公開日:2017年05月24日
OJTに限らず、人材育成において何より大切なのは本人の「意欲」でしょう。
そこで今回は、職場において、意欲に影響する要因にはどういうものがあるかについて、基本的な要因を整理し、それぞれに対してどのような改善が考えられるかを解説したいと思います。
職場における意欲に大きく影響するものとして、以下の3つが挙げられます。
衛生要因には、作業場所、休憩時間、報酬などがあります。
新人のOJTにおいて、新人の意欲を低下させないためには、職場環境において不満やストレスとなっている要因を把握し、できるかぎりその解消に努める必要があります。
衛生要因の改善は主に管理者の役割といえますが、メンバーにできることとして、早めに不満要因を察知し、それを放置せずに上司に相談する、ということが大事です。
また、衛生要因は、自分の権限範囲で解決できないことの方が多いと思いますが、職場内の作業環境については、各人が改善できることもあるはずです。
たとえば、作業環境やレイアウト、5S、管理方法などを見直すことで、心身のストレスを緩和することは可能です。
OJTにおいても、モラールは意欲に大きな影響を及ぼします。例えば新人のOJTにおいて、「あいさつをしましょう」と指導したところで、先輩たちができていなければやがて自分もしなくなるでしょう。
職場のモラールを上げること自体は管理者の責任ではありますが、モラールは、メンバー1人ひとりの働き方や行動によって醸成されるものです。
モラールの低い職場には以下のような傾向が見られますので、各人がこのようなことを招かないよう配慮して行動する必要があります。
動機づけ要因には、仕事の内容への興味、目標の魅力、達成感などがあります。
「動機づけ」(モチベーション)は、前向きに「やってみよう」と思える意欲(動機)を引き出すことで、OJTで指導を担う人にとって最も重要な働きかけであるといえます。
動機づけは、伝統的に以下の2つの側面からとらえられます。
内発的動機づけ | 自分の内面から意欲が沸き上がること(欲求) |
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外発的動機づけ | 自分の外側からの刺激によって意欲を引き出すこと |
なお、働くことの「動機」として、代表的なものに以下の3つがあります。
経済動機 | 報酬を得ることで何らかの欲求を満たしたいという動機 |
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親和動機 | 職場における人間関係が良好であることに由来する動機 |
達成動機 | やりがいのあること(目標)を成し遂げたいという動機 |
指導を担う人は、本人の内発的動機づけを高めるよう配慮することが大切です。では内発的動機づけを高めるためにどうするか、については、また次回解説したいと思います。