新人(トレーニー)配属後の数か月は新人も白紙の状態で、教えることも多いため、OJTも進めやすいでしょう。しかし基本的な指導がひと通り終わると、OJTが中だるみしがちです。
最初は白紙の状態だった新入社員も徐々に個性があらわれ、仕事の状況やOJTの進捗にもバラつきが生じます。新人受け入れから数か月も経つと、新人とOJTリーダーとの関係も当初とは変化があるかもしれません。
OJTリーダーは、指導を通してさまざまな問題を感じるようになります。
…… などなど。
このような時期にOJTリーダーを集めてフォローする機会を設けることは、互いに刺激になりますし、後半に向けて方針や指導方法を見直す機会にもなります。指導を受ける新人にとってもプラスになるはずです。
ではその節目とはいつでしょうか。
ナビゲートでは、OJT期間を前半と後半に分けて考えることを推奨しています。
前半は、基礎的な行動やスキルを習得する期間、後半は応用力を身につける期間です。
そこで、前半終了時を1つの節目とするとよいでしょう。4月入社の新入社員の場合だと、秋頃になるかと思います。
OJTのフォロー研修では、まず前半の指導経験を通して感じた問題、ノウハウなどを共有します。
後半の指導に積極的に取り組むには、 OJTリーダーが直面したさまざまな問題について、解決の糸口をつかめるようにします。
そして後半の目標(OJT終了時からどう活躍してほしいか)を設定し、それに向けて指導計画を調整します。
また、後半に向けての指導方法、仕事の任せ方、意欲の引き出し方などについても確認しておくようにします。
OJTの前半では、ひと通りのことを羅列的に教えますが、後半ではテーマを絞って重点的に鍛えていきます。
そのため、OJTリーダーの指導のしかたや関わり方も変えていく必要がありますが、同時に、一貫して言い続けないといけないこと、手を緩めてはいけないものもあります。
それらを整理したうえで、OJT期間終了時の目標イメージを明確にして、的を絞った指導ができるようにしていくことが大切です。
OJTリーダーを任されることは、中堅社員にとっては絶好の成長機会です。新人の指導をなし崩しにしてしまうと、せっかくの成長機会を活かすことができません。 OJTを通じて経験したことを振り返り、試行錯誤を繰り返すことで初めてOJTリーダー自身の成長につながります。 そこで、フォロー研修の場で自分自身の振り返りを行い、また互いの指導経験を交換することで、自己認識を深め、人に対する洞察を深めていきます。
また、フォロー研修の時期は一定の経験を積み、問題意識も高まっています。この機会に基礎理論を学ぶことで、前半の指導で経験したことが体系的な知識につながります。
このように、OJTリーダーフォロー研修は、最も効率のよいリーダーシップ訓練でもあります。
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