目標管理はどんな企業で導入されていますか?
ある調査では、日本の70%以上の企業で導入されているという報告があるようです。しかし、私たちが各企業を訪問している実感としては、この数字は
かなり大きすぎるような感じがしています。
調査対象が大手に限られていたか、目標による管理(以下、目標管理)でなく似通った制度を採用している企業が、「やっている」と回答したのではないかと推
測しています。
もっとも、上場企業ではかなりの割合で目標管理かそれに近い制度が導入されているのは確かです。ただし、目標管理の理念的な部分を大切にしている企業やマ
ネジメントの中心的な制度として位置づけている企業はそれほど多くはないように感じます。
また、小規模の企業でも目標管理を導入している企業はあります。例えば、目標管理をやっていた大企業から独立した人が設立した数名のベンチャー
企業で採用されているケースもあります。あるいは、目標管理という言葉を知らなくても、その考え方通りのマネジメントを行なっている企業もあります。
業種での導入格差はあまり感じません。製造業であれ、流通・サービス業であれ、同じくらいの比率で導入されているのではないかと思います。また一般企業だ
けでなく、農協や漁協のような組合組織、私立大学、行政体などでも導入事例がありますし、宗教団体でも導入しているところがあるようです。
一般的な傾向としては、事業が成熟化し、組織のかじ取りが難しくなってきた企業ほど導入比率が高いように感じます。