他社を見学したとき、スチール制の引き戸となっているキャビネットの扉(引き戸)を全て取り払っているところがありました。あれはどうしてですか?
キャビネットの中身が全て見えるようにすることで、整理整頓を完全な状態に維持することがねらいだと思われます。
どちらが見た目に美しいかということになると賛否両論あるかもしれません。また扉があるほうが、散らかっているものをさっとしまえる(隠せる)ので便利な
面もあります。キャビネットの中が乱雑な状態だったとしても、扉を閉めてしまえば表面的に美しさを保つことができます。
しかし、その姿勢が大敵なのです。もちろん、5Sにとって大敵というだけではありません。管理という側面から考えて一番好ましくない行為であり、それが問
題の先送り体質やもたれ合いの風土を助長してしまいます。
整理整頓が完ぺきな状態であれば、扉を取り払ってもなんら問題はないはずです。またちょっとした乱れもすぐに目に付くようになります。なにより
モノの出し入れを考えれば、扉があるより無いほうが絶対に便利なはずです。
実際には人目についてはいけない資料や取り扱いに制限をかける必要のあるモノも存在していますので、全ての扉を取り払うわけにはいかないものもあると思い
ます。しかし、原則的には隠れたところからきれいにする、隠れたものをみえる状態にして管理するという発想が大切だと思います。
きちんと管理された状態を作ろうとする人なら、全てのキャビネットの扉が閉ざされたベージュの職場より、ファイルがむき出しになっていても整頓 された状態の職場を美しいと感じるようになりたいものです。
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