更新 2013.03.19(作成 2002.10.09)
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OJT制度の概要
通常この制度は、新入社員に対し所属長が直接指導するのではなく、数年上の先輩社員が教育係となって指導するというスタイルをとります。職制上で公式の監督権限を持っていない社員に権限を委譲し、指導監督をさせるという点で「制度」という呼び方がされています。
制度の一義的な目的は、新入社員を職場の戦力として早期に育成することにあります。それに加え、所属長が特定の社員(新人)にかかりきりになる状態を回避すること、中堅クラスの社員に指導経験を積ませることで成長を促すこと、なども目的とされています。
制度がなくても新人をうまく育てている職場はあります。しかし全ての職場がうまく育てているとは言えず、どうしてもバラツキが出てしまいます。OJTが制度として公式化されていれば、このバラツキをある程度まで防止できます。
またOJTリーダーとなる社員も、その役割が公式化されたほうが職場内で動きやすくなるし、責任も明確になります。さらに新入社員にとっても、自分を指導してくれる人が明確なほうが安心ですし、相談もしやすい環境となります。
特に細かいことは決めず、配属先の所属長に対し「新入社員にはOJTリーダーをつけ、個別指導をしください」という通達だけ出しているという企業もあります。しかし、これだけでは指導状況のバラツキ防止の効果は期待できません。そこで少なくとも、指導期間、OJTリーダーの選定の目安、育成目標あたりまでは決め、各所属長の理解を得られるようにしておく必要があります。
OJTリーダー配付資料としては、制度概要を記した資料が1枚は必要です。それには、制度のねらい、OJTリーダーの役割、期間と全体スケジュール、指導内容、留意事項などは最低でも記載しておきます。
指導状況の標準化や精緻化を進めようと思えば、計画書、指導記録、報告書などの書式まで準備しておきます。また制度で要求するものが細かく複雑になるとすれば、OJTマニュアルも必要となるかもしれません。あるいは、OJTリーダー研修を実施したり、OJTリーダーの心構えや進め方が書かれた副読本を提供すると、より大きな効果が期待できます。
*上記をカバーしてOJTのしくみを構築するツールとして、弊社では「OJT実践ノート」をご提供しています。
基本的には連動している必要性はありません。ただし、目標管理制度でOJTを目標に掲げることが認められていれば、目標の1つに掲げても構いません。また、OJTを担当することを通じて成長が見られた場合に能力評価や行動評価などで評価できるようになっていると、OJTリーダーの動機づけにもつながってきます。
チェーン展開しているサービス業や小売業では、OJTリーダーを新人と同じ職場内の先輩社員が担当するのでなく、専任のトレーナーによる巡回指導としている企業もあります。また、派遣社員を常時受け入れている職場では、標準的な指導計画、指導手順を作って効率よく戦力化を目指しているところもあるようです。