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利益のカタチ 2004年新春のご挨拶

更新 2004.01.02(作成 2004.01.02)

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昨年、「国益」という言葉をよく耳にしました。
イラクに自衛隊を派遣することが国益にかなっているという意見です。
国家にとって利益があることであれば、私たち国民にとっても利益となることなのでしょうが、どうもピンときません。そればかりか、国とは誰のことなのか、国の利益とは誰のどういう利益なのか、いろいろと考えさせられてしまいます。

もちろん、ここでいう国益の中身が全くわからないわけではありません。
国際社会と称されるアメリカとその同盟国の中で一定の発言力を確保し、世界市場を対象に経済活動を展開するときに日本が排他的な扱いをされないようにするということだろうと思います。
そうすることが世界市場とは無縁に思える中小企業も、国内で働く人達も連鎖的に経済的に豊かになり、国家全体としての利益につながるはずだということなのでしょう。

本当にそうだとしても、自衛隊派遣が唯一の方法なのか判断がつきません。また、本当に広く国民全体の利益につながるのかもよくわかりません。ただ、この論理でいけば、派遣される自衛隊の方々が無事に帰還されるより、他の軍隊派遣国に負けないくらい犠牲者が出たほうが、国益にかなっている言っているように聞こえてなりません。

2004年。
日本という国は、非常に大きな転換点を迎えたのだろうと思います。
しかし、私自身も、そしておそらく多くの日本人は、毎日の仕事や生活に精一杯で、この大きな転換の是非をじっくり考えることがないまま過ぎていくことだと思います。

産業界に目を向けます。
今年は、企業収益は大企業を中心にさらに回復していくと思われます。
中堅企業も、中小企業も、この波に乗り遅れないようにしなければなりません。それには、不採算の事業や顧客は切り捨て、余分な人員やコストは整理し、いち早く身軽になって成長分野に集中できる体制を作っていく必要があります。
痛みなど恐れていてはいけません。多少の矛盾やギクシャクが生じたとしても、命を落とすわけではありません。業績が上がれば大した問題にはならず忘れ去ることができてしまいます。
私たちは今年も、企業の利益にかなった活動に没頭しなければなりません。

企業の利益。
こちらは国益に比べると明解でシンプルです。企業の所有者もはっきりしていますし、その所有者の経済性を高めることだと決まっています。この明解さが、そしてそれをきちんと踏まえることが、企業活動の健全性をもたらしてくれると思います。

しかし……。
企業において利益という言葉は、国益という言葉以上にあらゆる議論を封じ込め、関係者を思考停止にさせるパワーを持っているような気がしてなりません。

さて今年は、業績を大きく伸ばす企業と淘汰される企業とで、明暗が分かれる年になりそうです。そして業績を伸ばす企業においては、将来にわたっての方向づけがされるはずだと思います。意識するかどうかは別にして、組織内での価値観や、将来の行き詰まりの種も、企業の成長期につくられるからです。
その意味では、今年は利益をあげるかどうかより、利益の出し方が問われる1年になるのではないかと思います。

もちろん弊社は、業績を伸ばす側に参加する予定です。しかし、盲目的に利益を追求するのでなく、業績向上に浮かれることなく、将来に向けての方向づけを、しっかりと意識しながらやっていきたいと思います。
社会における弊社の存在意義をどのように築いていくか。
弊社のビジネスに対する姿勢を明確にしていけるかどうか。
スタッフを思考停止させることなく、いかに問題意識を持ち続けさせるか。
スタッフが自分の仕事にやり甲斐と効力感をもてる会社にしていけるか。

私自身、経営者として、その資質が問われる年になりそうな気がしています。

社会に影響力を発揮していくにはまだまだ力不足の会社ではありますが、今年も1つひとつ、地道な努力を続けていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2004年元旦  代表取締役 伊藤 弘二朗

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