公開日:2016年02月10日
OJTリーダー(指導担当者)が「効果的なインストラクション」を行うためには、「相手を理解する」必要があります。
もちろん「理解」とは、継続的な関係の中で徐々に修正を重ねながら深まっていくものですから、OJTの関係において、一朝一夕にできることではありません。
それでも、相手の経験、価値観、関心領域などをある程度把握することで、相手が理解できる言葉や概念を用いて、相手のレベルに応じたインストラクションが可能になります。
そして、客観的に「相手を理解する」ために欠かせないことがあります。それは「自分を理解する」ということです。
人はどうしても自分の価値基準で相手を評価・判断してしまいがちです。そして自分の感じ方や考え方に沿わない行動については、"問題"ととらえる傾向があります。
しかし、それはひとつの側面から見た見方に過ぎません。自分の物差しがどこに置かれているかを認識しておかないと、相手に対してゆがんだ理解をしかねません。全くダメな新人と思っていたのに、職場が変わったら大活躍、ということもよくあることです。
相手を理解するには自分の物差しをいったん脇に置かないといけません。そのために、自分の傾向を知る必要があるのです。
イラついたり怒ったりなど、感情的になっているときは、その背景に自分の価値観が隠れていると思ってください。
たとえば相手に対して、「信じられない!」と感じたとき、その原因をすぐに「相手(の行動や性格)」に帰結するのではなく、なぜ「信じられない!」と思うのか、自分は何を「信じている」のかに目を向けましょう。それから相手が「なぜそうしたのか」相手の世界観からその理由を考えてみます。
これは「心がけ」の次元ではありません。そう考える「習慣」を身に付けていくのです。
自分の感情が動いたとき、少し立ち止まって、なぜそう感じるのかを点検するようにします。
そして、相手の「信じられない!」「あり得ない!」と思える行動を、自分との「違い」として受けとめるよう習慣づけましょう。
そのようにして、少しずつ、自分とは違う価値観や考え方、行動パターンもあるのだということを受入れ、相手の側から世界を見れるよう、意識して訓練してください。そのうえで、正すべきところは正していきます。
OJTリーダーをはじめ、指導に携わる人は、以下のような観点から、自分自身の傾向を自己分析してみてください。
仕事に対する価値観 | 人に対する価値観 |
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行動のパターン | 感情の表出パターン |
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思考パターン | 学習パターン |
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