エンプロイアビリティ
更新 2003.10.23(作成 2003.10.23)
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- エンプロイアビリティemployability
- 個人の“雇用され得る能力”のことで、Employ(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせた言葉。
一般に転職できるための能力を示すが、現在勤務している企業内において継続的に雇用されうる能力という側面ももつ。つまり企業内外を越えた労働市場におけるビジネスパーソンとしての価値と言い換えることができる。
- その内容は、知識・技能にとどまらず行動特性や思考特性、価値観といった個人の内面的属性までを含めたものとしてとらえられている。
エンプロイアビリティという概念が生まれた背景は1980年代以降のアメリカの社会情勢にある。
当時、技術環境や産業構造の変化に適応するために企業のダウンサイジングやリストラクチャリングが進められた。これにより企業は労働者の長期的雇用を保障できなくなった。しかし、企業内の固有業務に長年携わってきた人にとっては別の職務に異動することは難しく、まして他企業に転職することは至難である。
そこで、長期雇用に代わる発展的な労使関係を構築するためにエンプロイアビリティという概念が登場した。つまり、企業が長期雇用を保障する代わりに他社でも通用する能力(エンプロイアビリティ)を開発するための機会を提供する、というものである。
- 企業にとって、個人のエンプロイアビリティの向上に努めることは、優秀な人材が流出する可能性を高めることにもなる。しかし労働市場全体の質を高め、人材の適切な流動化をうながすためにも、社会的責任として受け止められてきている。
一方、個人の側としては、自らが雇用され続けるためには自己責任においてエンプロイアビリティを高めていく必要があるという認識が高まっている。
「企業と人材」10/20号 に同様の内容を執筆
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