学習転移
更新 2005.12.19(作成 2005.12.19)
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- 学習転移transfer (transfer of learning)
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先に行われた学習が後に行われる学習に影響を与えること。
先の学習が後の学習を促進するように働く場合を正の転移(積極的転移、positive tranfer)といい、妨害するように働く場合を負の転移(消極的転移、negative transfer)という。一般的に「学習の転移」というときは正の転移をさすことが多い。
学習の転移については、ソーンダイクやケーラーほか多くの学者によって分析的研究が行われているが、転移を生じさせる主な条件としては2つあげられる。
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- 同一性・類似性:先の学習と後の学習の、状況、内容、方法等の間に同一の要素がみられる場合、または類似している場合に転移が大きくなる。
- 学習程度:先の学習量が多く程度が高いほど転移が大きくなる。
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これら2つの条件は正の転移も負の転移もありうる。たとえば思い込みや過剰な学習が、かえって思考回路を習慣化・固定化させ、正の転移が起こりにくくなるケースもある。
正の転移を促す条件としては以下のように言われている。
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- 一般化:先に一般的な原理を獲得することで転移が大きくなる。
- 構造の共通性:考え方や問題解決の方法などを学習することで、同じ構造を持つ別の学習について転移が生じやすくなる。
- 態度:先に学習したことを後の学習に適用しようという態度を教えることで転移が大きくなる。
- このような転移の研究は、学習の進め方や教材のあり方などを検討する上での1つの指針とされている。
「企業と人材」2005年 11/05号 に同様の内容を執筆
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