部下指導(OJT)・人材育成関連用語(抜粋)
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- OJTOn the Job Training
- 職場内で、実務を通じて行われる教育訓練。入社時や配置転換などにより新しい技術を習得する必要が生じた時に、先輩や直属の上司が指導役となって実施される。
OJTから派生した概念に、OJD(On the Job Development=実務を通じた能力開発)、OJL(On the Job Learning=実務を通じた学習)がある。
- Off-JTOff the Job Training
- 職場(での業務)を離れて行われる教育。一般的には集合研修を指す。
OJTで言う“ On the job” と逆の概念として用いられる研修用語。
- メンターMentor
- メンターとは、仕事上(または人生)の指導者、助言者の意味。
メンター制度とは、企業において、新入社員などの精神的なサポートをするために、専任者をもうける制度のことで、日本におけるOJT制度が元になっている。
メンターは、キャリア形成をはじめ生活上のさまざまな悩み相談を受けながら、育成にあたる。
- ☆→エルダー制度
- エルダー制度elder
- エルダーとは先輩の意味。新入社員のOJT制度の呼び名の一つとして用いられる。先輩社員が新入社員などに対し、マンツーマンで面倒をみる制度のこと。実務の指導を始め、職場生活上の相談役も担う。 エルダー制度のほか、OJTリーダー制度、ブラザー制度、シスター制度などとも呼ばれる。
- ☆→メンター
- マネジメントサイクルmanagement cycle
- まず計画(Plan)を立てて実行(Do)し、その結果を振り返り(See)、反省点や成果を次の仕事の計画に活かしていく、そのようなサイクルを回すことで仕事をレベルアップしていこうという考え方。
PDSサイクルとも、PDCAサイクル(P→D→Chck(測定・評価)→Action(行動))ともいわれる。
- 目標による管理(MBO)<もくひょうによるかんり>management by objectives
- マネジメントの方法論の1つ。目標管理とも呼ばれている。‘目標によって’管理する対象は仕事や部下の活動であり、目標そのものを管理するのではない。
担当者の仕事を上司が一方的に割り振ったり細かく指示命令するのでなく、自分が担当する仕事について担当者自ら目標を設定する。その目標について上司との合意がとれたら、目標達成に向けての活動は担当者が自己統制しながら進めるというもの。
上司と部下の十分な対話が成功の鍵とされている。
- ★詳しくは→目標管理(MBO)の研究(ナビゲート)へ。
- HRHuman Resources
- HRは、ヒューマン・リソース(Human Resources)の略語で、人的資源と訳される。平たくいうと「人材」とほぼ同義であるが、人事部門のことをさす場合もある。ここでいう人的資源とは、モノやカネと並ぶ重要な経営資源としてのヒトをさしている。すなわち、単なる管理対象としての労働力に留まらず、適材を最適に配置し、育成し、活用することで大きな経営成果をもたらす存在と位置づけている。
人事部門をHR部門というときには、旧来型の管理部門ではなく、そうした人材を獲得し、動機づけ、育成し、定着を図るといった戦略的な使命をもった部門であることが意図されている。
- HRDHuman Resource Development
- 経営に必要となる人材を戦略的に育成・開発していこうとする考え方で、HRMを人材の育成面から捉えた場合の一連の活動を指す。 一般に、人的資源開発、人材開発と訳す。
HRDを効果的に進めていくためには、中長期の経営目標と連動して「期待される人材像」を具体的なイメージをもって明確にすることが求められる。
- HRMHuman Resource Management
- 組織のビジョンや経営目標の達成に向けて、人材の獲得、活用、育成、管理などを中長期的視点から戦略的に行っていこうとする考え方。 一般に、人的資源管理、人材マネジメントと訳す。
従来型の「人事管理」は管理志向が強く横並び的であったのに対し、HRMは「人材」に対する確固たる理念と競争優位に立つための独自性が求められる。
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- CDPCareer Development Program
- 従業員個々のキャリアまたは能力開発の長期的な計画。
従業員本人の適性や希望、会社側の期待する人材イメージの両面から設計される。それに向けて、効果的にローテーションや育成計画を組む必要がある。
- エンパワーメント
- マネジメントにおけるエンパワーメントとは、主に組織の末端に権限を委譲する組織運営のあり方をいう。
第一線の裁量権が拡大することにより、意思決定の迅速化や顧客対応力の強化をねらう。 但し、エンパワーメントを効果的に機能させるためには、従業員個々が経営方針をしっかりと理解し、自律的に考え行動できることが必要。
- エンプロイアビリティ
- 個人の“雇用され得る能力”のこと。技術環境や産業構造の変化に適応し、速やかに異動や転職ができるための能力ともいえる。 終身雇用制の終焉、産業構造の変化、失業率の増加といった社会情勢の中で、雇用のミスマッチを解消し、流動性を促進するための1つの概念。
労働市場において、通用する職業能力を身につけるためには、企業側も教育機会を提供していくべきとされる。
- 職務拡大/職務充実<しょくむかくだい/しょくむじゅうじつ>job enlargement/job enrichment
- 従業員に対する動機づけ要因。職務拡大とは、仕事の幅を広げること、職務充実とは仕事を高度化すること。
いずれも人材育成の一環として重視されている。
- ジョブ・ローテーションjob rotation
- 人材育成を目的とした定期的で計画的な異動のこと。業務上の必要性から行われる配置転換とは異なる。
長期的な育成を前提に幅広い仕事を経験させることがねらい。また、同じ職務に長年携わることに伴うマンネリや弊害を防ぐ効果もある。いずれにしても、年功序列、終身雇用という日本的雇用慣行の下で、伝統的に行われてきた制度である。
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- 5S(活動)<ごえす>
- 職場管理の基盤づくりの活動で、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字の5つの「S」をとったもの。もともとは製造現場において、安全や品質向上を目的として「整理」「整頓」「清掃」の3つを中心に「3S」活動として取り組まれてきたが、その後「清潔」「しつけ」が加えられて「5S(活動)」として定着した。
- ☆→整理(5S用語)、整頓(5S用語)、清掃(5S用語)、清潔(5S用語)、しつけ(5S用語)
- 三面等価の原則<さんめんとうかのげんそく>
- 仕事における「三面等価の原則」とは、遂行責任、権限委任、結果責任の3つをいう。
部下に対して仕事を指示するときは、この原則を考慮する必要がある。 つまり、部下が自分で責任もって仕事をやりとげること、部下に権限を委譲すること、そして結果に対しては上司自ら責任をとること、の3つ。
- チームワークteam work
- ある目標に向けて共同で仕事を行うために、お互いに協力しあい、一体となって、全体としての成果をあげるよう動くこと。
- リーダーシップleadership
- 集団をまとめながらその目的に向かって導いていく機能。もともとはリーダー個人が有する能力と考えられていた。この考え方に立つならば、リーダーシップを有するリーダーは、どんな集団においても強力なリーダーシップを発揮できることになる。
しかし実際には、ある集団でリーダーシップを発揮できたリーダーが、別の集団ではうまくリーダーシップが発揮できないということも珍しくない。こうした研究が進むにつれ、リーダーシップとは個人の能力のことではなく、集団が持つ機能のことであり、その集団で有効なリーダーシップスタイルはメンバー構成によって決まったり、集団が置かれた状況によって決まるという考え方が主流になっている。
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- 報・連・相<ほうれんそう>
- 「報告」「連絡」「相談」の略。職場において、互いに連携をとりながら仕事を進めるために、必要不可欠なコミュニケーションの要素とされる。
- モラール・モチベーションmorale、motivarion
- モラールとは、組織全体の労働意欲、士気のこと。これに対しモチベーションとは組織を構成する個々人の労働意欲や動機づけという意味で使われる。
- 衛生要因<えいせいよういん>hygiene factor
- ハーツバークによって提唱された、仕事への満足・不満足の要因説に基づく1つの要因。
人は仕事をする環境面(衛生要因)の欲求が充足されないと不満感を持つが、環境面が充足されるだけでは満足感を得られず、真の満足感を持つためには、仕事そのもの(動機づけ要因)が満たされる必要があるという考え方。
衛生要因は少しでも欠けると従業員の不平・不満の原因となるのに対し、動機づけ要因は、少しでも満足感が増せばモチベーションが高まる性格を持つ。
- 動機づけ要因<どうきづけよういん>
- ☆→衛生要因
- ジョブ・インストラクション(JI)job instruction
- TWI(監督者訓練)の訓練コースの1つである作業指導講習会のこと。新入社員や未経験者に対し、作業指導を行う場合の手順。
訓練が必要な箇所をあきらかにし、作業内容を具体的に分解した後で、以下の「教え方の四段階」に従って指導を行う。
- 習う準備をさせる。
- 作業を説明する。
- やらせてみる。
- 教えた後をみる。
- 教え方の四段階<おしえかたのよんだんかい>
- ☆→ジョブ・インストラクション
- インセンティブincentive
- 目標達成を促す刺激策。企業が、従業員や販売店あるいは消費者に対して提供する報奨金や景品など。
「馬ににんじん」などで例えられる。
- 傾聴<けいちょう>active listening
- もともとカウンセリングにおけるコミュニケーション技能の一つ。傾聴の目的は相手を理解することにある。
それにより、話し手が自分自身に対する理解を深め、建設的な行動がとれるようになるようサポートする。 傾聴で大切なのは次の3つとされる。
- 言葉以外の行動に注意を向け、理解をする。(姿勢、しぐさ、表情、声の調子などなど)
- 言葉によるメッセージに耳を傾け、理解する。
- 相手の人そのものに注意を向け理解する。
- 共感(共感的理解)<きょうかん>empathy
- カウンセリングにおける重要なコミュニケーション要素の1つで、「その人そのもの」を理解すること、とされる。
つまり、相手を評価するのでなく、傾聴などを通して、相手とその世界を理解し、「相手とともにいる」状態を築くことをいう。
-
スキル的にとらえると、
- まず相手の言ってることに注意深く耳を傾け、相手の感情やその感情をもつにいたった背景を理解する。
- そのことを相手に伝え、正しく理解しているかどうかを確認する。
という手順を踏みながら、相手への理解を深めていく。
- コーチングcoaching
- 指導を行う場面で、対象者の自発性を促進するためのコミュニケーションスキルの一つ。
- 組織内におけるコーチングとは、相手と同じ土俵に立ち、効果的な質問を投げ掛けることで、相手の本来の能力や意欲を引きだしていくことをめざす。
- パフォーマンス・コンサルタントperformance consultant
- アメリカのデイナ・ロビンソンが、その著書『Performance Consulting』(1995)で最初に著した言葉であり、職業のこと。
組織で働く人材に対してトレーニングを行うだけでなく、仕事のパフォーマンスの改善・向上を請け負う専門家。
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- PM理論PM theory
- 管理、監督のリーダーシップのスタイルに関する理論の1つ。社会心理学の三隅二不二博士によって提唱された。集団の機能を目標達成機能(Performance)と集団維持機能(Maintenance)の2つに分けて分類する考え方。
両方とも強いリーダーのタイプを「PM型」、どちらも弱いタイプを「pm型」、どちらか一方が強い場合を「Pm型」「pM型」と類別している。
これらのうち、最も生産性の高い指導タイプはPM型で、最も生産性の低いのはpm型であるとされる。
- X理論、Y理論X-theory,Y-theory
- アメリカの経営学者マクレガーによって提唱された、管理行動を考える際の人間観。
X理論は、人は生まれつき怠け者で、厳しい賞罰で統制しなければ働こうとしないという前提に立つ。
それに対しY理論は、人は条件次第でで目標達成に努力し、自ら進んで責任をとろうとするという前提に立つ。 マクレガーは、人を成長させ、より高い目標を達成するためにはY理論を前提とすることが必要と唱えた。
- コンティンジェンシー理論Contingency Theory
- 1970年代に台頭してきたリーダーシップ理論で、状況適合理論ともいう。
唯一最適なリーダーシップ・スタイルというものは存在せず、状況に応じて、望ましいリーダーシップのスタイルは異なるという見解に立つ。 この点で、行動理論(リーダーとして望ましい行動パターン研究)と一線を画す。
代表的なものに、フィードラーのコンティンジェンシー・モデルやハーシーとブランチャード(1977)のSL(Situational Leadership)理論がある。
- マネジリアル・グリッドmanagerial grid
- 元テキサス大学教授のR・ブレイク、J・ムートンによって提唱された理論。管理を行うための要件には、「業績への関心」と「人間への関心」があり、この2つの要件に対し、管理者がどの程度関心を払うかによって、管理のスタイルが類型化される。
具体的には、この2要件を縦横の軸にとった升目(グリッド)において、1・1型、1・9型、9・1型、5・5型、9・9型の5つの枠組みがあり、9・9型(いずれへの関心も高いタイプ)がもっとも望ましい管理スタイルとされる。
- 場の理論<ばのりろん>
- K・レヴィンが提唱した理論で。人間は、個人の特性によるだけでなく、その人が置かれた「場」に影響を受けて行動するものだという説で、組織における人間行動を理解するための1つの枠組みとされる。
場の理論によれば、個人の特性を開発するだけでなく、環境の開発を行わなければ、期待行動は現われない、ということが言える。
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- アイスブレイクice break
- 研修用語として用いられる言葉。研修のスタート時などにおいて、受講者の緊張を解き、リラックスしてもらうことをいう。
互いに自己紹介を行ったり、簡単なゲームを行ったりするのもアイスブレイクのひとつ。
- KJ法KJ method
- 文化人類学者の川喜田二朗氏が開発した問題解決の技法で、開発者のイニシャルをとってKJ法と名付けられている。混沌とした情報を秩序立て、統合することにより、新たな発想や根本的な問題を得るというもの。
概ね以下のような手順が踏まれる。
- さまざまなアイデアを一行見出しにしてカードに書きだす。
- それらのカードの関連性の深いものをグルーピングし、グループの内容を適切に表現する見出しをつける。
- こうした作業を何度か繰り返して大グループを編成する。
- 全体の構造を図解化し、最後に文章化していく。
- KT法
- 問題解決手法の1つ。開発者であるケプナーとトリゴーの二人の名前のイニシャルをとって、こう呼ばれる。 実際に成功した経営者や管理者の思考プロセスを調査し、そこから帰納的に導き出された手法。
状況分析(SA)、問題分析(PA)、決定分析(DA)、潜在的問題分析(PPA)の4つの思考プロセスから構成されている。
- NM法
- 類似思考法の一つで、考案した中山正和氏の頭文字をとってNM法と名づけられた。
創造的な思考プロセスを手順化して、その手順に沿ってイメージ発想を行う発想法で、発想するためのヒントを導く「着想段階」と、ヒントをアイデアに繋げる「発想段階」に効果を発揮する。 問題解決や新技術・製品開発に活用されることが多い。
- MTPManagement Training Program
- 管理者訓練計画のこと。1950年代に産業界に導入され、以降改訂が重ねられている。
管理についての基本的な知識・技能・態度の啓発を目的とし、1.管理の基礎、2.仕事の改善、3.仕事の管理、4.部下の育成、5.人間関係、6.管理の展開、の6部から構成される。会議形式で研修を行い、全20会合、合計40時間が基本。
TWIよりも、高いレベルの管理者層を対象とし、比較的広範囲の管理問題を扱う。
- TWItraining within (the) industry
- 昭和25年頃から普及した産業訓練の1つ。監督者訓練講座とも言われる。
1回2時間、15〜20回程度の会議形式による定型的な訓練で、仕事の教え方、改善のしかた、人に対する扱い方といった3テーマからなる。
- JSTJinjiin Supervisory Training
- 人事院式監督者研修のこと。昭和25〜26年に人事院が、企業の管理、監督者層を対象に開発した訓練プログラムで以下の5セッションからなる。(第5次改訂版)
- リーダーシップの役割
- マネジメントの基本
- リーダーシップの発揮
- コミュニケーションの活用
- リーダーとしての自立
- TA(交流分析)Transactional Analysis
- 米国のエリック・バーンによって開発された精神療法。
自分自身の思考や感情、行動パターン等の要因を認識し、他人との関わり方について自己分析することで、人間関係をうまくコントロールしていけるようになることを目指したもの。
TAではまず、自我をPAC(Parent、Adult、Child)の3つの状態からとらえ、それに照らして、自我の状態と対人関係におけるの交流パターンを把握していく。
- STSensitivity Training
- 感受性訓練。集団の中で互いにありのままの自分を出すことで、自他の感情を客観的に理解し、状況に適合した行動がとれるようになることを目的とする。
そもそもは、アメリカにおいて人種的偏見問題を解決するために研究されたのが発端。
訓練期間は1週間前後。10〜15人の小グループ(Tグループ)を作り、そこに1〜2人のトレーナーがつく。討議のテーマやルールは与えられず、すべてのとこはメンバーのかかわりの中で決定される。
- インシデント・プロセスincident process
- 研修で使われる事例研究法の1つで、ピゴーズ教授夫妻により考案された。研修の受講生が、職場で実際に起きた困った出来事(インシデント)を持ち寄り、この出来事について問題点や原因、解決策を討議する。ケースメソッドで使用する教材に比べ、比較的短く単純な事例を扱う。
身近な問題について討議するため、受講生が主体的に参加でき、研修の内容を日常業務に活かしやすいことが利点として挙げられる。
- インバスケット法in-basket (method)
- インバスケット法とは、意思決定が必要となる案件を一定時間内に大量に処理させる訓練技法のこと。時間内にどれだけの案件を処理できたかという生産性のほか、分析力・判断力・部下育成の意識・ストレス耐性など、多角的に評価を行う。
意思決定能力を伸ばすために研修で使用されるほか、管理職としての適性を診断するための昇格試験やアセスメント研修などに使用される。
- エンカウンターencounter
- ☆→グループ・エンカウンター
- グループエンカウンターgroup encounter
- カウンセリングの一形態で、集団で行うもの。名称や形態はさまざまだが、メンバー相互が本音を出し合うことにより、互いの理解を深め、また自分自身も受容していくことをねらいとする。
形態には、大きく構成的グループ(structured group)と非構成グループ(unstructured group)の2種類がある。前者は、ある課題(共同作業やエクササイズ)の遂行を通して交流を深めるもの、後者はフリートーキング主体に進めるものをいう。
- ケースメソッドcase method
- もともとハーバード・ビジネス・スクールで採用された事例研究法の1つ。 企業の実事例に基づく比較的長文の事例を素材とし、経営管理上の諸問題について集団で討議を行い、問題解決能力等の向上をはかるもの。 幹部候補、管理者の研修などに用いられることも多い。
俗にケーススタディと呼ばれることもあるが、厳密には異なる。ケーススタディとは、一般にシカゴ大学で採用された事例研究法のこと。
- ブレーンストーミングbrain storming
- アイデアを創造する技法の1つ。集団(グループ)で行うもので、あるテーマに対し、各人が思いつくままにアイデアを出し合っていき、後でアイデアを整理しまとめあげるというもの。
実施にあたっては、次の4つのルールがある。
-
- 他人のアイデアを批判しない。
- 自由奔放なアイデアを歓迎する。
- 質より量、アイデアは多いほどよい。
- 他人のアイデアを活用し、発展させる。
- ロールプレイングrole playing
- 教育方法の1つで、役割演技法ともいう。
実際の仕事上の場面を設定し、そこでの役割を演じることで、実務上のポイントを体得する訓練法。 例えば、セールス技術のトレーニングや、マナー教育など、基本技能の修得や対人能力の向上を目的とした研修によく用いられる。
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- コンピテンシーcompetency
- 一般に、高い業績を上げ続けている人の行動の仕方などに見られる特性、と定義されている。ある職務に必要とされる知識や技能や価値観など、細分化された能力でなく、それらをまとめて一つの特性として捉えることができるもので、仕事の成果に直接影響するものとされている。
職務遂行能力(KSAOs)と行動の中間的な概念。1973年にマクレランド(David.C.McClelland)がAmerican Psycologistに『知性よりコンピテンシーを測れ』という論文を発表して以来、多くの組織の人事制度に影響を与えている。
- ★詳しくは→日本能率協会マネジメントセンターのページへ。
- コンピテンシー・ディクショナリーcompetency dictionary
- 存在している(必要な)コンピテンシーをすべて洗い出し、体系的に整理したもの。
コンサルディング機関が作成し提供している標準的とされるものや、1つの企業内で作成した自社固有のものもあり、それぞれ、10〜100項目のコンピテンシーにまとめられている。
通常、このディクショナリーを参考にしながら、それぞれの職務のコンピテンシー・モデルが作られる。
- コンピテンシー・モデルcompetency model
- 特定の職務について要求されるコンピテンシーをまとめ、モデル化したもの。コンピテンシーによって表されるその職務の人材像となる。
通常、6〜8項目程度で表現されることが多い。その職務で高業績をコンスタントにあげているハイパフォーマーを分析して作成するケースや、コンピテンシー・ディクショナリーから選択して作成するケースがある。
- KSAOs
- 人材アセスメントを行う際に、その職務に要求される能力要素として設定されるものて、能力測定や能力開発に活用される。
知識(Knowledge )、技能(Skills )、能力(Aptitudes , Abilities)、その他の特徴(Other Characteristics )の頭文字をとったもの。
近年、コンピテンシーが流行し始めてからはコンピテンシーより細かな概念と位置づけられているようだが、その分析方法や評価方法はコンピテンシーの中でも活用されている。
- 人事考課<じんじこうか>merit rating/prformance rating
- 従業員の能力や仕事への取り組み、成果などについて評価すること。その結果を処遇(昇進・昇格、給与、賞与)に反映させたり、教育や配置の参考にしたりする。
- ヒューマンアセスメントhuman assessment
- アセスメントとは、もともとは環境への影響度の評価や税額決定のための評価を指す言葉だった。
ヒューマン・アセスメントという場合、従業員の職務への適性に対する事前査定、または能力や業績の評価(いわゆる勤務評定)を行うことをいう。
日本では、研修の中で数種のエクササイズを課し、そのプロセスを観察することによって職務適性を評価する研修をさす場合が多い(アセスメント研修)。
- 多面評価(360度評価)<ためんひょうか>
- 人事考課における評価方法の1つ。上司側が部下を評価するという一方向の評価では、評価者の先入観や価値観に左右されやすい、という反省から生まれた。
上司だけでなく、他部門の管理者、同僚、部下あるいは取引先など、多様な側面から評価を行おうというもの。これにより公正な評価をめざす。
- ハロー効果<はろーこうか>halo effect
- 後光効果や威光効果ともいう。 モノや人に対して、ある特徴的な一面に対する印象に幻惑され、その他の側面についても、みな同じように思い込んでしまうこと。
特に人事考課を行う場合に、注意すべきことの1つとされる。
- 寛大化・厳格化傾向<かんだいか・げんかくかけいこう>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。寛大化傾向とは、全体的に考課が甘くなる傾向をいう。自分がその分野に対して精通してない場合などに起こりやすい。
逆に、厳格化傾向とは、全体的に評価が厳しくなる傾向をいう。自分がその分野に精通している場合などに起こりやすい。
- 中心化傾向<ちゅうしんかけいこう>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。
全体的に、考課点にバラツキがなく、中心(普通)に偏ってしまうこと。
- 近時点評価/直近効果<きんじてんひょうか/ちょっきんこうか>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。
例えば年間をとおしての考課を行う場合、ごく最近の印象(業績や態度、行動)に引きずられて評価してしまうこと。
- 先入観評価<せんにゅうかんひょうか>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。
過去の印象や思い込みに基づいて評価を行ってしまうこと。
- 政策評価<せいさくひょうか>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。
賞与、昇格、役職付与への影響を考慮して、故意に甘く評価すること。
- 対比誤差傾向<たいひごさけいこう>
- 考課を行う際に、陥りやすい心理的な傾向の1つ。
自分自身とは異なるタイプの者に対して、過大評価あるいは過小評価をしてしまうこと。
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