新人に実務を割り当てる場合は、できそうなところから段階的に担当させるようにします。仕事の渡し方にはいくつかのパターンがありますが、できるだけ細切れの作業単位でなく、ひとまとまりにして渡すのが望ましいといえます。
ただし、パターンによってメリットとデメリットがあります。
以下の業務例(DM発送)を参考に解説していきましょう。
1.部分的な作業を前後の脈絡なく与える場合
- まだ基本スキルが不足している段階で、要素作業を確実に覚える必要のある場合は、このような仕事の与え方が有効な場合もあります。
- ただし、いつまでたっても細切れの仕事の与え方では、本人のモチベーションは上がりません。
- また、指示を受けて作業をすることに慣れてしまうと、自分で考える習慣がつかなくなります。
- 部分的な作業を依頼する場合も、それを行うことの目的や全体像をきちんと説明した上で渡してください。
2.作業全般にわたって、補佐的にかかわらせる場合
- 業務全般にわたって、さまざまな作業を一通り経験させることは、全体の流れを知る上で有効です。
- また、OJTリーダーと一緒に作業を行うことも、手順やスピードの基準を知る上で役立ちます。
- ただし、いつまでたってもOJTリーダーの補佐役では、新人の独立心が育ちませんし、本人のモチベーションも上がりません。
- 少しずつでも、新人1人に任せられる範囲をつくっていくようにしてください。
3.ひとまとまりの業務を担当させる場合
- ある程度基本スキルをマスターした段階では、ひとまとまりの業務を担当してもらうようにします。
- 担当を持つことで、自分で考えて行動するようになりますし、責任感も育ちます。
- ただし、いったん任せたものを後で取り上げたりすると意欲をなくします。任せてよいレベルかどうかを吟味してから、任せるようにします。
- 判断が難しいと思われる部分については「ここは私も見ます」ということをあらかじめ宣言しておくようにします。
- 作業量が膨大になる部分については、新人が主導で判断し、OJTリーダーが補佐役に回るようにしてあげるとよいでしょう。
最初から1つの工程をすべて任せる必要はありません。
部分的でも一連の流れを任せるようにして様子を見ましょう。
そして、少しずつ任せる領域を広げていくようにします。
OJTリーダーは、自分の都合でなく、新人の成長を第一に考えて、仕事を与えるようにしてください。