公開日:2022年01月18日
新入社員研修(配属前研修)のあり方は、企業の人材に対する考え方、財務的な体力、本業の技能習得の困難度、現場での指導体制などによってさまざまです。
研修期間は、1日から数日程度の企業もあれば、3カ月、半年、仮配属を含めて1年間など企業によっても異なります。
この新入社員研修の効果を上げるためには、配属後の「OJT」の機能を上手に活用することがポイントです。
新入社員研修では、大きく2つの意見がきかれます。
傾向としては、財務体質が強くない会社、要員が不足気味の会社(成長期にあるか、離職率が高いか)では「早期戦力化」を重視する傾向にあり、新入社員研修もそこそこに終えて早めに配属になります。
一方、技術系の企業で財務的基盤が強い会社では、長期間にわたる研修を行う傾向があります。
それぞれの問題点としては、早く配属させる企業では、新人が現場で便利使いされ、あまり指導もしてもらえず、戦力化できない間に離職してしまう、という状況が見受けられます。
一方、研修期間が長い会社では、配属後も実践で成果を挙げられないまま何年もくすぶっている状況が目立ちます。
実際には、早期戦力化と大きく育てることは矛盾するものではありません。
職場での「OJT」が機能していれば、これらを両立させることが可能と考えられます。
新入社員研修を設計する場合は、新入社員研修についてだけ考えるのではなく、配属後のOJTの役割もあわせて考えることが大切です。
OJTの役割と期間を明確にすることで、新入社員研修のねらいや達成基準を明確にすることができます。
そのためにはまず、数年後に独り立ちする(一人前になる)までのプロセスを想定し、そのなかで1年目を位置づけます。
1年目の位置づけ定まったら、新入社員研修とOJT期間で行うことを考えます。
指導のポイントは、以下を意識するとよいでしょう。
OJT期間との分担を考えながら、新入社員に必要な教育を一律に行います。
職場で業務を担当させながら、本人の学習能力や適性に応じて個別的、段階的に、きめ細かく指導します。
新入社員を大きく育て、かつ早期に職場の戦力にしていくためには、「OJT」の機能を活用しながら、相乗効果があがるように新入社員研修を設計するとよいでしょう。