公開日:2018年12月20日
OJTにおいて、質問の投げかけはとても重要です。
指導が一方通行にならないよう、質問の投げかけや受け答えをとおして、新人の発想を広げたり理解を深めたりするよう工夫したいものです。
新人(トレーニー)から質問や相談をされたとき、すぐに解決策を示すことが必要な場合もありますが、できるだけ新人自身が解決策にたどり着けるように導くことを心がけましょう。
忙しいとついつい「そこはこうして」などと指示を出したり、自分でやってしまいたくなるものですが、そこはぐっとがまん。
今後、新人が自分で考えられるよう、相手にあった「良い質問」を投げ掛けます。
ただし、言うは易く行うは難し。指導する側が、日頃から思考を整理する習慣を身に付けておかないと、なかなかスマートな質問はでてこないものです。
そこで慣れない内は「良い質問をしよう」と気構えず、「新人と一緒に考える」というスタンスで、試行錯誤のプロセスを共有するとよいでしょう。
また、「質問される」のはプレッシャーがかかるものだということも覚えておいてください。畳みかけるような質問や、前触れのない突然の質問は、相手を萎縮させ、かえって発想を狭める場合も多いので注意しましょう。
例えば、「どうしたらいいんでしょう」などと言われた場合は、何からどう考えていいのかわからずパニックになっている場合や、その状況に拒絶反応を示している場合も考えられます。
そんなときに「そもそも目的は何?」などともっともなことを聞いても、余計緊張を強めるだけなので、答えやすいところから質問するようにします。
5W1Hなどを活用して、情報の要素を1つひとつ分解しクリアにしていくこと。それによりだんだんと落ち着いてきて、自分でも考えられるようになる場合があります。
質問を投げかけるときは、決して詰問調にならないように、タイミングよく適度に行い、考えさせる時間を十分に与えることを心がけてください。
「課長から資材置き場を整理するように言われたんですが、どうしたらいいんでしょう」
× | 「○○はここに、△△は向こうに...」 |
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○ | 「全部で何種類の資材があるのかな?」 「今、どんな状況で困っているのかな?」 「ひんぱんに出し入れするものはどれ?」 「どうしたら一目で保管場所がわかるようになるかな?」 |
質問の仕方はいろいろありますが、代表的なものに以下の2つがあります。
両方をうまく組み合わせながら、相手の思考をサポートします。
例 | 「△△という結果については、○○さんはどう考えてますか?」 「これからはどうするのがいいと思いますか?」 「○○について、もう少し詳しく聞かせてくれる?」 |
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例 | 「見込みがあると思いますか?ないと思いますか?」 「出席人数に最も影響するのは、天候、立地、料金のいずれだと思いますか?」 |
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