No.71

業務標準化のヒント。切り口をどうとらえるか?

category:業務の整理・標準化/マニュアルの作り方


公開日:2025年 03月 03日

前回のTipsでは、業務フロー図を描く際の単位について解説しました。今回は、業務をどのように区切るべきか、その切り口について考えてみましょう。業務標準化のヒントになればと思います。


業務内容によっては、1つの業務項目をどのように分けるべきか迷うことがあります。
たとえば、「受注」「商品セット」「納品」という流れを考えてみましょう。

業務の切り分け方はさまざま

ある業務の工程

受注とは、商品の注文を受け付けることで、「受付」「登録」「連絡」などの処理があるかもしれません。
商品セットとは、注文に応じて商品を準備することで、「出庫」「伝票作成」「梱包」などの処理からなると想定します。
納品とは、お客さまに商品を納めることで、「宛名ラベル作成」「伝票類貼付」「出荷」などの処理があるとします。

この場合、業務項目の切り分け方は、業務の実態によって異なります。

何を1つの業務項目ととらえるか

企業によっては、これらの1つひとつが業務項目になることもあるかもしれません。あるいは、商品点数が少ない場合や、情報商材などの場合だと、受注から商品セットまでを1つの業務項目、たとえば「受注業務」などとまとめるのがよい場合もあります。
一方、在庫品と都度発注品とで工程が大きく異なるような場合は、業務項目を「在庫品セット」と「発注品セット」などと分けたほうがよい場合もあるでしょう。

商品ごとに業務項目が分かれる場合も

また、取扱商品によって、受注、商品セット、納品のそれぞれの手順が大きく異なる場合は、商品A受注業務・商品B受注業務などのように、商品ごとに区切るのが適切な場合もあります。
もし、納品業務についてだけは共通だという場合は、この納品業務を1つにまとめることもあるでしょう。

このように、受注、商品セット、納品といったとき、1つの業務項目の切り口は、企業の業務の実態によって異なります。

業務の標準化を目指す場合

業務の標準化を目指すとき、この切り口そのものを変更したい場合もあるでしょう。
たとえば「現在は商品ごとに工程が異なるが、機能単位で標準化したい」などという場合です。これは、縦割りの業務を横断的な形に整理しなおす取り組みです。
しかし、組織の編成自体が縦割りである場合、いきなり横断的な整理をしようとすると、現場に混乱を招きます。そのため、次のような段階を踏むとよいでしょう。

現状の整理から始める

  • 現状が商品別になっているのならまずは商品別に整理する。
  • その際、頻度の高い業務を優先する。

標準化できる部分を見極める

  • 一度整理した業務を比較し、共通する部分を抽出。
  • 段階的に標準化を進める。

完璧を求めすぎない

  • 最初から100点満点を目指すと進まなくなる。
  • まずは70点を目標に整理し、見直しの際に130点を目指す。

業務の整理は、一度で完璧に仕上がるものではありません。「やってみて、見比べて、やり直す」ことが大切です。
業務を整理することは簡単ではありませんが、取りかかりやすく見直しやすい手法はあります。
「業務の整理と可視化」実践講座」ではそのあたりを詳しく解説していますので、もし行き詰まった場合は、どうぞ頼ってみてください。



Youtubeでも関連情報を解説していますので、あわせてご覧ください



author:上村典子kamimura

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