公開日:2023年08月31日
シングルループ学習とは、すでに備えている考え方や行動の枠組みにしたがって問題解決を図っていくことをいいます。一方、ダブルループ学習とは、既存の枠組みそのものを捨て、新しい考え方や行動の枠組みを取り込んで問題解決を図っていくことをいいます。
ダブルループ学習では、判断を行う前提そのものを疑います。
指導場面においては、例えば、「彼は確認不足だからミスが減らないんだ」という判断を反省して「本当に確認不足なのか?指示のしかたに問題はないか?ミスを発生させない業務の流れに変更できないか?」と振り返ってみると、抜本的な改善につなげることができるかもしれません。このように、ダブルループ学習の考え方は、決めつけや固定観念を反省する際にも役立ちます。
なお、ダブルループ学習で既存の枠組みを捨てることを「アンラーニング(学習棄却)」といいます。
環境の変化に適応しながら成果を上げていくには、シングルループ学習だけでは難しい部分があります。個人であれ組織であれ、過去の成功体験から学習した固定観念を意識的に忘れ、新しく学び直すことが継続的な成長のために不可欠だとされています。
OJTでもシングルループ学習の継続ではなく、ダブルループ学習が機能することが求められます。指導担当者だけではなく、新人にとってもダブルループ学習が促されるよう働きかけましょう。