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企業間競争におけるOJTの機能

公開日:2011年02月04日

仮に、同じ市場で競争するA社、B社という2つの企業があったとします。現在の企業規模も同じ200名で、売上高も商品力も同じ、資本力やその他項目も全く同じだったとします。
そこに、それぞれ20名ずつ新入社員を採用し、初任給は同じ20万円でした。A社は半年後に新入社員全員が20万円程度の貢献ができるようになり、1年後には平均して30万円程度の貢献ができるレベルまで育ってきました。一方のB社は、半年時点ではまだ先輩に便利づかいされている状態で、1年後には半分が退職し、残った10名も10万円程度の貢献がやっとの状態でした。

これだけ見てもかなりの差となっていることがわかりますが、翌年も、その翌年も同じように新入社員を採用し、同じような育成状況だったとすると、A社とB社は数年間で非常に大きな差がついてしまいます。

さらに組織全体をみると、A社はお互いに切磋琢磨し、全員が毎年5%ずつ実力を高めています。一方のB社は、市場の変化についていけず、全員が相対的な実力で5%ずつ落としていたとしたら、こちらではそれこそ、数年で恐ろしいほどの差になってしまいます。

上記の例は、少し極端な対比ですし、OJTというより人材育成全体の重要性を語っているにすぎません。しかし、現実に生じる差はもっと小さいにせよ、人材育成によって競争力に差がつくとしたら、企業は可能な限りの手段を講じて人材育成に取り組んでいく必要があるはずです。

その可能な限りの手段の1つにOJTがあります。
上記の新入社員の戦力化の例でいえば、もし集合研修だけで戦力化が可能で、しかもOJTで指導するより短期間で戦力化できるのならOJTはいらないことになります。

たとえば、次のような条件を設定してみます。
・採用した20名全員を同じ職務に就かせる。
・その職務は、知識と基本技能を習得すれば、経験はあまり必要としない。
・もしくは、必要な経験を模擬的に体験できる設備や環境が準備できる。
このような条件であれば、集合形式で教育するのが効率的なのですが、こうした条件が揃う組織や職務は多くはありません。

実際の組織や職務で多いのは、以下のような状態です。
・採用した20名を複数の部門や職務に配属する。
・どの職務も場合分けや例外事項が多く、それぞれに付随する知識がある。
・技能が単純でなく、一定のレベルでできるようになるまで時間を要する。
・実践経験が必要で、実際に発生した場面でないと教えられないものが多い。
・模擬的に体験できる環境はない。
こうなると集合形式で教育できる範囲は限られていますので、どうしても現場での実践指導に頼らざるを得なくなってしまいます。

さて、ここでは前の記事の「OJTはなぜ重要なのか」の最後に触れた「本質的な理由がある」を受けて、企業間競争に着目しました。
企業間競争においては、人材育成力の違いが、少なからず競争の優劣に影響しています。そして多くの場合、人材育成の一定部分は、OJTに頼らざるを得ない状況となっています。
つまり、OJTが重要である「本質的な理由」は、「企業間競争を有利に展開するため」というのがここでの結論です。もっとも、上述したOJTに頼らざるを得ない状況は、前の記事の「コスト面」「固有技術」「個別指導」といったOJTを重視する3つの理由に整理できるものですが、そのもう1つ上位の目的として、企業間競争があり、人材育成のあらゆる手段の1つとしてOJTをとらえておくことが重要だと感じています。

OJTを通じて、現場で人を鍛えるしくみやノウハウを持っているかどうかが、企業の競争力に差をもたらします。ここでは、わかりやすい例として新入社員の戦力化を取り上げてみましたが、中堅社員やリーダークラスが育っているかどうかとなると企業間競争への影響はさらに大きく、同時にOJTに頼らざるを得ない部分がさらに増しているとみるべきのようです。

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