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5S活動はトップダウンが理想なのでしょうか? ボトムアップが理想なのでしょうか?

5S活動はトップダウンが理想なのでしょうか? ボトムアップが理想なのでしょうか?

こちらについては複数の見方ができると考えます。
例えば、活動の活性化という視点では、現場から意見がドンドン上がってきて、現場主体で改善が促進し、また現場自ら自分たちを律していけるボトムアップの 姿は目指すべき一つの方向かと思います。

一方で5S活動の運用上の視点で考えますと、ボトムアップに期待するだけでは、現実的にはなかなか進んで行かないという点があります。

例えば、以下のようなケースです。  

  1. 本来業務(主に生産)に比べると、5Sは優先順位が下がりやすいこと   
  2. 時間や環境などの制約・条件を受けやすいこと   
  3. ある程度の予算措置が見込まれること   
  4. 管理職以上の判断や決裁が必要となる事項が多いこと(例えば廃棄基準など)   
  5. 到達レベルの基準が職場ごとに異なるため、活動内容にズレやバラつきが発生しやすいこと   
  6. これまでも5S活動に取り組んでは挫折する、ということを経験している場合には、意識そのものが育ちにくいこと

そのため、活動を本格化・定着させていくには、ある程度トップからの強い姿勢は不可欠となります。
これまでの複数企業での実績から、実際に5Sが順調に進むかどうかの差はそこにあるように感じます。
そのため5S活動(特に初期の段階)の運用では比較的トップダウンで進めていくことが望ましいと考えます。

ただし、トップダウンで活動を続けていきますと現場には「やらされ感」のみが植えつけられ、また少しでも5Sの意識が薄くなりますと、途端になし崩しに なってしまうケースも少なくありません。
そこで、活動初期の段階においてもいくつかのしかけを準備しておくことも重要かと思います。

例えば、

  1. 改善提案活動制度や表彰制度などとリンクさせる
  2. 活動初期では小さな達成感を多く経験できるための段階を踏む
  3. 一般社員を中心とした5S推進委員会などを設置することで、実際にはトップダウンでありながらも、ボトムアップ的な活動として運用する
  4. 外部コンサルタントなどを活用することにより、会社と現場の緩衝材的な役割を担わせる

いずれにいたしましても、ご質問にございましたトップダウンが理想か、ボトムアップが理想か、というよりは、まずはトップダウンで進め徐々 にボトムアップ型の活動により活性化していく、というのが一つの望ましい方法ではないかと思います。


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