コンピテンシー
更新 2003.10.23(作成 2003.10.23)
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- コンピテンシーcompetency
- コンピテンシーは定義論が盛んだが、「特定の職務で高業績をあげ続けている人たちの行動を観察したとき、共通して確認できる特性で、高業績の要因となっている能力」という解釈が妥当である。
- 1973年にアメリカの心理学者マクレランドが『知性よりコンピテンシーを測れ』という論文を発表して以来、多くの組織の人事制度に影響を与えている。
コンピテンシーは、個々の職務で必要とされる具体的な知識や技能ではなく、それらを実際の活動の中で、業績をあげるためにいかに活かしうるかとか、いかに不足を補ったり新たに習得しているかという次元の能力である。知識・技能と行動の中間的な概念で、テストや検査でなく行動観察によって把握が可能な能力だとされている。
- 確認されたコンピテンシーをすべて洗い出したものをコンピテンシー・ディクショナリーと呼び、コンサルティング機関が標準的なものを準備したり、企業内で洗い出しがなされたりしている。
また、特定の職務に関するコンピテンシーを抜き出したものをコンピテンシー・モデルと呼ぶ。このコンピテンシー・モデルを作るねらいは、採用や登用、あるいは教育に活用していくことにある。
- 日本では、教育と人事評価に活用しようという傾向が強い。しかし、段階的に習得、習熟される知識や技能とは異なり、コンピテンシーはその習得プロセスが明らかではなく、経験の浅い人も同様の特性を有している可能性がある。
そのため、教育では育成手段があるのかという問題や、評価では細かく分けられた等級に対応するように作成されたコンピテンシー・モデルが、本来の理論と照らして適切なのかという問題が指摘されている。
「企業と人材」2003年10月20日号 に同様の内容を執筆
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