公開日:2023年06月12日
OJTの場面で新人(あるいは部下)が、こちらの要求と異なるピント外れな仕事をしてきたとき、どのように対応したらよいか悩むこともあるかもしれません。
双方にとって建設的なアウトプットを得るために、アサーティブな対応を心がけたいものです。
アサーションとは、適切な自己表現を目指すコミュニケーション技法の1つです。アサーション(assertion)という英語は「主張」と訳すことができます。
例えば、新人が要求と違う仕事をしてきたときの対応として、以下の3種類が考えられます。
1つめは「なんだ、頼んだのと違うじゃないか!何を聞いていたんだ!」と怒鳴るといった攻撃的な対応です。怒った側もエネルギーを消耗しますし、新人も「そんな言い方しなくたっていいじゃないか」と反発するなど、結果的にしこりを残してしまいます。
2つめは、指示したのと違うと思いながらも、新人に必要以上に遠慮し「お疲れさま」と言ってそのまま受け取ってしまう非主張的な対応です。その場は丸く収まるかもしれませんが、結局仕事のやり直しが必要になり、新人の行動も改められません。
3つめは「これは頼んだのと違うね。依頼した通りに直してもらえないか。わからないところがあれば聞いてくれ」と冷静に指示を出すアサーティブな対応です。感情的にならず、相手の人格も尊重したうえで、自分の主張を正直に伝えます。これがアサーションによる望ましい対応です。
アサーションは「人は誰でも自分の意思や要求を表明する権利がある」という立場に基づいています。そのため、自分だけでなく相手の意見も尊重し、お互いにとって納得のいく結論を目指します。
自分にとっては必要な情報を伝達することができ、余計なストレスを残さずにすみます。新人としても、理不尽な怒りをぶつけられることもなく、言われたことを素直に聞くことができます。双方にとって望ましい方法といえるでしょう。