ナビゲートのロゴ
ナビゲート通信は主な更新情報をお届けするメールマガジンです。ご登録はこちらから。

下記はページ内を移動するためのリンクです。

現在位置

 ホーム > 正気堂々 > このコーナーについて

このコーナーについて

更新 2006.08.29(作成 2005.02.21)

| 正気堂々Top |

■作者「今泉 敬 氏」について

ナビゲート 伊藤弘二朗 

作者の今泉敬氏は、私の人事の先生です。
と言っても、もともと作者は顧客企業の人事担当者で、最初に出会ったときは私がコンサルティング機関の人間として教える側、作者がお金を払って教わる側の立場でした。ところが、数年にわたって仕事をいただいているうちに、逆に私が作者から、人事について多くのことを学ぶようになりました。

私自身はコンサルティングの業界にいましたので、何人かの優れたコンサルタントや学者との出会いもあり、人事についても学んでいました。人事制度の構築手順やプロジェクトの進め方のノウハウなら私のほうが持っていたかもしれません。
しかし、本当の‘人事’については何もわかってなかったような気がします。作者と一緒の仕事をしていく中で、作者から質問やちょっとしたクレームなどをいただくことがありました。そんなときも、私は何を求められているのかわからないことがありました。

私が作者から学んだことはいろいろあります。1つは、人事制度の中で何か1つをいじったとき、人事部門の運用の中で、あるいは組織の中で何が起きるのかという点です。その正確な答は誰もわからないにしても、そのことを根気強く考えるという姿勢です。作者と私とでは、この部分に関する洞察に大きな差がありました。そのことが、人事担当者であった作者からの質問を私が理解できなかった原因だったように思えます。

次に学んだのは、人事における公正さとは何か、合理性とは何かという点です。「公正な制度」という文言は、今ではほとんどの企業の制度で掲げられています。しかし、公正であるかどうかを突き詰めて検証している企業はそれほど多くはありません。私自身も深く考えることなく使っていたような気がします。
営業職と事務職、管理者と組合員、新卒社員と中途社員、ベテランと若手、男性と女性、家族持ちと単身者、仕事ができる人とできない人、要領のいい人と悪い人、経営者と従業員……。
このようにいろいろな立場の人がいる中で、どこをとっても公正であることを維持するのは簡単ではありません。人事制度の構築においては、公正さにこだわると、新制度への移行手続や移行後の運用ルールづくりが途端に難しくなってしまいます。複雑な要素が絡み過ぎていて、頭がショートしそうになるほどです。
そういうとき、人事のもう1つのキーワードである合理性が頭をもたげてきます。少しでも多くの人が納得する制度にしようとすると、コストが見合わなくなってしまうためです。
公正であり、かつ合理的な制度はどうすればいいのか。その難題で苦悩が続くと、いっそ合理性という言葉を楯にしてこの議論を終わりにしようか、あるいは経営層をごまかしてお金を持ち出させてしまおうか、などという誘惑に駆られます。
作者はそういった誘惑に負けず、とことん考え続けるタイプの人事担当者でした。他の関係者が根負けして議論に加わらなくなったときでも、作者と私とで延々議論し続けていたことが何度もありました。

最後にもう1つ、作者に教わった中で一番大きかったのは、‘人事の心’です。これはこの作品のテーマにもなっているものなので、その解説はこの作品に譲りたいと思います。

さて、作者の経歴についても触れておきたいと思います。作者はサラリーマンとしては2度の転職をし、4つの会社を経験しています。会社が1つ多いのは合併も経験しているためです。そのため、従業員という立場からもいろんな経験をしています。
2つ目の会社では、労働組合の執行部も経験し、人事に配属されてからは主に制度の改定や運用を担当してきました。成果主義と称した人事制度も、日本の企業の中でもかなり早い段階に手がけました。また、自社の人事制度だけでなく、複数の子会社の人事制度を構築したり、合併後の人事の統合作業を行ったりと、人事担当者としては非常に豊富な経験を積んできました。
最後の会社には、人事コンサルタントとして転身しました。そこでは有名企業も含めて多数の企業の人事制度を研究してきています。
そして現在はフリーの立場から、ナビゲートの事業に協力していただいています。

この物語はフィクションではありますが、そんな作者の豊富な経験や他社の人事担当者やコンサルタントから仕入れた情報なども所々にちりばめ、あるいはつなぎ合わせたりしながら、日本の多くの企業で起こりうる話として描かれています。

→ この作品について

「正気堂々」についてご意見をお聞かせください

▲このページの先頭へ

お問い合わせ・ご連絡先
Copyright © 1999 - Navigate, Inc. All Rights Reserved.