第1章:目標による管理の基本概念
更新 2002.09.01(作成 1999.10.24)
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目標による管理とは
まず、目標管理とはどういうものかについて簡単におさらいしておきます。
目標管理とは、マネジメントの方法論に関する一つの主張です。どのような管理をやれば最も効率がよく、大きな成果が期待できるか、というマネジメントの研究から生まれました。正式には、「目標による管理(MBO:Management By Objectives through Self Control/自己統制による目標による管理)」と呼ばれています。
‘目標によって’管理する対象は、仕事や部下の活動です。目標管理では、仕事のやり方をこと細かに指示したり、命令したりするような管理をするのでなく、担当者自身に、最終的にどういう結果を得るのか、どこまでやるのかという目標を明確にさせます。そして、その進め方や実行段階の管理を担当者に任せてしまうほうが成果が大きくなる、と主張されています。
そのため、目標による管理は、提唱された当時は「結果による管理(Management By Results)」ともいわれました。
目標管理は、1950年代から60年代にかけて、アメリカの経営学者、ピーター・ドラッカー、ダグラス・マクレガー、ジョージ・S・オディオーンらによって提唱されました。
特にマクレガーのY理論のような人間を尊重する考え方や、当時流行した行動科学による実証的研究などが、目標による管理の有効性を後押しする形となり、多くの企業に取り入れられてきました。
引用:ドラッカー『現代の経営』より
今日企業が必要としているのは、個々人の力と責任に広い領域を与えると同時に、彼らの志や努力に共通の方向を与え、チームワークを打ち立て、個人的目標と共通の利益とを調和せしめるような「経営原理」である。
これらのことをよく成し遂げられるのは、目標設定と自己統制とによる経営しかないであろう。
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