する
☆→教育目標分類認知的領域精神運動的領域
紹介予定派遣<しょうかいよていはけん>temp to hire
就職を希望する人材と、採用を予定している企業とを引き合わせ、社員雇用を前提として人材派遣を行うこと。一定の契約期間を派遣労働者として働いた後、労使双方の合意の上で採用が決定される。
この紹介予定派遣は、労働者派遣事業と職業紹介事業の両方の許可を受けた派遣会社のみが行える。また、労働者派遣法で禁止されている職種については行うことができない。
☆→労働者派遣法
昇格・昇進<しょうかく・しょうしん>
一般に、昇格とは、組織内の資格制度において、現在の資格(等級)から上位の資格(等級)に格付けされること。昇進とは、現在の職位(役職などのポスト)より上位の職位に任用されること。
商圏<しょうけん>trading area
スーパー等の商業施設における、潜在的に対象とするお客様がいる地域のことを指す。
商圏は、その施設からの距離だけでなく、交通事情を考えた時の所要時間なども含めて、施設の業態や取扱商品との関連を踏まえて設定される。
インターネットビジネスにおいては、物理的な制約が取り払われたことで、商圏の概念がグローバルに広がったとされる。
証券化<しょうけんか>securitization
債券や不動産などの資産を、証券にして売り出すこと。将来的に生み出すであろうキャッシュフローを配当などにあてる。多額の設備投資を必要とするプロジェクトを手がける場合の、資金調達の手段とされることが多い。
例えば、マンションやホテルの建設や、映画などのコンテンツ制作などにかかる費用の一部が証券化される場合がある。
商社<しょうしゃ>trading company
卸売業者、中間流通業者。また、特に貿易を中心とした企業を指す。その代表格である総合商社は日本経済と海外の重要な橋渡しの役割を担っている時代もあったが、経済構造の変化や独自に商社機能を持つメーカーも登場し始め、厳しい時代を迎えている。
上代・下代<じょうだい・げだい>
商品の小売価格として設定された価格(定価)を上代、それを小売店が仕入れるときの取引価格(卸値)を下代と呼ばれている。

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商談<しょうだん>
お得意先・見込客などに対して、商品・サービスの取引を納得してもらうための交渉、相談の場。営業活動には欠かせない。
象徴的(シンボリック)相互作用論<しょうちょうてき(しんぼりっく)そうごさようろん>
事物に付与された「意味」「象徴」を読み取ることで、人間の行動と社会の成り立ちを理解しようとする理論。ブルーマーを中心とする社会学者たちが提唱した。
人間は、あらゆる事物に何らかの「意味」や「象徴」を付与し、それに則して行動する。この「意味」「象徴」は、個人と外界との相互作用の中でさらに加工され、また新たな行動基盤となっていく、とする理論である。
80年代にはホルブルックらにより、マーケティング研究における消費者行動研究の分野にも導入され始めた。このことは、近年のマーケティング調査においてケース・スタディが重要視されていることのひとつの背景となっている。
使用人兼務役員<しようにんけんむやくいん>
税法上の規定で、会社の役員のうち、部長や課長などの使用人としての職務を兼務している人のことをいう。代表権を持つ役員や常務以上の肩書きの役員、監査役などは、使用人としての職務を行っていても使用人兼務役員とはならない。
法人税法では役員給与は損金不算入を原則としているが、使用人兼務役員の使用人部分の給与は損金として処理できる。
☆→役員役員給与
消費財<しょうひざい>consumer product
家計によって消費される財やサービスをさす。財やサービスはその使途による分類で、一般消費者が購入し消費されるものをいう。これに対し、生産者が購入し生産活動で用いられる財やサービスは生産財(もしくは産業財)に分類される。
財やサービスは、その使用期間によっても分類され、使用期間が長いものは耐久財、短いものは非耐久財とされる。
消費財の場合には、さらに消費される期間によって分類され、長期間にわたって使用され消費されていくものは耐久消費財、1回で消費してしまうものや1年程度の使用で消耗するようなものは非耐久消費財に区分される。
☆→耐久消費財非耐久消費財
消費者<しょうひしゃ>consumer
個人的な消費を目的として商品やサービスを購買、あるいは入手するすべての個人および世帯。
消費者物価指数<しょうひしゃぶっかしすう>consumer price index
全国の消費者世帯が購入する商品とサービスの物価(=消費者物価)の動きを示す指数。家計支出の中でも重要度や購買頻度が高く、継続的に購入されている代表的な品目について算出され、総務省によって毎月公表されている。
インフレの程度を見るための物差しともされることもある。
☆→物価指数
証憑<しょうひょう>voucher
証憑とは、取引の証拠となる書類のこと。例えば、契約書、注文書、納品書、請求書、領収書などがある。特に会計上、帳簿や伝票に記載された取引が実際にあったか、取引の内容が正しいかなどを証明する資料として用いられる。
経理処理で用いる証憑は、商法および会社法では10年間、税法では最大7年間の保存が義務づけられている。
☆→エビデンス
商標<しょうひょう>trademark
企業が、自社の商品やサービスを、他社のそれと区別するために表示する名称やマークのこと。商標法によって保護されている。これにより使用者の信用やイメージを維持し、消費者の利益を保護することを目的としている。
商品と製品<しょうひんとせいひん>goods/merchandise・product
一般には同義として用いる場合が多い。特に市場で売買の対象としてとらえるときには「商品」と呼び、製造されたものという点に注目したときに「製品」と呼ばれている。
自社製品、他社製品は、自社または他社が製造したもの。また他社製品も自社が仕入れて販売するときには、自社商品となる。
商品(製品)のポジショニングproduct positioning
競合品との関係の中で、自社商品のポジションを明確にすること。顧客がその商品をどのようなものと感じているか、その意識の中での位置づけを商品のポジションという。その顧客が感じる商品のポジションが、他のどの商品より自らのニーズに合っていると感じるように自社商品の特性を設計していくことを指す。
通常、標的市場で対象とする顧客が持つニーズをとらえ、自社商品が圧倒的に優位になるところか、他社商品の空白となっているところをねらってポジショニングを行う。また、顧客がその商品の特性を識別しやすいように、ブランドやネーミング、パッケージデザインなどを工夫していく。
☆関連→ターゲット・マーケティング
情報の非対称性<じょうほうのひたいしょうせい>information asymmetry
取引や契約の当事者間にある情報格差のこと。対称とは釣り合いが保たれた状態のことであり、非対称とは釣り合いのとれていない状態のことである。つまり、情報が非対称であるとは、当時者間でもっている情報が釣り合っていない状況を意味する。
例えば新品の製品の取引であれば、品質や性能がカタログ等によって示されており、価格を決定する情報は、売り手と買い手との間で「対称」であるといえる。それに対し、中古品の場合は、個体ごとに使用年数、摩耗や損傷の有無や程度などの情報が複雑であるため、価格を決定する品質情報に関して、売り手と買い手との間に非対称性が存在する。こうした場合、買い手は価値の低い中古品を、そうとは知らずに高い価格で買ってしまうことがある。しかし、後になって自分が損な取引をしたことに買い手が気づき、他の買い手も購入に対して慎重になると、中古品が売れなくなる可能性が出てくる。そこで売り手は、情報公開や何らかの品質保証を求められることになる。このように、市場に情報の非対称性が存在する場合、その市場ではさまざまな問題が生ずる。逆選択やモラル・ハザードなどはその代表例とされている。
☆→逆選択モラル・ハザード
情報リテラシーinfomation literacy
リテラシーとはもともと「読み書き能力」のこと。文明社会を生きていくための基礎能力という意味にも位置づけられており、情報化の進展とともにリテラシーの内容も変化してきている。
情報リテラシーとは、今日の高度情報社会において、提供されるサービスや情報を活用したり、コミュニケーションを行ったりするための基礎能力をいう。つまり、コンピュータ操作やネットワークの知識に加え、情報を収集しそれを評価し活用する能力が必要とされている。
また情報リテラシーは、コンピュータリテラシーやメディアリテラシーの延長にあり、これらを総括した概念とも捉えられる。
☆→コンピュータリテラシーメディアリテラシー
消耗品<しょうもうひん>
消耗品とは、コピー用紙、文具類、封筒や便せん、洗剤、潤滑油など、会社で使用するもので、1回限りで使い切ったり使うにつれ量が減るようなものをいう。長期間にわたりその形状を変えずに繰り返し使用できる機械設備や机や椅子などの備品と区別される。
消耗品は購入するとすぐに使用する(1年以内に消耗する)のが前提のため、購入時点で消耗品費として損金処理することができるが、ストックを多く抱える場合は貯蔵品の一部として資産に計上する。
☆→備品
賞与<しょうよ>bonus
ボーナスの意。一般に年2回、夏季(6〜7月)と年末(12月)に支給される、数カ月分の給料に相当する一時金をさす。そのほか、業績のよかった年の決算時に決算賞与、特別の貢献に対して特別賞与などを支給する企業もある。
剰余金<じょうよきん>surplus
決算をして最終的に残った金額のこと。ただし会計学上と商法上とでは多少意味が異なる。会計学上の剰余金とは、自己資本から資本金を除いた分をいい、資本剰余金と利益剰余金とに分けられる。
商法上の剰余金とは、自己資本から資本金と法定準備金を除いた分をいう。
☆関連→資本金法定準備金
商流(商的流通)<しょうりゅう>
生産者と消費者の間を取り持ち、価格を決めたり商品の売買で所有権を移転するといった商取引活動。
職位<しょくい>position
主任、課長、部長など、その団体・会社が決めた形式的な階級の呼称。ポジション。これに対し、総務部長、営業所長、経理課長など、具体的な個別の職位のことをポストという。
職能<しょくのう>
職能とは、本来は職務遂行能力の意味であり、その短縮形として用いられる。そこから発展し、特定の専門的な能力を持つ職種、階層、職業の意味で用いられ、職能部門、管理職能、職能団体などと表現される場合もある。逆にある職務や機構が持っている特定の役割や機能をさして、「管理者の職能」「経営委員会の職能」などと表現されることもある。
☆→職務遂行能力職能資格制度
職能給<しょくのうきゅう>
職能給とは、職務遂行能力の程度に応じて決定する給与をいう。通常、その人の職務遂行能力をランク付けした職能等級や職能資格に応じて水準や範囲が決定され、その範囲の中を毎年の評価によって昇降するしくみとなる。通常は職能等級や職能資格ごとに賃金表(号俸テーブル)が作成され、評価ランクに応じて所定の号数分を昇降する方式が多い。しかし、評価ランクごとの金額を決定した洗い替え方式や評価ランクごとの昇給額のみを明示した昇給表方式など、バリエーションも多い。
職能給はその人の能力を判定して給与額が決まるため、部署を異動したり担当職務が変わっても直接給与額は変らない。そのため、ローテーションが多い日本企業に適した側面はあるが、給与額が仕事ではなく人に連動し、年功的な運用となりやすい欠点があると指摘されている。
☆→職務遂行能力号俸/号俸テーブル
職能資格制度<しょくのうしかくせいど>
人事制度の形態のひとつで、能力主義にもとづく制度をさす。社員をその職務遂行能力の発展段階でランク付けし、それに応じて処遇を決定する。ランク付けしたものを職能等級または職能資格とよび、それぞれのランクに1等級、2等級という名称や主事、参事といった資格名称がつけられる。職能等級が用いられている制度の場合、職能等級制度とよばれることが多いが、職能資格制度と称するものもある。
職能資格制度は、職能等級や職能資格を中心とした賃金制度、評価制度、教育制度などの人事制度全体をさしているが、1つの人事制度の中では職能資格のランク付けと昇降のしくみの部分だけをさしてよぶこともある。
☆→職務遂行能力職能
職能等級制度
☆→職能資格制度
職能別教育(研修)<しょくのうべつきょういく(けんしゅう)>
職能別教育とは、一般に職種別で実施される教育のことをさす。職能と職種は必ずしも同義ではないが、全社員を対象として横断的に実施する階層別教育に対比し、部門や職種ごとの縦割りの教育に対して用いられている。部門別教育、職種別教育、実務教育などとよんでいる企業もある。
職能別教育には、現在の各部門ごとの業務を遂行するために必要なスキル習得を目的とした教育と、個人が仕事の幅を広げたり、新しい技術や管理方式などを社内に導入することを目的とした教育がある。すなわち、社内にある知識技術を習得する教育と社外から新しい知識技術を導入する教育が実施されている。
前者は、新入社員の導入研修のあとに職種別に分かれて実施される実務研修のほか、半年から数年後にスキルアップを意図した研修が段階的に設定されている場合があるが、多くは各職場でのOJTが中心となっている。一方後者は、社外から講師を招いて実施する研修のほか、公開セミナーや通信教育が活用されている。
☆→研修職能
職場<しょくば>one's place of work
一般用語としては職業として働く場所のことをさし、勤務先全体をさしたり、その中で実際に事務や作業する場所をさしたりする。マネジメント用語では部門、部、課、係などの部署の単位を総称する言葉として用いられ、部の目標や課の目標などを含めて職場目標といったよび方をする。また、セクシャル・ハラスメントなどの定義では、取引先や会社の行事としての宴席や懇親会の場なども職場の範囲とされている。
職場の使命<しょくばのしめい>
職場目標を設定する際の指針としてまず最初に明確にすべきとして、目標設定のプロセスに採用されることが多い。吉田博氏の『職場管理の充実』(1970、産能大出版)が大きな影響を与えた。
そこでは「下位者におけるその職場の存在理由(基本目的)であって、職場活動の全てを方向づける基本指針(羅針盤)」と解説されている。
職務(ジョブ)<しょくむ>job
組織において、各人が受け持つひとまとまりの仕事や任務の事。いずれの職務にも“権限”と“責任”の両面がある。
職務記述書<しょくむきじゅつしょ>Job Description
雇用や処遇決定の目的で、担当する職務内容を文書化したもの。職務給を基本とするアメリカで広く普及している。内容としては、どんな成果をあげるべきかといった職責(アカウンタビリティ)や受け持つ役割(リスポンシビリティ)などを中心に、職務を詳細に記述する。
職務記述書は、原則として雇用の単位となるポジションごとに作成する。たとえば、営業部長と営業1課長がいる場合は職務記述書を2通作成する。新たに営業2課長を採用する場合には、営業2課長がどんな職務を担当するのかを明記した職務記述書を作成し、その職務に対する賃金を決めて募集する。そのため、営業1課長と2課長で求められる成果や部下数などに差があれば、賃金にも差が生じる。
職務記述書は手間のかかるしくみであるにもかかわらずアメリカで普及した背景には、契約社会であることや、職務ごとの労働市場や賃金相場ができていることがあげられている。
☆→職務給
職務給<しょくむきゅう>job-based pay
仕事に応じて支給額を決定する賃金のしくみ。通常は、職務の要素ごとにポイントを設定し、ある人が担当する職務を定義してその要素ごとのポイントの合計によって賃金水準を決定する。アメリカで広く普及していた。
職務給は仕事に対して金額が設定されているので、同じ仕事を担当するのであれば誰が担当しようと同じ金額が支給される。この点で、年齢給や職能給のような人を基準とした給与と異なっており、経営にとっては職務給のほうが合理的と言える。
しかしながら、職務のローテーションを行い、互いに手伝いながらチームで仕事をする日本の企業風土になじみづらい面がある。そのため、日本では本格的な職務給制度は普及してこなかったが、仕事基準という考え方や日本流にアレンジしたしくみが徐々に広がりつつある。
☆→職務記述書能力主義年齢給職能給
職務充実/職務拡大<しょくむじゅうじつ/しょくむかくだい>job enlargement/job enrichment
職務充実とは、それまで担当していた仕事の範囲内で、よりレベルの高い仕事に挑戦させること。職務拡大とは、それまで担当していた仕事に加えて新たな仕事を任せ、仕事の幅を広げること。職務充実では垂直方向に能力を高めていくのに対し、職務拡大では水平方向に能力を広げていくといえる。
職務充実や職務拡大は、仕事に対するマンネリ感を防いでモチベーションを高めたり、人材を育成する手段の1つとして重視されている。
職務遂行能力<しょくむすいこうのうりょく>
職務遂行能力とは、仕事を行うために必要とされる能力をさす。能力の分類の仕方はいろいろなされているが、担当職務で用いる知識や技能に加え、それらの発揮のしかたに関連するとされる態度的な能力、経験とともに習熟するとされる企画力や判断力も含まれる。
これらの能力は、学習や経験によって修得することができ、また発展させていくことが可能だとされている。
☆→職能

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所定内賃金<しょていないちんぎん>
各会社の所定労働時間の労働の対価として支払われる賃金のこと。一般的に、毎月の給与のうち、所定外の手当を除いた賃金とされる。所定外の手当とは、所定労働時間を超えた労働に対する時間外手当、深夜勤務手当、休日勤務手当、夜勤手当などを意味する。そのため、この定義によれば通勤手当や営業インセンティブ(歩合給)も所定内賃金に含まれることになるが、企業内で「所定内賃金」と用いる場合、それらを含んでいないことが多く、その範囲は一律ではない。
所定内賃金(給与)という言葉は、賃金統計などで用いられることが多い。企業の賃金制度で所定内賃金や基準内賃金という区分がされている場合、時間外手当の単価計算に含める範囲となっていることが多い。ただし、これらの用語が必ずしも時間外手当の算定基礎額を意味するとは限らず、時間外手当の算定では給与や手当の項目ごとにその内容で判断するものとされている。
☆→賃金基準内賃金時間外手当
所得控除<しょとくこうじょ>deduction from income
所得税を課税する際、所得金額から所得控除額を差し引いた額が課税対象となる。基礎的な控除として、すべての納税者に対し無条件に38万円が認められる基礎控除をはじめ、家族事情によって認められる配偶者控除、扶養控除、配偶者特別控除等がある。
この他、障害者控除、老年者控除などの福祉的な控除、また医療費控除、生命保険料等がある。
★詳しくは→名古屋市のページ埼玉県のページへ。
所得税<しょとくぜい>income tax
個人が1年間のうちに獲得したあらゆる所得に対して課せられる国税のこと。給与所得や退職所得、事業所得の他、利子所得、配当所得、不動産所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類がある。
課税方式には、各所得を総合した額に対して超過累進税率を適用する総合課税と、総合せずに単独で課税される分離課税の2種類がある。利子や配当、譲渡所得等には後者の分離課税方式がとられる。
☆→確定申告
★詳しくは→ 横山会計事務所「確定申告・所得税」国税庁「タックスアンサー」へ。
初任格付け<しょにんかくづけ>
初任格付けとは、新規採用者を人事制度上の区分に当てはめることや最初に当てはめられる区分そのものをさす。職能資格制度の場合は、資格等級と号俸が設定されており、何等級何号俸と格付けられる。初任格付けは企業の制度によって異なるが、新卒者の場合は、最終学歴によって一律に設定されていることが多い。一方、中途採用の場合は最終学歴、年齢、実務経験年数、前職の給与水準、採用時の評価などによって基準が作られている。
☆→職能資格制度号俸/号俸テーブル格付け
ジョハリの窓<じょはりのまど>Johari window
ジョハリの窓とは、対人関係における自己理解と他者との相互理解について考えるための心理学的モデルのこと。企業研修のツールとして取り入れられている。米国の心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが考案した。「ジョハリ」とは彼らの名前に由来する。
このモデルでは、対人関係における自己を以下の4つの観点から分析する。
  1. 開放領域(Open area):自分で知っており、他者にも知られている
  2. 盲点領域(Blind area):自分では気づいていないが、他者には知られている
  3. 秘密領域(Hidden area):自分では知っているが、他者には知られていない
  4. 未知領域(Unknown area):自分で気づいておらず、他者にも知られていない
各領域の広さは相対的に決まる。例えば、自己開示によって3の領域が狭まれば、そのぶん1の領域が広がると考えられる。
このモデルを用いる主な目的は対人関係の改善であり、特に1の開放領域を広げることが重視される。それには適切な自己開示と他者からのフィードバックがポイントとなる。
☆→リーダーズ・インテグレーション
ジョブ・インストラクション(JI)job instruction
TWI(監督者訓練)の訓練コースの1つである作業指導講習会のこと。新入社員や未経験者に対し、作業指導を行う場合の手順。訓練が必要な箇所をあきらかにし、作業内容を具体的に分解した後で、以下の「教え方の四段階」に従って指導を行う。
  1. 習う準備をさせる。
  2. 作業を説明する。
  3. やらせてみる。
  4. 教えた後をみる。
ジョブ・ローテーションjob rotation
人材育成を目的とした定期的で計画的な異動のこと。業務上の必要性から行われる配置転換とは異なる。
長期的な育成を前提に幅広い仕事を経験させることがねらい。また、同じ職務に長年携わることに伴うマンネリや弊害を防ぐ効果もある。いずれにしても、年功序列、終身雇用という日本的雇用慣行の下で、伝統的に行われてきた制度である。
事例研究法<じれいけんきゅうほう>case study
☆→ケーススタディ
仕訳<しわけ>journalizing
☆→借方・貸方
新QC7つ道具
QC7つ道具が現象の数値を扱うのに対し、現象の性質に焦点を充てた7つの分析方法。 言語データ的な品質管理の技法で、しばしばQC7つ道具と併用される。
KJ法(親和図法)、連関図法、系統図法、 マトリックス図法、アロー・ダイヤグラム法、PDPC法、マトリックスデータ解析法の7つで、 問題の原因や構造の早期発見を目的としている。そのため、営業や事務の管理者・スタッフの、 総合的なQCの場面で効果的であるとされている。
☆→QC7つ道具KJ法( 親和図法)
新会社法
従来、商法第二編、有限会社法、商法特例法の中でそれぞれ規定されていた会社関連の法規を統合し、大改正を加えたもの。2006年5月施行。 「会社法制の現代化」という目的で、表記の現代語化(カタカナ→ひらがな)および、今日の社会経済情勢に対応させた実質的改正がなされた。
具体的には
  • 有限会社の廃止と株式会社への統合
  • 合同会社(LLC)という会社形態の新設
  • 定款自治の原則の拡大
    (会社設立時の最低資本金制度の撤廃、機関設計の自由化)
  • 株式や決算に関する規定の改正
などが大きな特徴であり、会社の設立が容易になり自由度が増したといえる。
一方で、取締役/取締役会における内部統制のシステム構築が義務化されたことも注目されている。
☆→合同会社内部統制
新株予約権<しんかぶよやくけん>
その所有者が、一定の発行価額で新株の発行を請求できる権利のこと。
権利が行使された場合、新株予約権の発行企業は新株を発行するか、保有している自社株を移転しなければならない。 2002年4月の商法改正より導入された。
従来の新株引受権では、ストックオプションを付与する場合や社債との組み合わせに限って発行されるなどの制約があったが、新株予約権は単独で発行することが可能になった。また、付与する対象者、株式数、権利行使期間に関する制限もなくなり、株主総会の決議においても制約が緩和された。
★詳しくは→フィナンシャル・アーティスト・アカデミー社のページへ。
新規開拓<しんきかいたく>
既存の得意先ではなく新しく顧客を作ること、あるいはそのための活動。これに対し、既存の得意先の売上向上を目指した活動を深耕拡大、深耕開拓と呼ぶ。
シングルループ学習・ダブルループ学習 
シングルループ学習とは、すでに備えている考え方や行動の枠組みにしたがって問題解決を図っていくこと。ダブルループ学習とは、既存の枠組みを捨てて新しい考え方や行動の枠組みを取り込むことである。
1978年、アメリカの組織心理学者クリス・アージリスとドナルド・ショーンが『組織学習』において提唱した概念。
組織は、シングル・ループ学習だけでは環境に適応しながら生き残っていくことは難しい。過去の成功体験における固定観念を自らアンラーニングし、外部から新しい知識や枠組みをダブル・ループ学習し、それをまたシングル・ループ学習によって反復・強化していく。
このサイクルを繰り返し継続できる組織だけが競争優位を保ち続けることができるといわれている。
☆→アンラーニング学習する組織
神経言語プログラミング<しんけいげんごぷろぐらみんぐ>
☆→ NLP
深耕拡大<しんこうかくだい>
(営業場面で使われる場合)新規開拓が見込客や新たな受注を獲得する活動に対して、深耕拡大とは既存の顧客やルートを掘り下げることで受注を拡大すること。
人事異動<じんじいどう>personnel changes/change in personnel
人事異動とは、組織内での地位や勤務状態などが変更になることをいう。具体的には、採用・退職、昇格・降格、昇進・降職(役職任用や解任)、配置転換、転勤、出向、転籍などがある。企業によっては、配置転換と転勤などの部署変更だけを指して異動とよんでいる場合もあるが、一般的には人事上のあらゆる変更を含む。人事異動は、年度変わりなどに一斉に行う定期異動に限らず、組織の必要に応じて一年を通して行われる。
☆→身上異動
人事考課<じんじこうか>merit rating/performance rating
人事評価とほぼ同義であり、基本的な意味としては、人事査定、人事評定なども含めて差はない。人事考課という言葉は、特定の制度と連動した言葉ではないが、職能等級制度が普及した時代に多くの企業で採用された。それに対し近年では、「考課」という表現が日常的でない人事用語とみなされて敬遠され、人事評価と改める企業も多い。
企業によっては、評価と考課を位置づけの異なるものとして独自に定義していることもある。例えば、仕事や行動を客観的な評価基準に照らして判定することを「評価」とよび、その評価で得られた点数などをもとに評語や評価ランクを決定することを「考課」としている企業もある。
☆→人事評価
人事評価<じんじひょうか>performance appraisal
企業や行政組織などの職業的な組織で実施される個人単位の評価をさす。通常、個人の処遇決定の基礎データを得ることが目的となっているが、組織によってはさらに上位の目的として人材育成や能力開発などが掲げられていることもある。
評価の対象は、仕事の成果、業績の達成度、職務の遂行度、役割の遂行度、能力の保有度など、制度によってさまざまである。また、最終的に個人の処遇に反映するので個人単位の評価を原則としているが、評価の内容によってグループ単位で評価している場合もある。
☆→人事考課
身上異動<しんじょういどう>
その人自身の身上に関して変更が生じること。具体的には氏名変更や転居、結婚や離婚、子の誕生など家族構成の変更などがある。これらのうち、一定の項目に関しては会社への届出が就業規則等で定められている。その届出により、手当や控除額の変更、慶弔金の支給、住民税や社会保険の変更など、人事管理等の事務手続きが行われる。
☆→人事異動
診断的評価<しんだんてきひょうか>diagnostic evaluation
指導の前に、教える側が学習者の状況を把握するために行う評価のこと。具体的には、基礎学力テスト、適性テスト、パーソナリティーテストなどが挙げられる。
診断的評価を行うことにより、学習者に合った教育目標やカリキュラムを選択できる。また、学習者のレディネスが不十分と判断された場合は、指導内容の前提となる知識について補習したり、個別のインストラクションを行うことがある。
☆→完全習得学習形成的評価総括的評価レディネス
シンポジウムsymposium
公開討論会の1つ。特定のテーマについて、異なる見解をもった複数の専門家が一人ずつ講演を行い、最後に、聴衆の質問に答える、という形式。パネルディスカッションと異なり、講演者相互の討論はない。
深夜勤務/深夜業<しんやきんむ/しんやぎょう>
午後22時から翌日5時までの時間に行う勤務のこと。就業時間を深夜の時間帯に変更して勤務した場合、所定時間内の勤務であっても深夜勤務となる。深夜勤務は、0.25(25%)以上の割増賃金の対象となる。この割増賃金は、管理監督者が深夜勤務を行った場合も同様とされている。
親和動機<しんわどうき>affiliation motive
職場における人間関係が良好であることに由来する動機。
Murrayによれば、“自分と似ていたり、味方になる人、好意を持ってくれる人に対して、近寄って協力し、好意に報いること。その対象の愛情を満足させ、またそれを勝ちとること。友人と離れず忠実であること”を求める動機をいう。
☆→動機づけ要因経済動機達成動機へ。

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[す]

衰退期<すいたいき>decline stage
プロダクト(製品)ライフサイクルの1つ。市場に導入した製品・サービスが最後にたどる段階のことで、売上が減少し、利益が出なくなってくるのが特徴。
この段階では、最低限の売上を確保する必要があるため、価格はあまり下げられない。したがって、プロモーションと流通の面で徹底的にコストを下げなければならない。その一方で、事業の見直しや撤退も視野に入れる必要がある。
☆→プロダクト・ライフサイクル導入期成長期成熟期
スイッチングコストswitching costs
スイッチングコストとは、以前から利用してきた商品・サービスを別のメーカーやブランドのものに乗り換える際、顧客に発生するコストのこと。金銭的な意味だけでなく、労力、時間、心理的抵抗なども含まれる。スイッチングバリア(乗り換え障壁)ともいう。例えば、パソコンのソフトウェアを別のメーカーのものに乗り換える際に発生する金銭的費用、使い方の習熟に要する労力・時間などがこれに当てはまる。
また、スイッチングコストは、航空会社のマイレージプログラムのように、既存顧客の囲い込み手段として機能する。このように、スイッチングコストがあることによって顧客が囲い込まれることを、「ロックイン効果」とよぶ。
推論のはしご<すいろんのはしご>Ladder of Inference
コミュニケーションにおいて、各人が相手の言葉や情報を自分なりに取捨選択し意味づけすることで、そこから飛躍のある結論に至ってしまうこと。その結果、しばしば意見の食い違いや誤解が生じる。例えば会議などで、同じ経験や情報をもつ人たちでも最終的な結論や行動が一致しないことがこれに当てはまる。
米国の経営学者 C.アージリスは、人がある結論や行動に至るまでの思考プロセスを段階的なモデルで示した。このモデルを用いて、各人が事実から自分なりの結論に至るまでの筋道を順番に確認していけば、上記の例のような意見の食い違いが生じた場合に、食い違いの原因究明や意見の調整がしやすくなるとされる。
☆→メンタルモデル
姿置き(5S用語)<すがたおき>
5Sの整頓の方法の1つで、工具類や文具などの置き場に、置くものの形状(姿)を表示する方法。平面の置き場に線を引くだけでなく、その姿の彫り込みを作って物がズレないようにする方法もある。
置き場所に対象物の姿を表示するには、その場所に置ける量までモノを減らす必要がある。また、いったん姿を表示するとやり直しが面倒なので、あらかじめその場所に必要なものを明確に定義しておくことになり、整理が厳格になる。
姿置きにより、対象物以外が置かれず、誰でも正しく置くことができ、さらには対象物が持ち出されているとひと目でわかるという効果がある。
☆→整頓(5S用語)区分線表示(5S用語)一対表示(5S用語)
スキーマschema
外界の情報に対して、それを一般化して認識するための知識体系のこと。
人間は、過去の経験の積み重ねによって形成されたスキーマを通してものごとを認識している。
人に指導を行う場合などは、もともと本人が持っているスキーマに関連するように話すと、記憶に残りやすくなる。
例えば、未知の情報でも、相手にとって身近なものに例えると理解しやすい。
なお、スキーマの中でも特に、日常的な行為についての一般化された知識をスクリプトという。
★詳しくは→ 楠見 孝 (Dr. Takashi KUSUMI) のホームページへ。
スキルskill
一般的には、訓練を通じて身に付けた能力のことで、技能とほぼ同義で用いられる。ただし、技能が知識や態度と明確に区別され、筋肉や神経系統の動きに関連する能力をさしているのに対し、スキルはそれより幅広い意味で用いられることがある。たとえば、ビジネス・スキルという場合にはその内訳として知識面の能力が含まれているし、コンセプチュアル・スキルという場合には知識や認知的領域の能力を含んだ能力を意味している。
☆→技能
スクリーニングscreening
スクリーニングとは、対象をふるいにかけて選別すること。経済学では、取引において、自分が相手について十分な情報をもっていない(=情報の非対称性がある)とき、相手に一定の条件や選択肢を提示して、それらに対する相手の反応の仕方から情報を引き出そうとする行動をいう。
例えば、多くの保険には一定の加入条件やオプションが設けられている。保険会社は、契約者が加入条件を満たすか、どのオプションを選ぶかなどを確認することによって、契約者から情報を引き出し、できるだけ最適なプランを提案して契約後のリスクを低減しようとする。また、学校の入学試験や企業の採用試験なども、スクリーニングの一種とみなすことができる。
☆→ゲーム理論シグナリング情報の非対称性
スクリプトscript
日常的に繰り返される行為に対しての一般化されたひとまとまりの知識のことで、スキーマの一種。
例えば、「スーパーでの買い物」というスクリプトでは、「買い物カゴをとる→商品をカゴに入れる→レジに並ぶ→代金を支払う→荷台に商品を運ぶ→商品を袋に詰める」といった一連の行為が行われる。
スタグフレーションstagflation
スタグネーション(停滞)とインフレーションを合わせた言葉。景気が停滞している状況下で、同時にインフレーション(物価上昇)が起こる現象をいう。
常識的には、景気が後退すると需要が減少し物価も下がると考えられるが、1970年頃より、このような特異な現象が見られるようになった。顕著な例として、1974年頃に発生した石油危機下のスタグフレーションがあげられる。
スタッフ
☆→ライン&スタッフ
ステークホルダーstake holder
企業が経営を行っていくうえでの利害当事者のことをいう。顧客、納入業者や協力先、従業員、株主、金融機関、地域社会などが含まれる。
企業は、ステークホルダーにとっての存在価値がなくなると存続が危うくなってしまう。そのため、ステークホルダーとの信頼関係を強化し、ステークホルダーからの尊敬や協力を得られるよう努力していく必要がある。今日の企業倫理やCSRdの活動は、ステークホルダーとの関係を点検し、企業として、あるいは社員一人ひとりの行動を正していこうという意味をもっている。
☆→CSR
ストアコンパリゾンstore comparison
競合店調査のこと。コンパリゾンとは比較の意味。同業種または異業種の高業績店などを観察して、その店舗の特徴や動向を調べること。他店の良さを学び、それを自店舗に取り入れて業績向上を図ることを目的とする。
なお、ターゲットとする店舗について、定期的に観測することが有効とされる。
ストックオプションstock option
自社株を、ある一定期間中にあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で買える権利を、会社の役員や従業員に与える制度。会社の株価の上昇が自分の利益に直結するため、インセンティブの一つとされる。
☆→インセンティブ
ストレスコーピング/ストレス対処法
☆→コーピング
ストレスチェック制度
2014年6月に公布された改正労働安全衛生法により、職場のメンタルヘルス対策に関して新たに創設された制度。
ストレスチェックとは、事業者が労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査のことで、調査項目は、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域を含む必要がある。
従業員数50人以上の事業場において、このストレスチェックと面接指導の実施が義務づけられた(50人未満の規模の事業場では、当面は努力義務)。
ストロークstroke
言葉や身振りで相手に働きかけること。精神科医 E. バーンが提唱した交流分析の用語で、コミュニケーションの基本単位をなす。近年ではコーチングにも取り入れられている。
ストロークには、ほめる、微笑みかける、握手するなどの「肯定的ストローク」と、非難する、怒鳴る、殴るなどの「否定的ストローク」がある。また、両者のそれぞれに、相手の行為や成果に向けられる「条件つき」の場合と、相手の人格や存在そのものに向けられる「無条件」の場合とがある。
バーンによれば、人は無条件の肯定的ストロークを受けることで自己重要感を増す。しかし、人は何の関心も示してもらえない状態には耐えられないため、肯定的ストロークが得られない状態が続くと、否定的ストロークでも得ようとするようになるという。したがって、個人の成長・育成には適切なタイミングで肯定的ストロークを与えることが重要とされる。
☆→TA(交流分析)コーチングフィードバック
スパムspam
ある個人や企業が受信者の意思とは無関係に入手したメールアドレスにあてて、無差別に大量送信する電子メッセージのこと。メールで送られることが多く、「迷惑メール」とも呼ばれる。スパムの目的は主に広告であり、受信者に何らかの商品を買わせようとしたり、何らかの契約にサインを求めるものである。
スパムにはさまざまな弊害が伴う。たいていのスパムにはURLが記載されているが、受信者がそのリンク先をクリックすることで、法外な金額の架空請求を受けることがある。また、迷惑メールの開封や削除のために浪費する時間は軽視できない。
☆→電子メール
スループット会計<するーぷっとかいけい>throughput accounting
TOC(制約理論)で用いられる企業利益の評価方法。製造から販売までのフロー全体におけるキャッシュの最大化を重視し、独自に定義した以下の3つの指標を用いる。
  1. スループット…販売を通じて生み出されるお金の割合。多いほどよい。
  2. 在庫…材料費など、売るためのものの購入にあてるお金。少ないほどよい。
  3. 業務費用…人件費など、在庫をスループットに変えるために費やすお金。 少ないほどよい。
スループットは、製品が生み出す時間あたりの利益(キャッシュ)を把握しようとするもの。また在庫は、通常の財務会計では資産とみなされるため、これが増えると実際のキャッシュは減るのに見かけ上の利益は増えることになる。それに対しスループット会計では、在庫の概念が実際のキャッシュの動きを表すように定義されている。
☆→TOC(制約理論)ボトルネック

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[せ]

性格心理学<せいかくしんりがく>Personality Psychology
個人のパーソナリティの特質やその構成要因を研究する心理学の一分野。人格心理学ともいう。この分野では、性格とパーソナリティ(人格)はほぼ同義とみなされることが多い。パーソナリティを理解・記述するための枠組みとして、「類型論」や「特性論」などがある。
「類型論」は、多様なパーソナリティを少数の基本的な型に分類する考え方である。心理学者ユングは人の性格を外向型と内向型の2つに分けた。外向型は外界に関心をもち、社交的かつ陽気で柔軟に行動できる。その反面、しばしば思慮と計画性に乏しい。内向型は自分の内面に重きをおく。非社交的で融通性は乏しいが、思慮深く辛抱強い傾向がある。
「特性論」は、各個人がパーソナリティの基本的な構成要素となる特性をすべて備えているという見地に立つ。その上で、個人のもつ「情緒安定性─情緒不安定性」や「協調性─非協調性」といった諸特性の比率を、統計的手法によって明らかにしようとする。
ほかにも、性格を個人が形成する習慣の集まりとみなす「学習理論」や、パーソナリティと環境との相互作用に着目する「場の理論」などがある。
☆→パーソナリティ場の理論
成果主義<せいかしゅぎ>
成果主義とは賃金制度に関する考え方で、仕事の成果を反映して賃金を決定しようとするものをいう。バブル崩壊後の1990年代前半以降、日本企業の多くでその考え方が取り入れられた。
成果主義の人事制度は、時間で拘束しない裁量労働制、目標管理を用いた評価制度、そして業績連動型賞与か年俸制の3点セットを備えた制度といわれる。しかし、各企業が実際に導入している成果主義の制度は必ずしもその3点セットを備えているわけではない。また、賃金のなかで成果を反映する割合も企業によってまちまちで、中には年齢給を残した制度さえある。
成果主義に対してはその弊害が指摘されることが多いが、十分な検討や説明を行いながら丁寧に導入した企業では、賃金に対する透明性や公正さが増し、企業も総額人件費の管理がしやすくなり、社員の意欲の向上や健全な経営に結びついている。
☆→能力主義裁量労働制目標による管理(MBO)年俸制
請求<せいきゅう>
商取引において(当然の事として)決められた代価を支払うよう求めること。請求書・請求伝票が伴う。
清潔(5S用語)<せいけつ>
一般用語では、汚れがなく、きれいな状態を意味する。また衛生的であることや、道徳的であることなどの意味でも用いられる。
5S活動においては、整理・整頓・清掃の3つの活動(3S)によってできあがった正常な状態を維持する活動とされている。そのため、清潔に具体的な活動はないと言われる場合もある。
しかし、一旦、整理・整頓・清掃を行っても、乱れやすい箇所、汚れやすい箇所や、清掃がしづらい箇所が存在する。そのため、これらの箇所に対策を施したり、管理基準を改めてやり直したりといった活動が必要となり、その問題解決活動が清潔の段階の活動といわれている。
☆→5S(5S活動)
政策評価<せいさくひょうか>
考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。賞与、昇格、役職付与への影響を考慮して、故意に甘く評価すること。
☆その他の傾向→ハロー効果寛大化・厳格化傾向中心化傾向先入観評価対比誤差傾向近時点評価
生産<せいさん>production
生産とは、財やサービス、あるいは付加価値を産み出す諸活動のことをいう。工業に限らず、農業や水産業などの育成や採取の活動も含む。企業内においてもサービスや販売、あるいは管理系の部門であっても付加価値を生み出す活動は生産といえるし、生産性を測る対象とされるが、日常的には工場を中心とする製造活動をさして生産と用いられることが多い。
☆→営業販売
生産財<せいさんざい>production goods
生産者が購入し生産活動で用いられる財やサービスをさす。広義では、消費財に対応する言葉として産業財、または資本財と同義で用いられる。資本財という場合、原材料や部品などの加工される財を流動資本財、加工を行うための生産設備などを固定資本に区分されるが、生産財を狭義に捉える場合は、加工を行うための財の意味し、設備財と間接資材(MRO)をさす場合がある。
☆→産業財消費財資本財
生産性<せいさんせい>productivity
生産要素(人・モノ・金)のインプット(投入高)に対するアウトプット(産出量)の割合をいう。
インプットに対してアウトプットが多いほど生産性は高い、つまり企業の生産活動の能率がよい、といえる。生産性分析の指標には、労働生産性資本生産性の2つがある。
正社員<せいしゃいん>
正社員とは、従業員のうち雇用契約上で特別の取り決めなく雇用された社員をさす。ただし、法律上の用語でないため、特別な定義があるわけではなく、一般的には雇用期間の定めがないこと、よって解雇が厳しく制限されていること、原則としてフルタイムで勤務し三六協定の範囲で残業も義務づけられていることなどがその特徴としてあげられる。
しかし、パート社員でも雇用期間を定めていないケースもあれば、採用時に有期契約をした契約社員やパート社員であっても契約更新を3回以上続けると実質的に一方的な雇い止めはできなくなる。また、フルタイムといっても企業によって所定労働時間は異なり、裁量労働制や短時間勤務などの正社員も存在している。
近年では、正社員の中の勤務形態や処遇方法が多様化してきたことで定義が難しくなっているが、多くの場合はそれぞれの企業の中で中心的に働き、安定的に処遇されている従業員といえる。
☆→非正規社員・非正規雇用
成熟期<せいじゅくき>maturity stage
プロダクト(製品)ライフサイクルの1つ。市場に導入した製品・サービスの需要が飽和状態に達し、売上の伸び悩みと利益の減少が起こる段階のこと。
この段階では、需要に対し供給が過剰になり価格競争が激化するため、改善と効率化によるコスト削減が大きな課題となる。コスト競争力のある企業が必然的に優位になるが、そうではない企業が生き残るには、特定の市場に独自性の高い製品・サービスを提供するニッチ戦略が必要とされる。
☆→プロダクト・ライフサイクル導入期成長期衰退期
精神運動的領域<せいしんうんどうてきりょういき>psychomotor domain
ブルームらの教育目標分類の1領域。技術・技能の習得に関する目標からなる。以下のような階層をもち、各階層にはさらに細かい目標が設定されている。
  1. 模倣 …… 示された動作を模倣してやってみる
  2. 操作 …… 指示に従ったり練習を積むことで、間違えずに早くできる
  3. 精確 …… 動作がより精確になり、手本なしでも臨機応変にできる
  4. 分節化 …… 動作の順序や一貫性が高まり、身体各部が調和的に動かせる
  5. 自然化 …… 動作がほとんど自動化されて最高の熟練度と速度に達する
☆→教育目標分類認知的領域情意的領域
税制適格退職年金<ぜいせいてきかくたいしょくねんきん>tax-qualified pension plan
☆→適格退職年金
清掃(5S用語)<せいそう>
一般用語では、きれいにすること、汚れを払いのけることを意味し、掃除と同義で使われる。
5S活動においては、掃除をしてきれいにすることに加え、掃除をする過程で細部まで点検することが含まれる。つまり、汚れがない状態にするだけでなく、職場環境や設備などに不具合がない正常な状態を作り上げることがこの活動の目的とされている。
☆→5S(5S活動)一斉清掃(5S用語)日常清掃(5S用語)発生源対策(5S用語)清掃困難箇所対策(5S用語)
清掃困難箇所対策(5S用語)<せいそうこんなんかしょたいさく>
5Sの清掃活動で、きれいに清掃しづらい箇所に対して対策を講じること。日常清掃を行っていくと、設備の下や裏側、狭い箇所など、清掃用具が届かずに汚れが残ってしまう箇所や、汚れがひどく清掃に時間や労力がかかってしまう箇所が出てくる。そういう清掃困難な箇所でもより効率良く清掃ができるように、清掃用具や清掃方法を工夫したり、対象箇所そのものを改善するなどして清掃時間の短縮や清掃レベルの向上を図っていく。
また、清掃活動には設備の点検や給油も含むとされており、清掃困難箇所対策も点検方法や給油方法の改善まで含めて取り組む場合がある。
☆→清掃(5S用語)発生源対策(5S用語)
精緻化リハーサル<せいちかりはーさる>elaborative rehearsal
短期記憶で一時的に保持している情報を、他の知識と結びつけたり構造を理解しながら反復すること。具体的には、いくつかの単語を1つのイメージとして組み合わせたり、漢字を構成する要素にいったん分解してから書き方を覚えることなどがある。このように情報を整理することで、長期記憶のネットワークに短期記憶の情報が組み込まれる。そのため、精緻化リハーサルを行うと、維持的リハーサルの場合とは異なり、覚えようとする事柄への理解が深まって記憶が安定する(忘れにくくなる)と考えられる。
☆→短期記憶長期記憶リハーサル維持的リハーサル
成長戦略<せいちょうせんりゃく>growth strategy
成長戦略とは、組織全体が成長するためにどのような領域に注力するのか、その方向性を明確にすることをいう。経営戦略の場合、企業(全社)レベルの戦略に位置づけることができる。成長の方向性を端的に表す概念フレームとしては、アンゾフの「製品/市場マトリックス」(成長ベクトル)が代表例とされている。
成長戦略は、市場戦略の中心部分となる。既存または新規の市場のうち、成長が見込まれる領域・分野にねらいを定め、そこへ経営資源を集中させていくことで成長の実現を目指す。
近年では国家レベルの成長戦略が話題になっているが論点が明確でない。上記の経営戦略レベルに照らすなら、業界ごとの参入障壁(規制)を撤廃して新たな成長市場を創造することと、成長市場に対して生産要素の移転がスムーズに進むようにすることが中心と考えられる。
☆→経営戦略競争戦略製品/市場マトリックス市場戦略
成長期<せいちょうき>growth stage
プロダクト(製品)ライフサイクルの1つ。製品・サービスの市場が拡大し、売上が急増して利益が出始める段階のこと。
この段階では、生産・販売量の増加に伴い原価率が下がるため、利益が拡大する。同時に、成長期が進むにつれて市場の規模が大きくなるため、多数の企業が参入してくる。そこで、増えつつある競合をおさえて市場シェアを伸ばすためには、商品の改良やプロモーションに注力する必要がある。
☆→プロダクト・ライフサイクル導入期成熟期衰退期
成長ベクトル<せいちょうべくとる>
☆→製品/市場マトリックス
整頓(5S用語)<せいとん>
一般用語では、整った状態にすることを意味する。
5S活動においては、整った状態という水準を「必要なものを誰もが取り出せ、元に戻せる状態」とイメージし、そのために置き場所を決め、置き方を決め、表示を確実にすることを必須条件としている。この置き場所、置き方、表示は、整頓の3要素と呼ばれる。
☆→5S(5S活動)姿置き(5S用語)区分線表示(5S用語)一対表示(5S用語)
税引前当期利益<ぜいびきまえとうきりえき>pretax profit of the current term
税引前当期利益は、経常利益から、特別利益を加え特別損失を差し引いた利益のこと。法人税や住民税を差し引く前の利益で、単に税引前利益とよばれることもある。金融商品取引法では、税引前当期純利益とよぶ。
☆→当期利益経常利益特別損益
製品アーキテクチャProduct Architecture
製品アーキテクチャとは、製品を設計するうえでの基本思想のこと。「アーキテクチャ」は英語で「建築(学);構造」を意味する言葉だが、コンピュータの分野で「システム設計の基本思想」などの意味で用いられるようになり、そこから自動車や家電など、システムとして捉えることのできる製品全般についても用いられるようになった。
製品アーキテクチャの主な類型としては、モジュラー型アーキテクチャとインテグラル型アーキテクチャの2つがある。前者の例はパソコンであり、機能とそれを実現する部品(モジュール)がほぼ一対一で対応し、各部品の連結部分(インターフェース)も規格がほぼ標準化されている。そのため、各開発者が独自に開発・設計した部品を組み合わせて製造することができる。一方、後者の例は自動車であり、1つの機能を実現するのに複数の部品(モジュール)間の調和が必要であるため、部品間の微調整や開発者同士のすり合わせが不可欠となる。
☆→モジュラー型アーキテクチャインテグラル型アーキテクチャ
製品市場<せいひんしじょう>product market
企業が自社製品やサービスを販売している市場。企業の側から見ると、すでに商品やサービスを購買している顧客、あるいは購買する可能性のあるすべての個人および組織体の集合と見なすことができる。
この製品市場を分析する際には、顧客の動向のほか、競合の動向、その市場での技術動向を加えて行う必要がある。
☆関連→市場
製品/市場マトリックス<せいひん/しじょうまとりっくす>product-market growth matrix
企業が長期的に成長発展していこうとするときに検討すべき基本的な方向性の枠組みで、アンゾフによって提唱された。アンゾフの成長ベクトルとも呼ばれている。
製品と市場という2つの軸を取り、それぞれ既存と新規に分けると、4象限のマトリックスができる。既存製品/既存市場にさらに力を入れる方向を市場浸透戦略、既存市場に新製品を投入していく方向を>製品開発戦略、既存製品を新市場へと売り先を求めていく方向を市場開拓戦略、新製品で新市場をねらう方向を多角化戦略と位置づけた。なお、多角化する場合、シナジー効果が出るように事業を組み合わせることが重要とされている。
マトリックス
☆→成長戦略シナジー(効果)
セーフガードsafeguard
ある品目の輸入が増加することにより、国内産業に重大な損害が与えられる恐れがある場合、緊急輸入制限を行う権利のこと。関税貿易一般協定(ガット)19条の特例条項で、世界貿易機関(WTO)協定もこれを認めている。
日本では2001年4月に、ネギ、生シイタケ、い草の3品目に対して発動され、初の農産物発動ケースとなった。
セーフティーネットsafety net
セーフティーネットとは、個人や企業に経済的な被害が発生したときに最悪の事態から保護する制度的なしくみのことをいう。もともとはサーカスの綱渡りなどで、万一落下したときでも安全を確保するために張られた網を意味する言葉で、安全網または社会的安全網とも訳される。たとえば、労働市場における雇用保険や災害保障制度、金融市場における預金保険機構や各種の貸付制度などがセーフティーネットの典型といえる。
セーフティーネットは、被害を受けた個人や企業を保護するだけでなく、特定の個人や企業が被った損害が社会全体に波及するのを抑える働きをもつ。
セーフティーネットが存在していることで個人や企業は大胆に市場競争に参加することが可能となるが、その負の側面としてモラル・ハザードの発生が指摘されることもある。
☆→モラル・ハザード
税務調査<ぜいむちょうさ>tax audit
国税局や税務署が、納税者の申告内容が正しいかどうかをチェックするために行う調査のこと。大きくは任意調査と強制調査とに分けられる。
任意調査とは、国税通則法、所得税法、消費税法による質問検査権が認められる範囲内において、納税者の同意のもとに税務調査官が実施する調査で、一般調査と特別調査とがある。
一方、強制調査とは、国税犯則取締法により裁判所の令状を得て国税局査察部が実施する査察調査(いわゆるマルサ)のこと。  
★詳しくは→三浦会計事務所のページへ。
成約(営業)<せいやく>reach an agreement
契約が成立すること。営業ステップにおける成約とは、顧客との間で購入に対する合意が取れた段階をさす。最終的には正式な契約書を取り交わした時点となるが、業界や企業によっては口頭による意思確認や簡易的な注文書にサインした時点で成約とよんでいることも多い。 これは商品の性格や業界慣習で、契約書を取り交わさずに取引をしているケースや、注文後に納品日や支払い方法、支払い条件などの詳細を詰めて正式契約となるケースがあるためである。
☆→クロージング
整理(5S用語)<せいり>
一般用語では、不必要なものを取り除くことの意味と、乱れているものをそろえ、整えることの意味が含まれる。5S活動においては、整理は前者の意味に絞って用いられ、後者の意味は整頓の活動に位置づけられる。
5Sで言う整理とは、職場の中で必要なものと不必要なものを分け、不必要なものを廃棄することと定義され、これにより、職場内には必要なものだけしかない状態にすることを意味している。
☆→5S(5S活動)赤札/赤ラベル(5S用語)
整理解雇<せいりかいこ>
普通解雇の1つで、人員削減を目的とした解雇のこと。雇用者側の責任による解雇ではなく、使用者が経営上の理由で行う解雇をいう。この点で雇用者の不正行為等に対する懲罰の性格をもつ懲戒解雇とは区別される。
企業が「リストラ」を行うときに整理解雇を伴う場合があるが、リストラは元来もっと広い意味であり、この両者は同義ではない。
整理解雇が有効であるためには、(1) 人員削減の必要性 (2) 解雇回避努力義務の履行 (3) 被解雇者選定の合理性 (4) 手続きの妥当性 の4つの要件を満たすことが必要とされている。
☆→解雇レイオフリストラ(リストラクチャリング)
セクショナリズムsectionalism
自部門の都合や利害を優先する思考・行動傾向のこと。セクショナリズムが横行すると、他部門が抱えている事情を配慮せず、全社的な視点から物事を考えることができなくなるため、環境変化への適応力が弱まる。
セクシャル・ハラスメントsexual harassment
性的な言動による嫌がらせ行為。略してセクハラという。相手の意に反して、性的な言動によって相手に不利益を与えたり、相手が不快に感じる行為を行うとセクハラに該当する。
セクハラには、性的な要求を拒否したことを理由に、評価や処遇面で不利益を与える対価型のセクハラだけでなく、わいせつな言動を繰り返したり、職場でアダルトサイトを閲覧するなど、職場環境を不快なものにする環境型のセクハラがある。
男女雇用機会均等法では、事業主に対し、セクハラを防止するための配慮義務が課せられている。
セグメンテーションsegmentation
☆→市場細分化
積極的傾聴<せっきょくてきけいちょう>active listening
☆→アクティブリスニング
絶対区分<ぜったいくぶん>
人事制度において、評価結果を処遇に反映するために、A、B、Cなどのランクづけで用いられる区分方法の1つ。
絶対区分では、90点以上は「S」、70点以上は「A」、50点以上は「B」というふうに、本人の評価点を絶対的な尺度に当てはめて区分する。他の人の評価点の影響を受けずに評価ランクが決定するため、納得感が得られやすい。
しかし、全員が「S」ということも可能となり、どうしても高評価に偏る傾向が強くなる。そのため、原資に限りがある賞与や昇給で用いる際には、支給金額を相対的に配分するなどの工夫が必要となる。
☆→相対区分絶対評価
絶対評価<ぜったいひょうか>
絶対評価とは、評価の対象となる物や人を何らかの価値基準に照らして判定する評価方法のことで、到達度評価ともいう。検定試験の合格点やスポーツの予選突破タイムなどが基準にあたり、それを越えると全員合格、決勝進出とする評価が絶対評価となる。
絶対評価では、全員が高評価を得ることも可能となる。また周囲の成績とは関係なく、本人の到達度に応じて評価をあげることができるため、成績優秀者も下位者も、全員が努力を継続しやすい評価方法とされている。 こうした特性から、能力開発につながりやすい評価方法として、人事評価で重視されてきた。
しかし、人の活動や能力を判定する客観的な基準をつくるのは難しく、評価者が基準にそって正確に判定するのも簡単ではないため、評価基準の点検や評価者の訓練が不可欠とされている。また、絶対評価が厳格になり過ぎると、評価項目にないことはやろうとしなくなるといった弊害も指摘されている。
☆→相対評価認定評価個人内評価
設備財<せつびざい>equipment goods
生産活動で用いられる工場などの建物、機械設備、装置,運搬・運送機器などをさす。消費財との対比では産業財全般をさして生産財とよぶことが多いが、産業財の中を分類するときには、この設備財だけを生産財とよぶことがある。
また、資本財の分類で用いられる固定資本財とほぼ同じ位置づけとなる。
☆→主資材生産財
セル生産方式cellular manufacturing
セル生産方式とは、1人または数人の作業者が、部品を屋台のように配置した作業台で製品の組立てを完成まで行う生産方式のこと。1人で行う場合を、特に「1人屋台生産方式」という。多品種少量生産に対応しやすく、電子機器や家電などのメーカーで採用されている。狭義には、類似した部品のグループ化手法であるグループテクノロジー(GT)に基づく生産方式をさす。
1人の作業者が全部(または複数)の工程を行うため、多能工化が前提となる。そのためデメリットとしては、習熟に時間がかかる、作業者の数だけ治工具類も一式揃えなければならないといった点が挙げられる。しかし他方、ライン生産方式と比べてメリットも多く、段取り替えが容易である、作業日程の変更に対応しやすい、仕掛品が低減できる、作業者のモチベーションが維持しやすいなどの点が挙げられる。
☆→ライン生産方式多能工
セレクトショップselect shop
メーカー系列とは関係なく、店独自のポリシーやセンスをもとに複数種のブランドを品揃えする小売業態。衣料品をはじめ、家具、雑貨品などを扱う店で展開されている。最近はオリジナルブランドの販売も行うようになり、その比率が高まってきた。
ビームスユナイテッドアローズが代表例。

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ゼロエミッションzero emission
企業や自治体などが廃棄物をゼロにするために、原料や燃料として再利用を図る活動をいう。資源循環型の社会システムを目指し、国連大学が提唱した考え方。ビールや食品メーカーをはじめ、さまざまな企業で取り組まれている。
ゼロサム・ゲームzero-sum game
ゼロサム・ゲームとは、経済学におけるゲーム理論の概念で、各プレイヤーの利得と損失の総和(サム)が0(ゼロ)になるゲームのこと。総利得が一定のときに成立する。二者間のゼロサム・ゲームでは必ず、自分の利得は相手の損失になり、相手の利得は自分の損失になる。ゼロ和ゲームともいう。例えば、チェスや将棋といったテーブルゲームや外国為替取引などがこれに当たる。
なお、株式投資などのように、結果がゼロサムにならないゲームのことを非ゼロサム(非ゼロ和)ゲームという。これには、プレイヤー全員の利得が増加するプラスサム・ゲームと、プレイヤー全員の利得が減少するマイナスサム・ゲームの2種類がある。
☆→ゲーム理論
ゼロ・シーリング
今年度の予算額に対し、次年度予算のシーリング(概算要求基準)の金額が伸び率ゼロの場合、これをゼロ・シーリングとよぶ。この場合、次年度予算の上限額は今年度予算と同額になる。また、伸び率が今年度を下回る場合は、マイナス・シーリングとよぶ。
☆→シーリング
ゼロベース予算zero-base budgeting/ZBB
企業が予算編成を行う際、各部門における前期までの予算実績をいったん白紙に戻し、そもそもの目的と必要額、優先順位などを検討し直した上で予算を立てること。
従来の予算編成は、前期の実績に対し一律上乗せするケースが多かった。これでは予算は膨張する一方で、いったん認められた予算額や予算項目を減らすことは難しい。ゼロベース予算は、このような上乗せ型の予算を是正するものといえる。
先行指標<せんこうしひょう>leading indicator
景気の動きに先駆けて敏感に動く指標をいう。代表的な指標にマネーサプライがある。株価も景気の先行指標とされていたがバブル期を境に連動性が失われたとされる。
また、景気の動きと同時に動くものを一致指標、景気の動きを後追いするものを遅行指標という。
☆→景気動向指数
全数検査<ぜんすうけんさ>
全数検査とは、対象となる品物(製品)を1つひとつ漏れなく検査することをいう。全数検査を行えば、検査したロットに関しては不良や不具合がないことを保証できるが、対象数量に応じた時間とコストが必要となる。そのため、対象数量が少ないか検査が簡単で手間がかからない場合、1個あたり金額が大きい場合、1件でも不良や不具合があると大きな損失が生じる場合、抜き取り検査で基準値以上に不良や不具合が見つかった場合に、不良や不具合の確率が高い箇所などに限って全数検査を行うことが多い。
☆→抜き取り検査
宣誓的記憶<せんせいてききおく>
☆→命題記憶
選択定年制<せんたくていねんせい>optional retirement plan
☆→早期退職優遇制度
先入観評価<せんにゅうかんひょうか>
考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。過去の印象や思い込みに基づいて評価を行ってしまうこと。
☆その他の傾向→ハロー効果寛大化・厳格化傾向中心化傾向政策評価対比誤差傾向近時点評価
専任職<せんにんしょく>
専任職とは、企業の人事制度の中で、部下を持たない非ラインの管理職層の職群や役職のこと。企業によっては担当職などとよぶこともある。
たとえばラインの管理職に課長がいる場合、専任課長、担当課長、専門役、専任役などの職名がついている。また主事、参事などの資格名称を肩書きに用いていることもある。組織の平均年齢が高くなった企業で、ポスト不足を打開する方策として複線型人事制度を導入した企業で、専門職とあわせて採用されてきた。
専門職が高度な専門能力を認定されたスペシャリストと位置づけられるのに対し、専任職の場合は一般的な職務に熟練したエキスパートである場合が多い。
専門職<せんもんしょく>
専門職とは、一般的には専門性を必要とする職業のことであるが、企業の人事制度の中では、本人が有する専門性を認めて高く処遇する職群や役職をさす。
人事制度の中では、通常、部下を抱え、一定範囲の組織を統括する管理職を高く処遇しているが、部下を持たず、高い専門能力によって単独で管理職相当の貢献ができる人を専門職として任用し、管理職相当の処遇を与えていることがある。こうした制度のことを、専門職制度、または複線型人事制度とよぶ。
なお、企業によっては管理職ではない一般層の段階から専門職を区分しているケースもある。
専門品<せんもんひん>specialty goods
専門品とは、消費者の購買行動からみた商品分類の1つで、一定の専門知識と趣味性をもった消費者が購入する商品のこと。たとえば、高級自動車や高級衣類などのブランド品がこれに当てはまる。
一般に、最寄品や買回品のように価格の点で比較することは少なく、消費者は遠方にある専門品店までわざわざ出向くなど、購入にかける時間やコストを惜しまない。
☆→最寄品買回品
戦略<せんりゃく>strategy
市場に多くの競争相手がいる中で、実際に競争をする以前に有利な状況を作りだしたり、あるいは競争を避けながら有利に展開するための策略。またはその計画。
長期的な視点から策定され、また戦略が明確になっているほど、効果的で効率のよい経営が可能になる。
戦略的事業単位<せんりゃくてきじぎょうたんい>
☆→SBU
戦略的情報システム<せんりゃくてきじょうほうしすてむ>
☆→SIS
戦略的マーケティングstrategic marketing
マーケティングの諸活動の中で基本的な方向づけを行う次元の戦略を指す。具体的な実行段階の戦略である「マーケティング戦略」と対比してこう呼ばれ、4P政策などの上位概念とされる。
具体的には、戦略ドメインの設定から事業コンセプトの決定あたりまでをカバーし、ターゲット・マーケティングがその中心的な手法として用いられている。
☆→マーケティング・ミックス

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[そ]

ゾーニングzoning
都市計画において、地域ごとに建設できる施設の用途を規制すること。 または病院や店舗、展示会場などの建物の平面計画において、機能や用途に応じてレイアウトを設定すること。
総括的評価<そうかつてきひょうか>summative evaluation
指導の最後に、学習の成果を総合的・全体的に把握するために行う評価のこと。指導内容全体を対象とするテストなどを行い、学習者の最終的な達成度を確認する。具体的には認定テストや年度末テスト、成績評価などが挙げられる。
総括的評価であっても、より長い指導期間の中に位置づけられ、次段階の学習を促す場合は、形成的評価の側面をもつといえる。
☆→完全習得学習形成的評価診断的評価
早期是正措置<そうきぜせいそち>prompt corrective action
金融機関の破綻を未然に防止する目的で、監督当局が金融機関に対し、経営の是正指導を発動する措置のことで、98年4月から導入された。背景には、金融行政の不透明性に対する批判があった。
是正措置発動の基準は自己資本比率で、国際決済銀行(BIS)の基準が採用される金融機関は8%、国内でのみ営業する金融機関は4%とされている。なお、生命保険会社にはソルベンシーマージン比率が適用され、その比率は200%とされる。
早期退職優遇制度<そうきたいしょくゆうぐうせいど>early retirement program
退職金などを優遇することで、定年前の退職を促す制度のこと。中高年を対象とした雇用調整の一環とされ、対象年齢は徐々に低下傾向にある。背景には、高齢化の進行と経済成長の低迷により、年功序列的な賃金体系が維持できなくなったことがあげられる。
企業にとっては人件費が削減できる反面、若手社員のモラール低下、優秀な人材の流出というリスクも否めない。ただし見方をかえれば、これにより労働市場が活性化するともいえる。
相殺<そうさい>
プラスとマイナスを差し引きして帳尻を合わせること。同じ相手先に売掛と買掛がある場合など、実際の支払行為を行わず、計算上で差し引きして一方からの支払だけにするような行為。
操作マニュアル<そうさまにゅある>
☆→取扱説明書
総資産<そうしさん>total assets
企業のすべての資産を意味する。負債と資本の合計額で、資産とも同額となる。つまり、総資本、総資産、資産はすべて同じ金額となるが、どういう意味で用いるかによって使い分けがされる。
☆→資産総資本
総資本<そうしほん>total capital
総資本とは、貸借対照表でいうと資本の部と負債の部をあわせたもので、企業のすべての資本の総額を意味する。企業の資本には、まず元々の出資額である資本金や経営活動によって生まれた剰余金などがある。これらは企業が自分で調達したという意味で自己資本とよび、資本の部に記される。このほか、社外から借入れ等の形で調達した資本があり、こちらを他人資本とよび、負債の部に記される。これらすべてをあわせたものを総資本とよぶ。
☆→資本総資産自己資本他人資本
総資本回転率<そうしほんかいてんりつ>
売上高(年額)/総資本(回)
投下された資本が、1年間の売上高によって何回回収されたかを示す指標。回転率が高いほど、資本が効率よく運用されていることになる。逆に回転率が低いと、資本運用にムダがあるといえ、これが収益性を下げる一因となる。
総資本回転率は、流動資産回転率(流動資産の運用効率)× 固定資産回転率(設備投資の効率)に分解できる。
総資本経常利益率<そうしほんけいじょうりえきりつ>
経常利益/総資本×100(%)
企業の経常的な活動による業績のよしあしを示すもので、収益性分析を行う場合の最も基本となる指標。投下した資本に対して、どの程度の利益を生み出したのかを見る。
総資本経常利益率は、売上高経常利益率(利益の上げ具合)×総資本回転率(資本の活用度)に分解できる。
創造的緊張<そうぞうてききんちょう>
☆→自己マスタリー
早退<そうたい>
終業時刻前に勤務を終了し、退社すること。シフト制などで勤務時間が変更になっている場合もその終業時刻前に退社すると通常早退の扱いとなる。ただし、裁量労働制が適用されている場合や労働基準法上の「管理監督者」と位置づけられ勤務管理の規定の対象外となっている人には早退は適用されない。
相対区分<そうたいくぶん>
人事制度において、評価結果を処遇に反映するために、A、B、Cなどのランクづけで用いられる区分方法の1つ。
相対区分では、絶対評価によって評価点をつけたのち、上位5%は「S」、次の25%は「A」、その次の40%は「B」というふうに、対象者全体のなかでの相対的な位置によって評価ランクを決定する。 この点で、最初から順位付けをする相対評価とは異なるが、どんなに良い点数をとっても最終的に相対的な順位で評価ランクが決定するため、被評価者に不満が生じやすい。
反面、賞与などで用いると原資のコントロールがしやすく、メリハリが効いた支給が可能となる。 処遇で相対区分を用いる際には、区分前の素点も記録として管理し、昇給や昇格時には素点が反映されるような工夫が期待される。
☆→絶対区分相対評価相対分布規制
相対評価<そうたいひょうか>
相対評価とは、評価の対象となる物や人を相対的に比較して優劣を判定する評価方法をいう。順位づけによる評価や上中下などにグルーピングする方法がある。偏差値やスポーツにおける順位づけが典型的な相対評価である。
相対評価では、競争心をかき立て、強い動機づけにつながるとされている。たとえば、自分がいい結果を出しても相手がそれ以上に良ければ評価は上がらないため、競争が過剰となりすぎると、不正を行ったり相手を妨害したりという弊害をもたらしやすい。また成績下位者は、自分がどんなに頑張っても上位にはいけないと感じ、努力そのものを止めてしまう傾向も出やすい。 こうした特性から、人事評価では好ましくないとされている。
しかし、採用や限られたポストへの昇進、社内でのコンテストなどでは相対評価が用いられているし、絶対評価で行った結果を検証する際など、相対評価が有効な面がある。
☆→絶対評価認定評価個人内評価
相対分布規制<そうたいぶんぷきせい>
人事評価において、評価点をつける前に部署や部門単位で、90点以上(S)は5%以内、70点以上(A)が25%以内などいう具合に、点数をつけることが可能な相対的な分布を提示し、評点の仕方を規制することをいう。
評価の高ブレを防止したり、部署部門間の甘辛を防止する効果があるとされており、多くの企業で導入されている。
規制の強弱は企業によってさまざまだが、絶対評価が原則とうたいながら同時に相対分布を求めるのはどうしても矛盾が生じる。評価者は最初に区分を決めて点数を逆算割付したり、恣意的に評価点を下げたりといったことが必要となり、評価面談での説明を難しくし、部下からの信頼を落とす原因となっている。
☆→相対評価相対区分
装置型産業/装置工業<そうちけいさんぎょう/そうちこうぎょう>
石油、化学、合成繊維、パルプ、鉄鋼など、大規模なプラントや機械装置を用いる製造業の総称。これらの業種の特徴は、最終製品の形態が多種多様で、しかも組立加工のようにもともとの原材料に分解することができない点にある。
属性列挙法(特性列挙法)<ぞくせいれっきょほう(とくせいれっきょほう)>
アイディアを出すための手法のひとつ。対象物を属性(特性)ごとに分解して分析することで新たな発想を生み出そうとする方法。 名詞的属性、形容詞的属性、動詞的属性ごとに列挙し、それぞれに着目して分析する。アメリカのR.P.クロフォードが考案。
☆→希望点列挙法欠点列挙法チェックリスト法
組織開発<そしきかいはつ>organaization development
トップの方針のもと、行動科学の理論を活用しながら組織風土の改革を行うこと。集団・グループの活動を核としながら、個人レベルでの意識変容と相互理解を深め、弾力的で健全な組織風土をめざす。
そのための手段として代表的なものに、QCサークルなどの小集団活動や目標管理、ファミリートレーニング(職場ぐるみ訓練)などがある。
ソフトウェアsoftware
コンピュータが動作するために必要な電子上の指示や命令の集まり。物理的な機器や設備であるハードウェアに対して、その利用技術のことを指す。それ自体は触れることができないものであり、CDやDVDなどのメディアに記録されて流通する。ソフトと略されることが多く、プログラムの別名として用いられることもある。
コンピュータ以外でも、DVDプレーヤーというハードウェアに対しては、映像と音声が記録されたDVDの中身がソフトウェアにあたる。また、公共設備などの、いわゆる箱物において提供されるサービスや、そこで適用されるルールなどを指す場合もある。
☆→ハードウェア
ソルベンシーマージン比率solvency margin ratio
生命保険会社の財務体質を見るための指標の1つ。異常事態(大災害や株価暴落など)が発生した場合のリスクに対し、支払い余力(solvency margin )がどれだけあるかを示す。数値が高いほど安全性は高いといえる。1997年の日産生命の破綻を契機に、ソルベンシーマージン比率が200%を下回った場合は、金融監督当局により早期是正措置が発動されることになった。
★詳しくは→iNS WEBのページへ。
損益計算書(P/L)<そんえきけいさんしょ>profit and loss statement
財務諸表の1つで、一定期間中の収支を表したもの。通常は会計期間ごとに作成し、その期間中の売上と、どのような費用が発生し、その結果どのような利益がいくら出たのかが計算されている。
損益分岐点<そんえきぶんきてん>break-even point
損失と利益の分かれ目となる売上高のこと。つまり、売上と費用が一致する収支トントンの金額をいう。ある期間の損益分岐点が500万円という場合、売上がそれを上回れば利益が出るが、下回れば損失が生じる。
★→損益分岐点へ。
尊敬語<そんけいご>
敬語の分類の1つで、相手の行為、持ち物、状態などを高めて表現することで、相手に対する敬いの感情や姿勢を表す方法。話の聞き手や読み手に対してだけでなく、話の中に出てくる人物に対しても用いる。
動詞の場合は、「お(ご)……になる」「……(ら)れる」「……なさる」などの一般形のほか、なさる(する)、いらっしゃる(行く、来る、いる)、おっしゃる(言う)、召し上がる(食べる・飲む)などの特定形がある。
名詞の場合は「お」「ご」「貴」をつけるものが多く、形容詞の場合は「お」「ご」をつけるもののほか、「……くていらっしゃる」「……でいらっしゃる」として尊敬を表すものもある。
☆→敬語謙譲語丁寧語

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