引き続き、業務の棚卸し方法について解説します。
前回ご紹介した「時間軸で洗い出す方法」の中で「サイクル」という言葉を使いました。今回は「サイクル」という視点から業務を洗い出す方法について紹介します。
マネジメントサイクル
計画・準備段階、実施段階、評価段階などと、マネジメントサイクルに沿って進められる業務は多いと思います。
時間軸を持ったサイクル
例えば営業活動では、目標を設定し、営業計画を立て、日々営業活動を展開します。そして、定期的に予実績の確認やレポート作成などを行います。
これは、大きなマネジメントサイクルの中に、小さなマネジメントサイクルが組み込まれている仕事といえます。目標設定や計画策定は、年次や月次、週次で行われるかもしれません。また1日の中でも、アプローチ計画を立てて夕方には日報を作成する、などのサイクルがあるでしょう。これらは一定の時間軸をもったサイクルです。
時間軸以外のサイクル
そして、時間軸とは別の次元で回すサイクルもあります。引き合い、見積り、商談、受注、納品、フォロー……といったいわゆる営業プロセスは、顧客あるいは案件単位のサイクルともいえます。
さらにその中で、例えば受注に至るまでは「提案→デモ→検証→」のように、提案単位のサイクルを何度も回すことがあるかもしれません。
業務はこのように、大きさや次元の異なるサイクルが組み合わされて成り立っています。 もちろんこれは営業に限ったことではなく、さまざまな業種で発生することです。
サイクルの関係性(例:デイサービス)
たとえば、前回デイサービスの1日の業務を時間軸に沿って洗い出してみましたが、その他にも図のように、契約単位、計画単位のサイクルがあります。そして日次のデイサービスは計画単位のサイクルに内包され、計画単位のサイクルは契約のサイクルに内包されるという関係になります。
この他にも、日次サービスの中での訓練サイクル、事務処理の月次サイクルなどもあるでしょう。
このように、業務を洗い出すときは、時間軸のサイクルとそれ以外のサイクル、大小関係のサイクル、一連のプロセスとその中にあるサイクルなどを混同しないよう、関係性を整理してとらえるのがポイントです。サイクルの異なるものを一律に並べてしまうとわかりにくくなるので注意してください。
author:上村典子